【理論と実践】医療経営士1級試験対策(「地域医療構想における機能として、当初考えられていた亜急性期機能が消えたことの影響についてどう考えるか?」)

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令和5年8月23日 病院経営の理論と実践 1928号

■地域医療構想における機能として、当初考えられていた亜急性期機能が消えたことの影響についてどう考えるか?

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

〜今日のテーマ〜

本日の内容は、

「地域医療構想における機能として、当初考えられていた亜急性期機能が消えたことの影響についてどう考えるか?」

について。

さて、試験まで、11日(今日を入れて)です。

知識等の最終確認・追い込みをかけていきたいと思います。

今回、「この国の医療のかたち 医療政策の動向と課題(尾形祐也先生 著)」より、学びをシェアします。

こちらの書籍は各項目ごとに問題提起が書かれています。
試験対策も踏まえ、所感を述べていきます。

【地域医療構想の発端】

今回、「地域医療構想における消えた亜急性期」について考えてみましょう。

現在、病床機能報告制度、地域医療構想における病床は4区分に分けられています。

高度急性期、急性期、回復期、慢性期です。

それぞれの医療機関が自分の病床機能について各自が都道府県に報告します。

この制度の発端となったのは、2014年の法改正ですね。
医療介護総合確保推進法です。

この特徴を3つの観点から紹介されています。

【2025年ビジョンを踏まえた改革】

2025年と言われて何が思い浮かぶでしょうか。

これは、「1950年以前生まれの人々、いわゆる団塊の世代の皆さん」が75歳以上になる年です。
まさに少子高齢化です。
その状況下で、持続可能な医療・介護サービスの提供体制を整備していく、というのが基本的な発想ですね。

【「地域における」を前提とした構想】

一般急性期病床の平均在院日数を9日に短縮する、
居住型サービスの対象者数を現在の2倍近くにまで増やすなど、
具体的な目標値が示されています。

ただ、 これらの数値は、日本全国一律の数字で示されていますが、
実際のところ、地域差が存在するので、一律ではいかないでしょう、という点がポイントでしょう。
そこで出てくるのが、それぞれの地域の実情を踏まえた施策です。

病床報告制度において必要なのは、その地域ごとの適正な分析と、地域のニーズを導き出す人材です。
課題は、地域差が存在する中で、地域の現状をきちんと把握しているのか、
きちんと分析できるスキルを持った人が行政にいるのか、ということです。

医療は特殊性が強く、市役所で、それまで全く関係ない仕事をしていた人が急に分析できるかというと、
ちょっと厳しいですね。

医療機関としても行政に適切な情報を提供していく必要がありますし、
行政は医療機関により近づいていく、お互い歩み寄っていく仕組みが必要と感じます。

【消費税増税の影響】

消費税は、10%に引き上げられています。
この消費税を社会保障関係費に 充てると言われていますが、実際のところ、全てを賄えることはありません。

【亜急性期機能が消えた影響】

地域医療構想において、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4区分がありますが、
これらに加えて、亜急性機能加えたらどうか、という話もあったようです。
ただ、サブアキュート機能は急性期の区分で、
ポストアキュート機能は回復期の区分で、ということで消されました。

さて、亜急性期機能が消えた影響は何でしょうか。

分かりやすいのは、皆さん、やはり急性期で報告したい、という心があります。
急性期が多く報告された、ということは言えますね。
サブアキュート機能を担う医療機関が、回復期でなく、急性期として報告します。
回復期の報告が少なくなることの要因でしょう。
急性期から離れ難く、どっちつかずの急性期病床が残っています。

慢性期にしても、ポストアキュート機能であれば、
少し頑張って亜急性期機能(今の制度でいう回復期)として報告しよう、
ということもあったかもしれません。

【終わりに】

地域の現状を聞いて把握し、分析していく中で、全国一律で対策を立てることは難しいでしょう。
しかし、日本という大きな国として2025年に向けての方針を踏まえつつ、
地域の実情に合わせた対策を立てることは可能でしょう。

地域には、行政、医療機関、施設、企業、患者、さまざまなステークホルダーがあります。
どのような医療資源、社会資源があり、どんな機能が充足し、不足しているのか、
「地域のために」行政に支援してほしい部分があればお願いする、協力体制をとっていく必要があるでしょう。

一つの医療機関でできることは限られていますし、
準備が整うのを待っていたら、遅きに失することもあり得ます。
利他の精神で考えることで拓く道があると信じ、取り組みを考えていきたいですね。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。