【1212】(読後所感)世界で一番やさしい会議の教科書(榊巻亮さん)(2)

日々の学びや気づきを言語化し、行動を変え、未来を変える一助に。

良い会議とは、良い会議の進め方とは、ということについて考えてみています。

そもそも会議には、どのような種類があるでしょうか?

・情報共有
・営業等の進捗確認
・問題発見解決
・意思決定
・報告・説明会

会社で働いていれば(地域の集まりでもあります)、何かしらの会議がありますよね。
参加した会議で、いまいち消化不良だったなぁ、と思う会議もあります。
逆に司会者として開催したが、なかなかうまくできなかった、ということもあります。

参加者、また、ファシリテーターの立場で、良い会議とは何か、
ということについて考えてみたいと思います。

今回、紹介する本はこちらです。(最近では、5冊目です)

「世界で一番やさしい会議の教科書(榊巻亮さん)」

以前紹介した会議の教科書の「実践編」から戻って、
最初に出版されていたストーリー仕立ての本について紹介します。

昨日の続きです。

前回は、書くファシリテーション(スクライブ)まで紹介しました。

次は、議論における階層について考えてみたいと思います。

議論の階層には、5段階あるといわれます。

1 事象
2 問題
3 原因
4 施策
5 効果

の5つであり、もう少し詳しく説明すると、以下の通りです。

1 何が起こっているのか
2 具体的にどう困るのか
3 何でそれが発生するのか
4 どんな解決策があるのか
5 どの施策が効果が大きいのか

議論をしているとき、どの部分を話しているのか、を理解すること。

解決策を話したい人もいれば、困っていることを訴えたい人もいると思います。
効果に目がいってしまう人もいます。
そもそも、なぜそのようなことが起きているのか、原因を話したい人もあると思います。

当たり前ですが、原因を特定できないと、適切な施策もできません。
その原因を特定せずに、すぐに方法にとびつくことがありますが、
それは要注意です。しっかり、軌道修正しましょう。
階層についてバラバラに話していると、話がかみ合いません。
それを整理しないと議論が混乱します。

今、どこを話しているのか、ということを捉えながら、
確認しながら進めることが極めて大事、ということが分かります。
これはポイントだと思います。

次は、黙っている人にも喋ってもらわないと納得感が生まれない、ということですね。

だからこそ、話を振る、発言の機会を準備することがとても大事です。
発言についても、言い切ってもらうことや、
言いやすい雰囲気になるよう笑顔で感じよく振る舞うことも必要です。

ファシリテーションとはなんぞや、ということを参加者全員が身に付けていると、
とても進行が楽、になります。
何を求めている会議なのか、どこがうまくいかない理由か、
発言するほうが良いか、という点など、お互いに勘所が分かっているかどうか、
は大きいです。

とはいえ、レベルは高いですが、
ここを目指して、実現できたら、会議の生産性は相当高まる、と思います。

反対意見に対して、どう対応するか。
話し合いの中で、反対意見に対する扱いも大事ですが、
それに対して、ファシリテータがすべて答えようとしてませんか。
私はよくやってしまっていました。
結果、うまく答えられずに、大失敗、ということもありました。

しかし、そもそも、ファシリテーターは、何でもかんでも知ってなくて良いのです!

参加者に投げかければ良いです。問いかけるということが大事です。
ファシリテーターも主張点は、持っておいたら良いですが、
皆さんの意見を引き出せるかどうかがポイントです。
反対意見が出ても、論点を整理して、参加者に投げかける、問い掛けてみれば良いです。
そのための会議です。

ファシリテーターは、どんどん間違って良い、完璧でなくて良い。
ファシリテーターが分かってないことは、たいてい参加者も分かっていません。
何でも分かっているなら、会議など開かなくて良いことになってしまいます。

ベイビーステップ

次は、4つの「P」をそろえましょう、ということです。

1 目的
2 進め方
3 参加者
4 装備

この4つをちゃんとそろえる。
英語で言うと、パーパス、プロセス、ピープル、プロパティです。

ぐだぐだ会議になる理由は、これらが準備できていないからです。
その準備シートとして、PREPシートなるものを紹介されていました。

それは、

1 終了条件
2 参加者、参加者の状態(知識量など)、参加者が痛くであろう疑問や不満
3 議題の一覧、どのように議論を進めるかの進行方法
4 そのために必要なモノ、情報、それぞれの議論の必要時間

について一覧にしておくこと。

PREPシートを作って、ミュレーションする。
第三者にもみてもらってダメ出しをしてもらう。
そして、再構成することによって会議がスムーズに行きます。

会議も、種類によって進め方が違う、ということで書かれていました。

・報告
・情報収集
・承認なのか
・方針検討なのか
・課題解決なのか

種類によって、やり方は変わりますが、
共通するのは「終了条件と進め方をしっかり確認すること」、
そして「最後に決定事項を確認すること」。
この2つです。

その終了条件に応じて、とるべきステップが変わります。

目的別のプロセスシートについて、分かりやすい表が載っていました。
気になる方はぜひ本書を得てください。

最後、余談です。参加者について選定する時のポイント。

「その人がいないと困るか」で考える。いなくても大丈夫なら参加してもらわなく良い、
ということでした。

これで、ファシリテーション関係の本を5冊読んできました。
技術として知っているかどうかだけでも、だいぶ違う、と思います。
議論を整理して、見える化して、意見を引き出して、合意形成をする、
納得のいく会議運用をするために必要な技術と感じます。

それは、個人の特性ではなく、あくまで技術。
誰でも身につけられるもの、ということを理解して実践していくと良い、と思いました。

以上です。では、また明日(^-^)v

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