【1184】医療機関のステークホルダーとの関係性構築(3)

日々の学びや気づきを言語化し、行動を変え、未来を変える一助に。

職場で「社会情勢と今後医療に求められるもの」というテーマで勉強会の講師依頼がありました。
そこで話した内容をシェアします。

目次は下記の通りです。今回は、その「医療機関のステークホルダーとの関係性構築」(2)について。

【目次】

・外部環境

コロナ禍による医療介護ニーズの変化の前倒し
地域包括ケアシステムの5つの要素
家族の解体と地域の解体
人口変化による2025年、2040年問題
ヒト不足とカネ不足
介護業界を支えるヒト不足
ヒト不足を補うDX、ICT化、AIの推進で、効率化、生産性向上が求められる
高齢化社会と介護保険
ダブルケアラーとヤングケアラー
人口減少に伴う外来の体制検討
自助の促進
情報発信と運動指導の両輪
本来業務で対応しきれない部分を多角的にカバーする

・課題

医療機関のステークホルダーとの関係性構築
巨艦型の大病院ではできないケアミックス型病院の役割
在宅を守る医療と介護の役割
少子高齢化、生産性向上、採用力向上への対応
院内外の多職種連携、他機関との連携
新しいコミュニティーの再生
選ばれる
病院とは
あれもこれも、でなく、あれかこれか
外部環境の変化、内部環境を踏まえて何をするか、何に特化するか

【内容】

「外部環境」のテーマを終え、「課題」に入っています。
目標と現状との差はギャップであり、そのギャップを埋めることを課題と言います。
地域包括ケアシステム構築という大きな目標に対し、現状はどうか。
今回は、「ステークホルダーとの関係性」という視点で考えてみたいと思います。

医療機関には、たくさんのステークホルダーがあります。

・患者、住民
・他の医療機関
・企業、業者
・救急隊
・近隣施設
・行政

など。

地域包括ケアシステムを構築するために、
これらのステークホルダーと、どのような関係性を作るのが良いか。
この視点で考えることで、いつもと違う視点で課題が見えてくるのではないでしょうか。

ちなみに、地域包括ケアシステムとは、厚生労働省の定義ではこのように言われています。

2025年(令和7年)を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、
可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、
地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進する。

自分らしく、健康であり続ける、住み慣れた街で暮らし続ける仕組みをつくること。

健康でいるためにはどのような関係性を作るのか。今日は、近隣施設と行政について。

会議

まずは、近隣施設との関係性から。施設と言っても、いろいろあります。

療養のための施設。
リハのための施設。
居住のための施設。
通いのための施設。

いろいろな役割があり、その状態に応じて住民が利用します。

自助を進めようとする施策にスポットがあたっていますが、
自宅で過ごせない人がいるのも事実です。
サポートがあれば自宅で生活できる人もあります。
その中で、医療機関と施設との連携は大事です。
病院から退院後のリハビリや食事、薬剤管理などのサポートがあるかないか。
その体制として、病院と施設の間だけでなく、
院内外関係なく多職種が連携して取り組むことも重要視されています。

近隣施設と密に連携することで、適切な施設への紹介もできますし、
急変時には、病院に連絡し、入院といったこともできます。

お互いにとってWin Winの関係性をつくることで地域を支えることになりますね。

次に、行政
あまり関わりがないようで、関係があります。

医療機関で通常業務をしている分にはあまり関係はありませんが、
補助金、地域を巻き込んだシステム、市主催の運動教室など、
財政面、サービス提供面、福祉面といったように、何かしらの活動がなされています。

当たり前です。

国が主導で、地域包括ケアシステムを構築しようと進めている訳ですので、
都道府県、市町村は、当然のごとく、施策に落とします。

その落とし方として、住民にアンケートを取り、ニーズを顕在化し、
重要と思われるものから取り上げていきますよね、
医療機関側からすれば、それら市町村が調べたデータを外部データとして
活用することもあります。

その都道府県、市町村ごとに、医療や介護の計画があり、それに従って施策をおこなっています。
その取り組みも、市町村だけでは限界がありますし、
医療機関ならではのできることもあります。
市が主催の協議会やワーキンググループで、各医療機関から関係者を集められ、
施策が協議されたりもします。

医療機関は、広範囲(例えば、県外)から患者を集めるというよりも、
その近隣の地域住民が利用するため、という意味合いの方が強いです。
特に、地域包括ケアシステムを支える中小病院ともなれば、なおさらです。

地域の行政との連携は、とても重要であることを改めて実感しますね。

では、また明日(^_^)v

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