【理論と実践】従業員の育成計画ありますか?

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令和4年12月23日 病院経営の理論と実践 1685号

■従業員の育成計画ありますか?

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

中小企業白書の人的資源管理の内容について、学びをシェアします。

企業が重要視するスキルは、

「チームワーク」
「コミュニケーション 力」
「職種特有の技術力」

とあります。

しかし、企業として、指導・研修ができるのは、技術面やマネジメント力などが多いです。
その人自身が持つ特性を見極め、育成できる部分は採用後、というのが大きな枠組みと思いますね。

以下、中小企業白書の内容を確認しながら、読み進めていきます。

・企業活動における経営資源は、「ヒト」、「モノ」、 「カネ」、「情報」と大別されることが多い。
そ の中でも「ヒト」は、他の経営資源を使う主体で あり、特に重視されることが多い。
また、他の経営資源と異なり、「ヒト」には、個性や感情があることや、
獲得した後の教育や訓練によって、 そのパフォーマンスに差が出ることが特徴として 挙げられる。
そのため、企業は従業員の能力開発 を行い、
また、適切な人事施策により従業員の能 力やモチベーションを高める取組を実施することが重要である。
このように、人材を重要な経営資源として捉え、教育、評価、報酬などの人事施策を体系的に
構築・運用する仕組みは、人的資源管理(HRM) と呼ばれている。
これまで HRM と企業業績との 関係については多くの研究が行われ、
HRM と企業業績間には正の関係が見いだされている。

・人的資源管理(HRM)の 要素である、従業員の能力開発、人事評価、賃金 などについて。
また、近年は、中小企 業においてもフリーランス人材や副業人材など社 外の人材を活用しやすい環境も
整ってきている。 中小企業における組織の柔軟性や外部 人材の活用についても分析する。

前振りとして、人的資源管理が企業業績に一定の影響を与えていることが分かります。
ある程度の利益を出さなければ、研修・育成に資金を投入することはできませんが、
業績を出すためには、従業員の成長が必須です。
表と裏の関係がありますので、それを踏まえて、計画を立てる必要がありますね。

・経営者が従業員に求めるスキルについて。
現在と5年前のいずれも、「チームワーク」や「コミュニケーション力」、
「職種特有の技術力」が上位となっている。

現在と5年前との差異について見ると、
「マネジメント」や「IT」の割合が 20 ポイント程度高まっており、
特に重要性が増してきている様子が見て取れる。

ここがポイントだと思います。

従業員に求めるスキルのトップ2は、教育・研修等で身につきにくい項目です。
これらのスキルは、採用するときに、ある程度察する必要がある項目です。
技術等は、後でなんとでもなる、と言えますね。

・経営者が従業員の能力開発に積極的である企業では、
従業員の仕事に対する意欲も高い傾向にあることが分かる。

自分(従業員)の成長を促してくれる会社に貢献したい、と思うものです。
仕事の生産性も高まりますね。

・従業員の能力開発の目的について。
建設業や情報通信業では「技術力向上」の割合が最も高く、
製造業では「生産性向上」、
卸売業や小売業、サービ ス業・その他では「顧客満足の向上」、「社内の活性化」
などが上位となっている。

病院は、サービス業に類しますので、そうだな、と思います。
顧客(患者)が目の前にいます。
来てよかったな、と思ってもらえるように医療技術面・接遇面共にレベルアップが必要ですね。

・従業員の能力開発計画や方針の有無別の売上高増加率について。
「明文化された能力開発計画や方針がある」企業では特に、売上高増加率が高い。

・求める人材像や従業員の目指す姿の明確化の状況別の売上高増加率について。
これを見ると、人材像を公表していたり、明文化したりしている企業ほど、
売上高増加率が高いことが分かる。

能力開発計画があるかどうか、方針が明確か、求める人材は明確か、
ということと、売上高増加率との関係性は深そうです。

・研修の効果を高めるための取り組みについて。
売上高増加率の水準に関わらず、「必要なスキルの明確化」や
「目標や達成基準などを記入した育成計画の作成」、「業務マニュアルの作成」
が上位となっている。

では、どうすれば、研修等の効果が高まるのか?
スキルの明確化、研修等による育成目的と計画などが大事ですね。

・従業員に対する自己啓発支援の実施有無について。
建設業や情報通信業では、6割以上の企業で実施しているのに対し、
小売業や製造業、卸売業では、実施している企業は5割未満となっている。

従業員一人当たり自 啓発支援に対する年間支出額のデータもありましたが、
自己啓発支援の取り組みも重要です。

最後、まとめます。

「従業員のスキルを伸ばす学習・研修・自己啓発支援の計画・実施が
従業員の意欲、そして、企業の業績を伸ばす。」

です。以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。