【理論と実践】キャッシュフローと回収期間(中小企業診断士2次試験 事例4)

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令和5年9月14日 病院経営の理論と実践 1950号

■キャッシュフローと回収期間(中小企業診断士2次試験 事例4)

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

中小企業診断士二次試験に向けて、学びをシェアしています。

実際に問題を解いています。

令和4年度の事例4の第3問より、「キャッシュフロー」です。

【第3問】(配点 35 点)

問題の前提条件は、以下の通りです。正確な内容は、実際の過去問をご覧ください。

・中古車の現金買取りを行い、それらに点検整備を施したうえで海外向けに販売する。
・需要の高い車種についてわが国での中古車買取価格の相場を調査したところ、
諸経費を含めたそれらの取得原価は 1 台あたり平均 50 万円。
・それらの中古車は、現地販売店に聞き取り調査をしたところ、
輸送コスト等を含めてD 社の追加的なコスト負担なしに 1 台あたり 60 万円で販売。
・同業他社等の状況から中古車販売事業においては
期首に中古車販売台数 1 か月分の在庫投資が必要であることもわかった。
・D 社はこの事業において、初年度については月間 30 台の販売を計画している。

(設問 2 )

設問は、以下の通りです。正確な内容は、実際の過去問をご覧ください。

・初年度においては月間 30 台の販売からスタートするが、
2 年目以降は 5 年間にわたって月間販売台数 50 台を維持する計画を立てた。
・中古車販売事業 2 年目期首に稼働可能となる工場の拡張について検討を始めた。
余裕キャパシティを超える 20 台の点検整備を行うためには、
建物および付属設備について設備投資額 7,200 万円の投資が必要になることがわかった。
・今後拡張される工場での点検整備のために、新たな整備工を正規雇用する。
工場拡張によって増加する 20 台の中古車にかかる1 台あたりの点検整備費用は、直接労務費が 10,000 円、
間接費が 4,500 円(現金支出費用であり、工場拡張によって増加する減価償却費は含まない)。
・この工場拡張に関する投資案について、D 社はまず回収期間(年)を検討する。
回収期間を求めるにあたって D 社は、中古車の買取りと販売は現金でなされ、
平均仕入価格や販売価格は今後も一定であると仮定した。
・設備投資額と在庫投資の増加額は新規の工場が稼働する 2 年目期首にまとめて支出される。
税率は 30 %とする。
・上記の条件と下記の設備投資に関するデータにもとづいて、
この投資案の年間キャッシュフロー(初期投資額は含まない)を答えよ(単位:円)。
・さらに、年間キャッシュフローを前提とした回収期間を計算し、記入せよ(単位:年)。

〈設備投資に関するデータ〉

設備投資額 7,200 万円
耐用年数  15 年
減価償却法 定額法
残存価額 初期投資額の 10 %

・公開されている設問の趣旨は以下の通りです。

工場拡張投資において、与えられた予測情報に基づいて適切に将来キャッシュフローを 計算し、
回収期間を算出する能力を問う問題である。

・所感です。

さて、見ていきましょう。

【キャッシュフロー】

キャッシュフローを出すためには、営業利益を出さなければいけません。

必要な項目は、売り上げと費用です。

取得原価は50万円で、販売価格は60万円で考えます。

1)売り上げは、月で20台、60万円で販売できます。
その12ヶ月分で、年間1億4,400万円です。

2)費用は、まず仕入れ原価です。
50万円の20台の1年分で、1億2,000万円です。

3)変動費は、1台につき、14,500円です。
(直接労務費が10,000円、間接費が4,500円)
14,500円の20台の1年分は、348万円です。

4)固定費は、設備投資額が7,200万円で、
残存価額を考慮すると、その90%で、6,480万円です。(15年間分)
15年で割ると、1年間で、432万円の減価償却費になります。

1億4,400万円ー1億2,000万円ー348万ー432万円=1,620万円

これに税率30%分を考慮して、1,134万円です。

最後、減価償却費の432万円を足し戻すと、1,566万円です。

これが、キャッシュフローですね。

 

ちなみに、以前のブログで、自分なりに設問の趣旨を解釈していましたが、
意外と悪くない・・・感じの理解をしていました。

販売額60万円から仕入れ原価50万円を引いて、10万円の利益。
20台で月200万円。12ヶ月で、2400万円として、
2,400万円ー348万円ー432万円=1,620万円。
これに税率30%をかけると、1134万円。
そして、減価償却費を足し戻して、1,566万円、といった出し方でも正解を導き出せていました。

構造がシンプルだったので良かったですが、
別の要素が入ってくると上記では難しかったかもしれないな、
と思いながら模範解答を見ていました。

【回収期間】

年間キャッシュフローを前提とした回収期間を計算してみましょう。

設問に、「設備投資額と在庫投資の増加額は、
新規の工場が稼働する 2 年目期首にまとめて支出」とあります。

在庫投資20台分が50万で、掛け算をすると、1,000万円。
設備投資が7200万円で、上記と足し算をすると、8,200万円です。

8,200万円を、1,566万円で割ると、
5.24回、になりますね。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験。結果待ち。
(2023年、中小企業診断士の1次試験は無事通過。次は2次試験)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。