【理論と実践】医療経営士1級試験対策(地域医療構想の実現は努力目標か)
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令和5年8月21日 病院経営の理論と実践 1926号
■ 地域医療構想の実現は努力目標か
中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。
〜今日のテーマ〜
本日の内容は、
「地域医療構想の実現は努力目標か」
について。
さて、試験まで、13日(今日を入れて)です。
知識等の最終確認・追い込みをかけていきたいと思います。
今回も、「この国の医療のかたち 医療政策の動向と課題(尾形祐也先生 著)」より、学びをシェアします。
こちらの書籍は各項目ごとに問題提起が書かれています。
試験対策も踏まえ、所感を述べていきます。
【地域医療構想の発端】
地域医療構想の発端は、誰かご存知でしょうか?
実は、医療提供側からの提案です。
国からの強制的な指示によって行われていると思いきや、実は医療提供者側の提案ということで新鮮な驚きです。
純粋に自発的なものとは言えないかもしれません。
国の政策・世論を受けての提案ということもあるでしょう。
実際問題、地域の病床機能や病床数について需要と供給にズレがあることは事実です。
解決する必要があります。
医療機関の自由な活動の中で整備されてきたという経緯を考えると、
強制的な着地ではなく、ソフトランディング(着地)を促すという点が、地域医療構想の大きな方向性だと思います。
その会議が、率直に話し合うような場になれば良いですが、簡単ではないです。
実際は、事前の調整をした上で、最後、会議という公的な場で承認、ということになるでしょう。
地域の状況は分かっても、それぞれの医療機関の事情や希望を考えると、難しいところがあります。
【地域医療構想が実現しなかったら】
とはいえ、この地域医療構想が実現したかった場合にどうなるでしょうか?
高齢者が増える中で、必要となるのは、高度急性期ではなく、
高齢者が罹りやすい誤嚥性肺炎や大腿骨頸部骨折や軽度の心不全などの疾患を診療できる病床と言えるでしょう。
比較的軽症な入院を受け入れる病床が求められる中、
「急性期を称する」病床が過剰になる可能性があるということです。
そういった中で強制的に、病床転換の政策を行わなければならなくなる時が来るかもしれません。
そうなった時に、ニーズが薄くなった急性期の病床に、医療従事者が囲い込まれている状態が生じかねません。
【地域医療構想枠組みの前提】
地域医療構想における急性期、回復期、慢性期という区分や必要数は、
現状の医療に対してのニーズが変わらない、という前提で組まれた枠組みです。
ニーズが変わらない、という前提で組み込まれた枠組みですので、
現在、早期退院や、在宅療養への移行が叫ばれる中、
過少と言われている回復期病床だけに注目するのでなく、
在宅ケアのニーズにこそ、人的資源を投入しなければいけないということも考えられます。
そうなった時に、ニーズが増大するであろう在宅ケアの分野が供給不足に陥る可能性もあります。
病床だけではなくて、外来や在宅との兼ね合いも増えて、地域力を蓄えていかなければならない、ということです。
【終わりに】
本当の高度急性期は整備していく必要があります。
実際、ICUといった高度急性期は整備することは診療報酬で進められています。
亜急性期・回復期・慢性期については、地域に存在するその機能やニーズに合った病床再編が求められるでしょう。
介護医療院の転換もその一つです。
ICTの活用、情報共有を図りながら、適切な病院間の連携、施設・在宅との連携をしていく必要があると感じますね。
以上です。では、また明日(^-^)v
(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)
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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。