【理論と実践】外部環境の変化で解決すべき販売面・生産面の課題(中小企業診断士2次試験 事例3)

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令和5年10月1日 病院経営の理論と実践 1967号

■外部環境の変化で解決すべき販売面・生産面の課題(中小企業診断士2次試験 事例3)

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

中小企業診断士二次試験に向けて、学びをシェアしています。

実際に問題を解いています。

今回は、令和4年度の事例3の第1問より、
「外部環境の変化で解決すべき販売面・生産面の課題」です。

1)設問

第1問(配点 20 点)

2020 年以降今日までの外部経営環境の変化の中で、C 社の販売面、生産面の課題を 80 字以内で述べよ。

2)公開されている設問の趣旨

新型コロナウイルスのパンデミックや急激な円安など 2020 年以降、
今日までの外部経営環境変化の中で、C 社に生じている販売面と生産面の課題について、
分析する能力を問う問題である。

3)初見の所感

制約条件は、2020年以降から今日までの外部環境の変化です。

・販売面
・生産面

2つの切り口での課題分析が求められています。
コロナの影響を踏まえて、という話はこれからもしばらく出そうですね。

4)与件文からの候補の抽出

・近年は観光需要で受注量は毎年増加していたが、
2020 年からの新型コロナウイルス感染拡大による外国人の新規入国規制や、
外食産業の営業自粛による影響を受けて減少している。

・「金型設計」は、設計課が 2 次元 CAD を活用し担当している。
発注元との仕様確認が遅くなることや、発注元からの設計変更、仕様変更の要請があり、設計期間が長くなることもある。

・設計課では、個別受注の板金加工製品の製品設計も担当するため、
設計業務の混乱が生じ金型製作期間全体に影響することもしばしば生じている。

・「金型組立」、「金型仕上」は、プレス加工技術にも習熟するベテラン技能者が担当しているが、高齢化している。
担当者は、金型の修理や改善作業も兼務し、製品の品質や製造コストに影響を及ぼす重要なスキルが必要なことから、
若手の養成を検討して いる。

・プレス加工課では「プレス加工」を行い、製品仕上課で取っ手などの部品を組み付ける「製品部品組付」と
製品の最終調整をする「製品仕上」を行い、 通常月 1 回発注元へ納品する。

・ C 社の「プレス加工」は、生産能力に制約があり、C 社全体の生産進捗に影響している。
プレス加工機ごとに担当する作業員が材料の出し入れと設備操作を行い、
加工製品を変えるときには、その作業員が金型交換作業と材料準備作業など長時間の段取作業を一人で行っている。

最近は発注元の在庫量削減方針によって発注ロットサイズ が減少している。
C 社では、基準日程によって設定しているロットサイズで加工を続け、確定受注量以外は C 社内で在庫している。

・C 社の受注から納品に至る社内業務では、各業務でパソコンを活用しているが、
情報の交換と共有はいまだに紙ベースで行われている。

・X 社からの受注品は、商品在庫と店舗仕分けの機能を持つ在庫型物流センターへ の納品となる。

・納期は発注日から 7 日後の設定である。
1 回の発注ロットサイズは、現状のプレス加 工製品と比べるとかなり小ロットになる。

5)考察・解答

(1)販売面の課題

取引先が在庫削減の方針に変えたことについて対応していない。
基準日程によって設定しているロットサイズで加工を続け、確定受注量以外は C 社内で在庫。

(2)生産面の課題

長時間の段取作業を一人で行っている。
段取り替えの短時間化、段取り替えの複数担当化。
短期間納品への対応。
小ロット化への対応。

(3)80文字に集約してみます。

販売面の課題は、X社からの要望に応えて、売り上げを伸ばすこと。
生産面の課題は、段取り替えの短時間化、段取り替えの複数担当化、
短期間納品、小ロット化への対応。

6)答え合わせ

「ふぞろいな合格答案(同友館)」を参考にしています。

(1)反省点

販売面から見てみましょう。

問いに「外部環境の変化の中で」とあるので、どんな外部環境があるかを明示すると良かったです。
因果を意識することで、より説得性が増しますよね。

例えば、コロナという外部環境の変化で、売り上げが減っています。
その状況からの売り上げ増加は、解決すべき課題と言えますね。

売り上げ増のためには、強みを活かした高付加価値な製品開発も大事な視点です。

生産面を見てみましょう。

外部環境の変化として、ロットサイズの縮小は明らかです。
それを踏まえての、小ロット化ですね。
また、高齢化という状況に対し、若手への技術承継という視点も良いですね。

(2)解答の修正

コロナ禍による売り上げ減少に対し、X社との取引で高付加価値な商品開発と販売で売り上げ増加。
ロットサイズ縮小の要求に対し、小ロット化や短納期化。若手への技術承継。

7)終わりに

因果関係を明示した解答構成は、普段の仕事でも有効ですね。
適切な外部環境分析ができれば、自ずと課題も見えてきます。
C社の社長に寄り添った課題の言語化、解決策を提示していきたいですね。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験。結果待ち。
(2023年、中小企業診断士の1次試験は無事通過。次は2次試験)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。