【理論と実践】会社の課題を解決する組織形態と、人員配置と権限委譲(中小企業診断士2次試験 事例1)

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令和5年9月22日 病院経営の理論と実践 1958号

■会社の課題を解決する組織形態と、人員配置と権限委譲(中小企業診断士2次試験 事例1)

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

中小企業診断士二次試験に向けて、学びをシェアしています。

実際に問題を解いています。

今回は、令和4年度の事例1の第4問より、
「会社の課題を解決する組織形態と、人員配置と権限委譲」です。

・第4問(配点 40 点)

A 社の今後の戦略展開にあたって、以下の設問に答えよ。

(設問 1 )

A 社は今後の事業展開にあたり、どのような組織構造を構築すべきか、
中小企業診断士として 50 字以内で助言せよ。

1)公開されている設問の趣旨は以下の通りです。

経営戦略の展開にあたっての経営組織の構造について、助言する能力を問う問題である。

2)与件文から関連しそうな言葉をピックアップしました。

・当時限られた人員であったが、現経営者を含め農業経験が豊富な従業員が互いにうまく連携し、
サツマイモを皮切りに、レタス、トマト、トウモロコシなど栽培する品種を徐々に広げていった。
・現経営者が生産を担い、弟は常務取締役として販売やその他の経営管理を担い、二人三脚で経営を行うようになる。
この頃から業務量の増加に伴い、パート従業員を雇用するようになった。
・他方、業容の拡大に伴い、経営が複雑化してきた。
現経営者は職人気質で、仕事は 見て盗めというタイプであった。
また、A 社ではパート従業員だけではなく、家族 や親族以外の正社員採用も行い従業員数も増加していた。
・ここ数年、A 社では、直営店や食品加工の分野に展開を行っている。
これらの業務は、常務が中心となって 5 名の生産に従事する若手従業員と 5 名のパート従業員が兼任の形で従事している。
・現在、直営店は、昨年入社した常務の娘(A 社後継者)が担当している。
後継者は、大学卒業後、一貫して飲食サービス業で店舗マネジメントや商品開発の業務に従事してきた。
・着実に売上高を伸ばしてきたが、一方で、人手不足が顕著になってきており、
生産を兼務する従業員だけでは対応できなくなりつつあった。

いろいろなことを精力的に行ってきたA社です。
事業展開に合わせて採用してきたが、繁忙の差が激しく、対応に苦慮しています。
フレキシブルな組織体系が必要そうです。
色々な戦略展開がありますが、パターンに応じた組織体系を押さえておきたいです。

3)答えを作ります。

現状は、生産や販売(直営店や食品加工)、経営管理などを家族経営にプラスアルファで行っています。
機能が増えてきたことを考えると、兼務で行っている状態から役割を明確になる機能別組織への変換が良いと思われます。

50文字以内でまとめるとすると、

「機能別組織を構築する。事業の多様化に対し、機能を明確にすることで専門性の原則を発揮し生産性を高める。」

と、こんな感じでしょう。

4)答え合わせです。

ふぞろいな合格答案(同友館)さん、ありがとうございます!

与件文に、「生産を兼務する従業員だけでは対応できなくなりつつ」とある点は明らかに課題です。
兼務が問題のように感じますね。

この場合、役割を明確にする機能別組織か、事業ごとに分ける事業部制組織か悩みましたが、
A社はまだ規模が小さいので、機能別組織で良さそうです。

各組織構造の特徴とメリット・デメリットは押さえておきたいところですね。

個人的には、良い解答を書けましたが、1点・・・。

「専門性の原則を発揮し生産性を高める」と書きましたが、
設問に「今後の事業展開にあたり」とありますので、
「専門性を高め、新分野に挑戦する」といった方が良かったですね。

あと、組織構造について、以下の3つは押さえておきたいです。

・ライン組織のメリット・デメリット
・機能別組織のメリット・デメリット
・事業部制組織のメリット・デメリット

こちらの内容は、明日、詳しく触れます。

(設問 2 )

現経営者は、今後 5 年程度の期間で、後継者を中心とした組織体制にすることを検討している。
その際、どのように権限委譲や人員配置を行っていくべきか、中小企業診断士として 100 字以内で助言せよ。

1)公開されている設問の趣旨は以下の通りです。

円滑な次世代経営体制への移行プロセスについて、助言する能力を問う問題である。

2)答えを作ります。

5年間という中期を指定されていますね。

「管理者育成を視野に入れて、機能別組織のマネジャー・リーダーを若手従業員に任せる。
パートに対し正職員の打診を行い、現経営者や常務からの技術・業務承継を行い、
開発部門に厚みを持たせ、新たな事業展開の基盤を作る。」

と、こんな感じでしょう。

3)答え合わせです。

ふぞろいな合格答案(同友館)さん、ありがとうございます!

個人的には、書けなかったな、と思ったのは、以下の「 」の部分です。

若手従業員を管理職に登用し、その下に「パート従業員を配置」し、後継者は「全体を管理」する。

まさに、役割を変えていますね。

設問1の解答で「機能別組織」を選んだので、若手従業員に管理職をやらせて育成する、
ということは思いつきました。

そうなると、現場業務をするスタッフが少なくなるかもしれないので、
パート従業員を正職員への登用を検討するのも良いかな、と考えました。
ただ、与件文に「正職員を増やそう!」みたいな記述はなかったので、
これでいいかな、と違和感を感じていましたが、違和感の通りでした。

部分を管理していた後継者は、全体の管理を。
通常業務を行っていた正職員は、部分の管理を。
パート職員には、これまで通り、通常業務を。

そして、全体の管理を行っていくであろう後継者に対して経営者としての育も必要ですので、
「現経営者が補佐として助言し、段階的に権限委譲し、円滑な承継を行う」ということも言及されています。

現経営者から後継者へ。
後継者から若手従業員へ。
まさに権限委譲ですね。
段階的に、という点もポイントでしょう。

設問1で答えた機能別組織の各機能への人員配置や段階的な育成を行うことで、
円滑な承継という効果にも繋がります。

次世代への継承にあたって、中堅・若手世代に、どのように権限委譲や人員配置していくか、
求められる施策の内容と効果を漏れないようにしたいですね。

中小企業に限らず、求められる課題です。
王道パターンを押さえておきたいところです。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。

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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験。結果待ち。
(2023年、中小企業診断士の1次試験は無事通過。次は2次試験)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。