【理論と実践】取引関係の構築、商品戦略、協業先がとるべきコミュニケーション戦略(中小企業診断士2次試験 事例2)

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令和5年9月30日 病院経営の理論と実践 1966号

■取引関係の構築、商品戦略、協業先がとるべきコミュニケーション戦略(中小企業診断士2次試験 事例2)

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

中小企業診断士二次試験に向けて、学びをシェアしています。

実際に問題を解いています。

今回は、令和4年度の事例2の第4問より、
「取引関係の構築、商品戦略、協業先がとるべきコミュニケーション戦略」です。

 

1)設問

・第4問(配点 30 点)

B 社社長は、新規事業として、最終消費者へのオンライン販売チャネル開拓に乗り出すつもりである。
ただし、コロナ禍で試した大手ネットショッピングモールでの自社単独の食肉販売が
うまくいかなかった経験から、オンライン販売事業者との協業によって行うことを考えている。

中小企業診断士に相談したところ、B 社社長は日本政策金融公庫『消費者動向調査』を示された。
これによると、家庭での食に関する家事で最も簡便化したい工程は
「献立の考案」(29.4 %)、「調理」(19.8 %)、「後片付け」(18.2 %)、
「食材の購入」(10.7 %)、「容器等のごみの処分」(8.5 %)、
「盛り付け・配膳」(3.3 %)、「特にない」(10.3 %)とのことであった。

B 社はどのようなオンライン販売事業者と協業すべきか、
この際、協業が長期的に成功するために B 社はどのような提案を行うべきか、150 字以内で助言せよ。

2)公開されている設問の趣旨

新規市場への参入にあたって必要となる取引関係の構築、商品戦略、
協業先がとるべきコミュニケーション戦略の提案について、助言する能力を問う問題である。

3)初見の所感

2問目に、既存顧客への働きかけ、販路のことが書かれていました。
4問目は新市場への参入でした。
被らないようにしたいですね。
協業の是非について、確認しつつ、ターゲットを仮に家庭と想定した場合に、
どこに長期的なニーズがあるか、などを把握した上で、提案できる力を求められているのか、
みていきたいと思います。

また、コミュニケーション戦略(コミュニケーションをとることで、
自社製品・サービスの魅力やメリットを効果的に伝える)とは、
広告・販促・人的販売、パブリシティ、口コミをミックスして行うことですので、
その辺りも解答の要素として考えてみます。

4)与件文からの候補の抽出

(誰と)
・四季それぞれに見どころのある観光エリアもあり、新たな取引先探しには事欠かなかった。
・B 社自身が最終消費者と直接結びつく事業領域を強化すべき。
・現役世代が家族で居住する集合住宅も多い。
・野菜・果物・畜産などの農業、漁業、機械や食品などの工業、
大型ショッピングセンターなどの商業、観光サービス業がバランスよく発展している。

(何を)
・単品販売もできるうえ、詰め合わせれば贈答品にもなり、
これら食肉加工品は直営小売店や高速道路の土産物店、道の駅などで販売
・販売先の調理の都合に合わせた形状のカットや、指定された個数でのパッキング、
途中工程までの調理済み商品
・焼肉用やステーキ用として冷凍肉の販売

(施策)
・B 社の周囲 5 km 圏内には広大な駐車場を構える全国チェーンのスーパーが 3 店舗あり、
食肉も取り扱っているが、いずれも B 社との取引関係はない。
・メニュー提案を行ったり、その半加工を請け負った。
・家庭での食に関する家事で最も簡便化したい工程は
 「献立の考案」(29.4 %)、「調理」(19.8 %)、「後片付け」(18.2 %)、
 「食材の購入」(10.7 %)、「容器等のごみの処分」(8.5 %)。

(効果)
・売り上げ増加、良い協業関係の構築。

5)考察・解答

(1)解答骨子

(誰と)
・全国チェーンのスーパー、X市の観光産業と協業
・ネット宅配業者

(誰に)
・全国ネット
・地元の現役世代

(何を)
・X市の資源、組み合わせ

(施策)
・献立提案、惣菜・冷凍食品、ゴミの出にくいカット商品
・定期宅配サービス、季節に応じた提案

(効果)
・売り上げ増加、良い協業関係の構築

(2)解答作成

全国ネット宅配業者と、X市の観光産業と協業する。
高品質な食肉加工品、半加工品とX市の資源や産業と組み合わせて、
献立提案、惣菜・冷凍食品、ゴミの出にくいカット商品をネットで販売する。
定期宅配サービス、季節に応じた提案チラシを同封し、需要を喚起。
売り上げ増加、良い協業関係の構築を狙う。

6)答え合わせ

「ふぞろいな合格答案(同友館)」を参考にしています。

今回、ダナドコといっても「誰に」ではなく、「誰とでしたね。

そもそも協業とは、なんでしょうか?

互いに強みや経営資源を補完し合う(弱みをカバー)ことです。

設問で紹介されている調査「家庭での食に関する家事で最も簡便化したい工程」は機会を表します。

「献立の考案」(29.4 %)
「調理」(19.8 %)
「後片付け」(18.2 %)
「食材の購入」(10.7 %)
「容器等のごみの処分」(8.5 %)

という顧客のニーズに対し、自社の強みをぶつける、または、協業でカバーし、機会を掴みにいく感じですね。

そこで、協業できそうなのは、B社が取り扱っている「食品」を販売する、「宅配」サービスです。
いわゆる「宅食」サービスですね。

加工済・調理済食品や季節に応じたレシピの提供により、
献立の考案や調理、後片付けもだいぶ簡略化できます。
B社の強みとも合致しますね。

ちなみに、私は、コミュニケーション戦略が欠けていました。
顧客のニーズ収集方法として、「SNS」は有効ですね。
双方向コミュニケーションは必須です。
収集したニーズに応じて商品開発もできそうです。

協業が長期的に成功するかどうかは、差別化や固定客化がキーワードになりそうです。

上記を踏まえて、解答の再編です。

宅食サービス業社と協業して、家事を簡便化したい顧客に対し、
献立やレシピの提案、加工済・調理済食品、後片付けしやすい製品、定期的な食材の提案・宅配事業をする。
SNS を活用し、顧客から直接ニーズを聞ける双方向コミュニケーションの機会を作り、商品開発に活かす。
上記で、差別化・固定客化を狙う。」

7)終わりに

協業先の「宅食サービス」まで言語化できませんでした。
オンライン販売事業者というヒントはありましたので、B社の強みである食品と合わせれば、
言語化できたはずですので、反省です。

商品や施策については、機会「献立の考案」「調理」「後片付け」「食材の購入」が
明記されていましたので、それに対応するB社の強みを踏まえた提案ができれば良いです。

また、長期的に成功するための施策については、
オンラインを考えると、同じく、双方向コミュニケーションのツールであるSNSは有効な方法です

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。

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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験。結果待ち。
(2023年、中小企業診断士の1次試験は無事通過。次は2次試験)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。