【理論と実践】どうすれば加算影響分の法定福利費だけ計算できるのか?(介護職員等ベースアップ等支援加算)

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令和5年4月16日 病院経営の理論と実践 1799号

■どうすれば法定福利費だけ計算できるのか?(介護職員等ベースアップ等支援加算)

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

〜今日のテーマ〜

昨日に続き、「介護職員等ベースアップ等支援加算(以後、ベースアップ等加算)」について取り上げます。

本日は、法定福利費の計算について学びをシェアします。

まず介護職員処遇改善加算について、おさらいします。
こちらの加算は、支給のタイミングは、その法人の任意です。
支給の対象を賞与とすれば、その賞与の増額分に対し、それぞれの社会保険料の率を掛け算すればOKです。
よって、増えた社会保険料のうち、事業主負担分の法定福利費を計算すれば良いので、シンプルです。

一方、ベースアップ等加算は、毎月の給料を底上げする加算です。
これが計算をややこしくさせます。

少し前回の内容の振り返ります。
法定福利費のうち、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、子供子育て拠出金は、
「標準報酬月額」によって金額が決まります。
この「標準報酬月額」が増減したかどうかで、対象の保険料の金額が変わります。
詳しくは前回のブログをご参考ください。

となると、ここで計算上の問題が起きます。

ベースアップ等加算で、8000円とか、9000円とか増額したとします。
基準となるのが、「標準報酬月額」ですので、
単に給与の増額分に、対象の保険料の率を掛け算すれば良いという訳ではない、ということです。

8000円とか、9000円とか、ベースアップしたことにより、
標準報酬月額が変わったかどうかがポイントです。
ここをチェックしなければいけないということです。

この計算は大変です。

では、どのようにしたか?

・過去1年間の「月額報酬額」の変化を一人一人見ていきます。
(給与担当の方が確認してくれました。)

この加算は、介護職員「全員」を対象として「給与」が上がります。
(毎月の給与がベースアップします)
しかし、「標準報酬月額」に影響がない人もあります。その方が多いです。

・変化があった人をピックアップします。
その中で、「標準報酬月額」の増減の要因がベースアップ等加算が支給されたことによるものかをチェックします。

役職、夜勤など、他の手当てで「標準報酬月額」が変わる人もあるので、中身を見る必要があります。
そして、ベースアップ等加算が要因となって「標準報酬月額」が上がった人がいれば、
事業主負担分の社会保険料も上がります。
その増加分を計算しよう、という話です。

・ベースアップ等加算によって上がった「標準報酬月額」と、
支給されなった場合の仮定の「標準報酬月額」との差額を算出します。

その差額に対して、それぞれの保険料の率を掛け算することで、
事業主負担分の法定福利費を算出できます。
その金額を、ベースアップ等加算の職員への支払い額に追加して計上する。

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat330/sb3150/r05/r5ryougakuhyou3gatukara/

(参考:令和5年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表)

と考えました。以上、計算の一方法です。

法人ごとに、計算の仕方は、任せられており、妥当なものであれば良い、と言われます。
これ以外にも、より良い方法もあると思います。
もし皆さんで、この内容を見られて、当法人ではこんなことをやっているよ、ということがあればぜひご教示ください。
意見交換したいですね。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。

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