【理論と実践】処方せん料にまつわる国の狙い?(令和6年度診療報酬改定)

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令和6年2月17日 病院経営の理論と実践 2106号

■処方せん料にまつわる国の狙い?(令和6年度診療報酬改定)

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

【はじめに】

2月14日に、診療報酬改定の答申の発表がありました。

・急性期の厳格化と高齢者救急医療の受け入れ態勢の整備
・基本診療に対する賃上げ分の上乗せ
・負担軽減や連携を促進する取り組み・DX化の評価
・感染対策の労力を補填する加算
・生活や食事を支え、改善するための多職種の協働、地域との連携

を推進するために、新規点数の設定、既存点数の是正が加わったと感じます。

これらを踏まえて、個別改定項目を見ていく必要があります。

【本日の項目】

日本中の病院で、悲喜交々、いや、嘆きの声が聞こえてくるような答申でした。

薬関係は、大きな影響を受けそうです。
一般名処方や後発医薬品を強く推し進めようという意図を強く感じる内容です。

■基本

まず、処方せん料です。

・処方せん料1 20点(8点マイナス)
・処方せん料2 32点(8点マイナス)
・処方せん料3 60点(8点マイナス)

そして、院内処方に関する点数も下がります。

・薬剤情報提供料 4点(6点マイナス)

■一般名、後発品

上記のような基本の点数を下げて、
下記の通り、一般名処方加算を進めようとしています。

・一般名処方加算1 10点(3点プラス)
・一般名処方加算2 8点(3点プラス)

そして、以下のように、後発品医薬品の推進しよう、という意図があります。

・後発医薬品使用体制加算1 87点(40点プラス)
・後発医薬品使用体制加算2 82点(40点プラス)
・後発医薬品使用体制加算3 77点(40点プラス)

・外来後発医薬品使用体制加算1 8点(3点プラス)
・外来後発医薬品使用体制加算2 7点(3点プラス)
・外来後発医薬品使用体制加算3 5点(3点プラス)

■敷地内薬局

さらに、敷地内薬局については、なお厳しい点数が設定されています。

1月あたりの処方箋の交付が平均 4000 回を超える医療機関が、
当該医療機関の交付する処方箋による調剤の割合が9割を超える薬局と
不動産取引等の特別な関係を有する場合の処方箋料の評価を見直す。

・処方せん料1 18点(10点マイナス)
・処方せん料2 29点(11点マイナス)
・処方せん料3 42点(26点マイナス)

【所感】

国の施策に従えない医療機関は、淘汰される、本気の改定と感じます。

医療費の削減という大きな方向性の中、
支払い側に大きく寄った改定です。

地域のニーズを満たしてくために、何ができるのか、
業務改善では足らない・・・、革命を起こしていく必要がありますね。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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中神勇輝。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
2023年、医療経営士1級に合格!
2023年、中小企業診断士の1次試験の2次試験は突破、次は登録。
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。