【1183】医療機関のステークホルダーとの関係性構築(2)

日々の学びや気づきを言語化し、行動を変え、未来を変える一助に。

職場で「社会情勢と今後医療に求められるもの」というテーマで勉強会の講師依頼がありました。
そこで話した内容をシェアします。

目次は下記の通りです。今回は、その「医療機関のステークホルダーとの関係性構築」(2)について。

【目次】

・外部環境

コロナ禍による医療介護ニーズの変化の前倒し
地域包括ケアシステムの5つの要素
家族の解体と地域の解体
人口変化による2025年、2040年問題
ヒト不足とカネ不足
介護業界を支えるヒト不足
ヒト不足を補うDX、ICT化、AIの推進で、効率化、生産性向上が求められる
高齢化社会と介護保険
ダブルケアラーとヤングケアラー
人口減少に伴う外来の体制検討
自助の促進
情報発信と運動指導の両輪
本来業務で対応しきれない部分を多角的にカバーする

・課題

医療機関のステークホルダーとの関係性構築
巨艦型の大病院ではできないケアミックス型病院の役割
在宅を守る医療と介護の役割
少子高齢化、生産性向上、採用力向上への対応
院内外の多職種連携、他機関との連携
新しいコミュニティーの再生
選ばれる
病院とは
あれもこれも、でなく、あれかこれか
外部環境の変化、内部環境を踏まえて何をするか、何に特化するか

【内容】

「外部環境」のテーマを終え、「課題」に入っています。
目標と現状との差はギャップであり、そのギャップを埋めることを課題と言います。
地域包括ケアシステム構築という大きな目標に対し、現状はどうか。
今回は、「ステークホルダーとの関係性」という視点で考えてみたいと思います。

医療機関には、たくさんのステークホルダーがあります。

・患者、住民
・他の医療機関
・企業、業者
・救急隊
・近隣施設
・行政

など。

地域包括ケアシステムを構築するために、
これらのステークホルダーと、どのような関係性を作るのが良いか。
この視点で考えることで、いつもと違う視点で課題が見えてくるのではないでしょうか。

ちなみに、地域包括ケアシステムとは、厚生労働省の定義ではこのように言われています。

2025年(令和7年)を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、
可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、
地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進する。

自分らしく、健康であり続ける、住み慣れた街で暮らし続ける仕組みをつくること。

健康でいるためにはどのような関係性を作るのか。

今日は、企業、業者と救急隊について。

医療機器、物品、施設、医事、情報システムなど、いろいろな企業、業者があります。
医療提供にあたって、欠かせないものばかりです。
スタッフだけでできることは限られます。
医療機器であれ、消耗品であれ、それらを供給してくれる外部業者がいてこそ、
医療を提供することができます。

より質の良いもの、かつ価格が適正なもの。
良い業者との出会いは極めて大事です。

ただ、値下げ交渉というようなことになると、
腹の探り合いのような状況になってしまうこともありますが、
お互い、なくてはならない存在であることは間違いありません。

企業活動では利益を出さなければいけないので、
業者からすれば、「できるだけ高く売りたい」と思うことは間違いありません。
病院としても「できるだけ費用は抑えたい」と思います。
そのせめぎ合いの中で、お互いに経営的に「成り立つ」関係性でありたいですね。

次に、救急隊との関係性も大事です。

地域の人が体調を崩した時に、頼りになるのは救急車です。
私の子どもも世話になったことがあります。
そのような制度があることは、地域にとって安心です。

その救急車と病院との関係性は大事ですよね。
救急隊から病院に対し、問い合わせをしやすい仕組み、
顔の見える関係性、どのような治療が得意なのか、という情報の共有。

病院の立場からすれば、救急搬送を受けることは、患者の獲得にもつながります。

ただ、スタッフの負担も考え、ある程度、充実させた体制を作らなければいけません。
その分、コストもかかりやすいです。
救急部門は単独で採算性を絶対的な評価をすべきではありません。
他への効果も考慮する必要がありますね。

地域にとっても、救急隊にとっても、病院にとっても、
関係性を作っておくことはとても重要ですね。

では、また明日(^_^)v

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