【理論と実践】医療経営士1級試験対策(日本における死亡場所の変化、医療看護のあり方にどのような影響を与えるか)

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令和5年8月19日 病院経営の理論と実践 1924号

■日本における死亡場所の変化は、医療看護のあり方にどのような影響を与えるか

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

〜今日のテーマ〜

本日の内容は、

「日本における死亡場所の変化は、医療看護のあり方にどのような影響を与えるか」

について。

さて、試験まで、15日(今日を入れて)です。

知識等の最終確認・追い込みをかけていきたいと思います。

今回は、「この国の医療のかたち 医療政策の動向と課題(尾形祐也先生 著)」より、学びをシェアします。

こちらの書籍は各項目ごとに問題提起が書かれています。
試験対策も踏まえ、所感を述べていきます。

【多死社会と、死亡場所の変化】

「QOD」という言葉をご存知でしょうか。
これは、クオリティ・オブ・デスの略です。

日本は、多死社会に入っています。
その中、死の質ををどう考えるか、どのような死に方・終わりを迎えるのか。
ACP(アドバンスト・ケア・プランニング)が進められていることからも、今後、この言葉も浸透していくでしょう。

では、日本人の死亡場所はどのように変化してきたのか、2018年の厚生労働白書から確認してみましょう。

まず、自宅で死亡する人の割合を見てみましょう。
1951年は、82.5%ですが、2005年には、12.2%まで減少し、底を打ち、上昇に転じています。
2019年では、自宅での死亡は、13.6%と増えています。

一方、医療機関で死亡する人の割合も見てみます。
1951年は、11.6%ですが、2005年には、82.4%まで増加、ピークとなり、以降、減少に転じています。
2019年では、医療機関での死亡は、72.9%と下がっています。

ちなみに、介護施設は11.6%で、急増しています。

【医療・看護のあり方への影響】

患者や家族の希望、政府の施策もあって、死亡場所に変化が起きてきています。
日本における死亡場所の変化は、医療・看護のあり方にどのような影響を与えるでしょうか。

まず、生産年齢人口の視点から見てみましょう。

少子高齢化に伴う、医療・介護需要の増加(需要過多)と、
労働者世代の減少(供給不足)により、需給バランスが崩れます。

一軒一軒、診療・看護を行うため、増加する在宅や施設における診療・看護には限界があります。
それもで、在宅等での在宅診療が可能になるよう、DX化等により、生産性を高めていく必要があるでしょう。

次に、医療・看護の技術の視点で考えてみます。

訪問診療であれば、医師の専門医志向や、
訪問看護であれば、個々で高いスキルが求められるため、訪問看護の成り手がいない、
といったことが挙げられます。

その課題解決策として、総合診療医や訪問看護の育成プログラムも増えてきています。
特定行為看護師の育成も有効です。

3つ目に、ハード面の視点です。

医療法人として、附帯業務にも手を広げていくことが求められそうです。

医療が必要となる介護領域をカバーできる介護医療院を増やすことも施策の一つです。
医療療養病床からの転換も勧められています。

グループ内に、サービス付高齢者住宅を増やし、退院・生活の場所を作ることも行われています。

看多機を運用することで、在宅は難しいが、入院までは不要、ということに対応するのも有効です。

最後に、ソフト面です。

多死社会の中、ACP(アドバンスト・ケア・プランニング)を考えられるよう、
医療従事者と介護従事者、ケアマネジャー、行政が結びつくことも有効です。

【まとめ】

今回の内容は、以下の通りです。

・生産年齢人口の減少下において、生産性を高めるためのDX化
・医療従事者の技術力向上
・病院以外で医療や看護を提供できる「場」の整備
・患者の思いを言語化し、幸せな最後を定義する

一つ一つできることに取り組んでいきましょう。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。