【理論と実践】生産管理の一連の知識(中小企業診断士2次試験 事例3)

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令和5年10月2日 病院経営の理論と実践 1968号

■生産管理の一連の知識(中小企業診断士2次試験 事例3)

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

中小企業診断士二次試験に向けて、学びをシェアしています。
の基礎知識を復習したいと思います。

本日は、事例3の関連知識です。一気に行きます!

目次

【マーケティング】

事例3のテーマである生産活動もまた販売を目的として行っています。
つまり、マーケティングも重要な活動です。

1、AIDMAモデル

有名なモデルです。

・Attention 潜在顧客に注意を促す
・Interest 製品に興味を持たせる
・Desire 購買製品への欲求を喚起
・Motive 動機付け(その製品を購入する理由を明確にする)
・Action 行動を起こさせる

AIDMAの各プロセスでどのようなコミュニケーション手段をとれば良いでしょうか?

広告や人的販売があります。

令和4年度の問題で触れられた以下の内容は、まさに、Attention、Interestの活動ですね。

「雑貨・日用品の商談会に出展したことがある。
その際商談成立には至らなかったが、中堅ホームセンター X 社から品質を高く 評価された。
今回その X 社から新規取引の商談が持ち込まれた。 」

2、製造形態の違いによる営業の関連活動

1)受注生産

・その都度設計
・適正なバックオーダーの確保(稼働率の確保の視点)
・納期管理

発注が安定しにくいという点で、
設備の遊休が生じないように営業活動をしていく必要がありますね。

2)見込み生産

・市場の動向
・在庫把握(品切れ、残在庫数が課題になりやすい)

市場の動向を見て、生産・在庫の管理が求められますね。

【製品の構成要素】

製品の構成要素を3つ考えておきましょう。

・コア
・形態
・付随機能

事例企業では、成長が停滞または事業が後退している場合が多いので、
新製品開発の視点(新しい事業展開・業績向上)は必須です。

・強みを活かす
・高付加価値
・売り上げを伸ばす

といった流れですね。

【販売先・取引先を考える】

事例3では、製造工程の改善は必須ですが、
そもそも、どこに売っていくのか、という後工程(販売)につながっている、
という視点も重要です。

1、チャネル

・物流
・商流
・情報流

物流チャネルにおいて、
直接取引はマージンを取られないという利点がありますし、
顧客のニーズが聞けるのでメリットがあります。
しかし、トラブルや配送の複雑さも起きやすい、というデメリットもあります。

とはいえ、直接声を聞ける、というのはメリットのことが多いと思います。

2、OEM

販売先の企業のブランドで販売します。
OEM先の営業力を活用できます。
事例企業は技術開発や製造等に経営資源を集中できるので、営業へのリソース投資を減らせます。
経営資源を一つに集中させやすいという意味で、中小企業にはメリットがあります。

ただし、デメリットもあります。
自社ブランドは認知されません。
営業を行わないので、営業の力が高まりません。
OEM先の方針に振り回されることもあります。
依存が過ぎると、価格交渉力が弱くなります。

【生産計画の機能・短中長期の計画】

1、生産計画の機能

どのようなものが思いつくでしょうか?
3つ挙げましょう。

1)需要予測

市場はどうか、季節変動どうか、といった点です。
とても大事です。

2)長期生産能力計画

設備投資のための長期的な需要動向傾向に基づきます。
その需要に応じ得るような生産計画の概要、工場能力、人員、機械設備などが挙げられます。

3)生産計画

大日程、中日程、小日程計画に分けられますね。

・大日程計画は、6ヶ月から1年ですね。
・中日程計画は、1ヶ月から3ヶ月、計画サイクルは、月また週が一般的です。
・小日程計画は、中日程計画で定められた納期を崩さないように管理します。

比較的、課題になりやすいのは、どの計画でしょうか?

中日程計画、小日程計画ですね。
与件文で、何かしらの課題を抱えていることが多い部分です。

適切な納期管理、生産時間をできるだけ短くする、適正な負荷の配分、
作業者・設備の遊休時間を少なくする、といったことが挙げられます。

2、要素別の計画

手順計画、工数計画、基準日程計画があります。

1)手順計画

加工工程や組み立て作業の順序や方法といった各工程が必要とする機械・設備などを決める活動です。

2)工数計画

所定の計画期間の負荷(仕事量や工数)と能力(人や機械)を求め、
余力(負荷と能力の差)を最小にする計画です。
作業方法の設定や、手持ちの生産資源の有効利用や作業方法の標準化が重要課題になりやすいです。

3)基準日程計画

標準的な日程を決めることです。
各製品の納期に応じて組み立ての日程を決めます。
それに合わせて供給する各部品の製造の時期を決定するものです。

4)日程

仕事に着手また手配してから完了するまでの経過時間のことです。
正味の加工時間に段取り時間や停滞時間が含まれます。
段取り時間や停滞時間は、問題になりやすいところですよね。

・手順計画の不備で、作業に課題がある
・工数計画の不備で、工程間で負荷が異なる
・基準日程計画の不備で、着手日の遅れ・納期遅れ等の課題が起きる
・日程計画の不備で、手持ちや納期遅れが起きる

といった視点を持っておきたいところです。

【工程管理(進捗管理と余力管理・3Sの視点)】

1、作業統制

物の統制(進捗管理と現品管理)と人の統制(余力管理)があります。

1)進捗管理

目的は、納期の維持や生産速度の維持及び調整です。

・ガントチャート(プロジェクト管理や生産管理などあらゆる管理工程に使う表)
・カムアップシステム(作業伝票を作業開始や納期順に整理して、その順番に基づいて作業を行う)
・製造三角図(毎日の予定と実績の数量の遅れを把握することができる図)
・流動数曲線(製品の入荷累計と出荷累計を同一のグラフ上に描く分析手法)などです。

などで管理します。課題にあった適切な管理方法を提案したいですね。

2)現品管理

目的は、進捗管理の確実化や過剰仕掛品の防止、物と情報の一致です。
特定の時点における所在位置と数量を管理します。
各種帳票による予定と実績との対比や、目視による数量チェックなどがあります。

3)余力管理

目的は、需要変動や需要への迅速な対応、納期・数量の確保、適正操業度の維持です。

・中日程計画を、1週間ごと、あるいは、数日ごとに行うことで、1日単位の計画精度の向上する。
・計画の変更を極力なくすためには、需要予測精度を向上させる。
・能力不足の調整方法として、残業や職場間の応援、外注で対応する。
・負荷不足の場合は、営業力強化、計画変更による繰上げ生産を行う。

作業統制の3つのキーワード(管理)でした。

2、生産の合理化

単純化、標準化、専門化です。

1)単純化

複雑な作業や管理方法があれば、統一化、明確化することが重要ですね。

2)標準化

雑然とした現状があれば、標準化です。

物であれば、
・無秩序さの排除
・形状や寸法が似通っていれば、統一化して、基準を設定
・使用頻度が高いものは、管理基準を決める

方法であれば、
・作業方法を単純化して、言語化、マニュアル化することも重要です。

生産性向上において、標準化は基本です。

3)専門化

製造ラインを専門家することで、管理が容易になり、作業効率が向上します。
ただ、フレキシビリティは下がります。

4)GT(グループテクノロジー)

多品種少量生産における合理化の手法です。
中小企業向けですね。

類似しているものがあれば、グループ分けを行います。
グループに応じた適切な工作機械群や治工具を用いて、加工し、合理化を図ります。

効果は、設計時間の短縮、加工時間の減少、段取り時間の減少、
運搬時間の減少、加工コストの低減、不良率の減少、管理費の低減です。
バラバラに作業するよりも、大きいロット数を加工できるようになります。

【作業改善に必要な現状把握・現状分析】

1、標準時間

その仕事に適性を持ち、習熟した作業者が所定の作業条件のもとで、
必要な余裕を持ち、正常な作業スペースによって仕事をするために必要とされる時間ですね。

2、作業標準

求める製品を生産するための最適な生産方法や手順を規定したものです。

・計画及び統制が容易となり、効率的な生産が可能。
・作業の熟練により作業時間の短縮。
・多能工化の推進によるフレキシブルな生産体制。

高齢化という話題があれば、若手への技術承継も課題になりやすい部分です。

3、作業研究・分析手法

・工程分析
・連合作業分析
・動作研究
・時間研究
・PTS(動作単位で分析研究)
・稼働分析(例えばワークサンプリング法)

課題があったときに、工程分析を行う、連合作業分析を行っている、など、
解答の様子になり得るものですので、キーワードとして覚えておきたいものです。

【生産体制の整備・工場のレイアウトの課題解決】

1、生産形態

1)注文のタイミング

受注生産、見込生産

2)品種と生産量

多品種少量生産、中品種中量生産、少品種多量生産

3)仕事の流し方

個別生産、ロット生産、連続生産

中小企業で問題になりやすいのは、多品種少量生産。
工程が不安定なので、工程改善をしましょう、ということがポイントになります。

ロット生産の特徴も押さえておきたいところです。
与件文にロットサイズ縮小の要求等があれば、
小ロット化や短納期化をする、ということも解答要素になりやすい項目ですね。
段取り時間短縮等はどうすればできるか、外段取り化や技術力向上などもポイントです。

2、工場レイアウト

・4Mの視点で、全体最適が叶っているか?
・稼働や取り扱いが最小になっているか?
・工程に、交錯や停滞はないか?
・仕掛け品の置き場は明確か?

上記を分析するためのP-Q分析、ライン編成の視点は持っておきたいですね。

ライン編成では、負荷の均一化、作業時間のバラツキの防止が求められます。

・平均作業時間の均一化
・ネック工程の作業改善
・標準化
・機械化
・適材配置

・中間ストックの設置
・中間ストックの設置
・作業域の拡大
・掛け持ち作業、応援体制、多能工化

などです。

また、円滑な運営のために求められるものは、

・外注管理
・受注情報の精度向上
・計画の短サイクル化
・教育訓練

です。この辺りもキーワードですね。

【品質は製品の核】

1、品質とは?

品質には、設計品質と製造品質と使用品質があります。

検査も試験に出やすいような気がしますね。
検査とは品質を試験した結果、品質基準と比較して良・不良の判断を下すことで、
品質保証、不良品の流出防止等を狙います。

検査の分類には、
受入検査や工程検査、製品検査、出荷検査などがありますね。

2、TQMの活用

・モラール向上
・人間関係の向上
・自己啓発
・相互啓発
・リーダーシップの向上

といったところが答えやすいところと思います。

品質を向上させるためのどのような手続きは問われやすいです。

品質を向上させるためには、事例企業の課題を把握する必要があります。
不良の種類が多い場合は、どの不良を改善すれば全体の不良率が改善するか、
ボトルネック的な部分を明らかにする必要があります。
パレート図を用いて探したり、原因を探すのであれば、特性要因図も有効ですね。

【海外生産への対応】

中小企業にとっても避けて通れないテーマですね。

海外での新たな販売ネットワークへの参入は大きな課題ですし、
国際企業としてのブランドに加え、なんといっても高付加価値化、これも重要ですね。

海外での新たな取引関係の構築や新製品開発も大変です。

人材の確保や労務管理、良質な資材や原材料の調達が難しい、
インフラの未整備、技術やノウハウの流出も問題です。

単なるコスト管理ではなく、市場拡大も踏まえた展開が求められますね。

【技術開発・強みを伸ばし、自社ブランドを構築する】

中小企業にとって最も大事といって良いでしょう。
技術は強みとなる部分です。

作ることができなかった製品製造を可能にすることも大事ですし、
歩留まりが低かった場合は、歩留まりを向上させることも大事です。

社内開発だったり、社外のリソースを活用することも、中小企業者は有効でしょう。

海外、産学連携、関連企業との協業、産業集積地でのネットワーク等も重要です。

製品を開発していく。その取り組みとしては、

・企画提案の能力を強化する必要がありますし、
・独自性のある商品を提供すること、
・先進性のある技術を導入、
・価格競争力の向上

といったところがです。

恒常的な企画・開発を行い、商品の認知度を高める活動を行い、
そして、自社ブランドまで育成していくことが求められますね。

【外注管理・購買管理(QCDの視点)】

1、外注

外注の目的は、何でしょうか?

・高度技術の活用
・過剰投資の回避
・需要変動の緩衝
・関連企業の育成

では、内外作区分はどうすれば良いでしょうか?

QCDの視点で基準に達するかどうかを判断します。

満足できるレベルの質か、コストは適正か、
納期の観点で内外作区分を決めましょう、ということです。

ちなみに、コアとなる部分を外注するのはダメです。
コアの部分は、強みであり、そこを外注するのは、もってのほかです。

使い分けは重要ですね。

2、購買管理

定期発注方式と定量発注方式を押さえておきましょう。

定期発注方式は、手間はかかりますが、平均在庫数量を一定以下に保つことが可能です。
また、需要の変化に追従できるメリットはあります。

定量発注方式は、手間は少ないですが、在庫が多くなりやすい傾向です。

事例企業の状況(課題)に応じて、適切な提案をしていきたいですね。

【情報技術と社内外との情報共有】

情報社会が進みます。
情報活用はとても重要ですね。

ITをどこで活用することができるでしょうか?

納期管理、資材所要量計画、購買管理、在庫管理と連動した生産計画を押さえておくことは重要ですね。

進捗管理として、計画や手配進捗といった生産管理業務。
多品種少量生産になりがちな中小企業の課題解決が求められることが多く、
納期管理業務もあります。

リアルタイムで把握できる社内のネットワークを構築することで、
どこからでも進捗情報を閲覧できるシステムはニーズがありますね。

社外との情報共有も大事です。例えば、CADの活用は有効です。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験。結果待ち。
(2023年、中小企業診断士の1次試験は無事通過。次は2次試験)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。