【理論と実践】「介護職員処遇改善加算・介護職員等ベースアップ等支援加算」の実績報告書の作成

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令和5年7月26日 病院経営の理論と実践 1900号

■「介護職員処遇改善加算・介護職員等ベースアップ等支援加算」の実績報告書の作成

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

〜今日のテーマ〜

本日の内容は「介護職員処遇改善加算・介護職員等ベースアップ等支援加算」の実績報告書の作成について。

この実績報告書は何かと申しますと、
令和4年度の開始時の計画(前年度の賃金支給額や国からの加算額)に対し、
その実績はどうであったのか、
賃金は計画通り増えたのか、適切に職員に支給したのか、その報告書です。

なぜ、この内容を書こうと思ったのか?

それは作成がめちゃくちゃ大変だったからです(笑)
翌年に活かせるように記録に残しておこうと思います。

では、どのように大変だったのか?

それは、計画書作成時点で記入した基準額(令和3年度の賃金支給額)に対し、
令和4年度の賃金の総支給額(実績額)が多すぎて、出てきた結果がおかしなことになり、
その原因追究に時間がかかりました。

基準額と実績額を比較して、賃金改善していますか?
という話なので、あまりに差が大きすぎて、一つの判断指標が「不適切」という結果になりました。

結論から言うと、職員が2名増えていたため、
計画時点で計算した基準額(令和3年度の賃金の実績額)と、
職員が増えた後の実績額(令和4年度の賃金の実績額)が異なっていたのが理由でした。

考えてみれば、当たり前ですね。

なぜ、そんなことに気づかなかったのか?

考え方をよく理解していなかったから、だと思います。

当法人では、「介護職員処遇改善加算」、「介護職員等ベースアップ等支援加算」を届出しています。

大前提として、以下の通りの運用です。

「介護職員処遇改善加算」は、賞与で支給します。
「介護職員等ベースアップ等支援加算」は、毎月の給与で支給しています。

それぞれ見てみます。

◆介護職員処遇改善加算

実績額(令和4年度実績)または基準額(≒令和3年度実績)を計算する際、
それぞれの年度の「介護職員等ベースアップ等支援加算」の国からの支給額を差し引きます。

これにより、純粋な「介護職員処遇改善加算」のみを支給した場合の賃金額を計算できます。

令和4年度の実績額3000万円とします。
ここから「介護職員等ベースアップ等支援加算」の支給額100万円を差し引きます。
計算すると、2900万円です。

(ちなみに、基準額である令和3年度の賃金額は、2500万円とします。)

上記を理解した上で、Excelを見ると、そのような構成になっています。
まず、そのことに気づくのに時間がかかりました。

◆介護職員等ベースアップ等支援加算

実績額(令和4年度実績)または基準額(≒令和3年度実績)を計算する際、
それぞれの年度の「介護職員処遇改善加算」の国からの支給額を差し引きます。

これにより、純粋な「介護職員等ベースアップ等支援加算」のみを支給した場合の賃金額を計算できます。

令和4年度下半期(ベースアップ加算に切り替わったのが令和4年10月)の実績額1500万円とします。
ここから「介護職員処遇改善加算」の支給額300万円を差し引きます。
計算すると、1200万円です。

(ちなみに、基準額である令和3年度の賃金額は、1000万円とします。)

これにより、ようやく、前年比較の数字の出し方が分かりました。

しかし、それでも数字が合いません。
基準額に対し、実績額が大きすぎます。

なぜでしょうか?

冒頭に申し上げた通り、
基準額(計画時点・令和3年度実績)の時点で職員は8名で、
実績額(令和4年度実績)の時点で職員は10名とすると、
計画に出した基準額から2人分増えているので、当然ですが、差額が大きくなります。

基準額である令和3年度の数値を調整をする必要があります。
(職員が変わった場合の調整はOKと、書類に書かれてあります。)

職員が2人増えたのであれば、もちろん基準額よりも多い実績額になるのは当然です。
計画時点で出した基準額に、2人多い場合に考えられる金額を基準額に加算すると、
ようやく求める数字が出てきました。

歓喜でしたね(笑)

例えば、

◆介護職員処遇改善加算

基準額2500万円に、2名分調整の400万円を加算して、2900万円(調整後)。
実績額2900万円で、基準額以上になっているからOK。

◆介護職員等ベースアップ等支援加算

基準額1000万円に、2名分調整の200万円を加算して、1200万円(調整後)。
実績額1200万円が、基準額以上になっているのでOK。

という感じです。

最後、感想です。

だいぶ手強い書類でした。
市役所の方と何度もやりとりをしました。
賃金や法定福利費についても、だいぶ学びが深まりました。

とはいえ、だいぶ多くの時間を使ってしまったので、
来年、同じことがないように記録として残して対応したい、と思いますね。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。