【理論と実践】地域包括医療病棟入院料の施設基準(2回目)(令和6年度診療報酬改定)

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令和6年3月4日 病院経営の理論と実践 2122号

■地域包括医療病棟入院料の施設基準(2回目)(令和6年度診療報酬改定)

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

【本日の項目】

今回は、2120号の続きとして、新設である「地域包括医療病棟入院料」
スーパー地ケアと言われる点数について、
現行の地域包括ケア病棟との違いを施設基準の視点(2120号の続き)から確認してみたいと思います。

改めて見て思うに、こちらの点数は、あくまで急性期からの転換を意識した点数ですね。

地域包括ケア病棟からの転換は、想定されていないでしょう。
相当サブアキュートに取り組んでいるか、
他院からの受け入れをしている病院であれば、候補にはなり得ますが・・・なかなか厳しいですね。

さて、施設基準について確認してみます。

(12)当該病棟において、入院患者に占める、
救急用の自動車等により緊急に搬送された患者又は他の保険医療機関で
区分番号●●に掲げる救急患者連携搬送料を算定し
当該他の保険医療機関から搬送された患者の割合が1割5分以上であること。

→急性期を担っている病棟からの転換であれば、充分満たせる施設基準だと思いますが、
地域包括ケア病棟として、ポストアキュート中心に行っているような病棟では、厳しい基準ですね。

(13)地域で急性疾患等の患者に包括的な入院医療及び救急医療を行うにつき必要な体制を整備していること。

→必要な体制をどのように定義されるか、これからの情報を待つ感じです。

(14)データ提出加算に係る届出を行っている保険医療機関であること。

→データ提出加算も出しているところは多いでしょうから、問題ない病院が多いでしょう。

(15)特定機能病院以外の病院であること。

→特定機能病院とは、高度の医療の提供、高度の医療技術の開発及び高度の医療に関する
研修を実施する能力等を備えた病院のことですから、担うべき機能が何かを明示されていますね。

(16)急性期充実体制加算の届出を行っていない保険医療機関であること。

→同じく、高度急性期を担うような病棟は対象でない、ということが明らかです。

(17)専門病院入院基本料の届出を行っていない保険医療機関であること。

→専門病院入院基本料とは、主として悪性腫瘍、循環器疾患等の患者を入院させる保険医療機関であって
高度かつ専門的な医療を行っている病棟のことですので、同じく、役割を明確に分けていますね。

(18)脳血管疾患等リハビリテーション料及び運動器リハビリテーション料に係る届出を
行っている保険医療機関であること。

→ ADLの回復、リハビリを前提とした病棟ということが分かります。
この辺りは、地域包括ケア病棟と似ています。

(19)入退院支援加算1に係る届出を行っている保険医療機関であること。

→この辺は、地域包括ケア病棟と同じく、在宅復帰や、
退院支援に力を入れるということが求められていますね。

(20)夜間看護体制特定日減算に係る厚生労働大臣が定める保険医療機関
許可病床数が100床未満のものであること。

→夜間における看護師の配置に言及されています。
夜勤時間帯でも、原則2人以上の配置が求められます。
許可病床数が100床未満ということですので、中小病院、という感じですね。

(21)夜間看護体制特定日減算に係る厚生労働大臣が定める日
次のいずれにも該当する各病棟において、夜間の救急外来を受診した患者に対応するため、
当該各病棟のいずれか1病棟において夜勤を行う看護職員の数が、一時的に2未満となった日
イ 看護職員の数が一時的に2未満となった時間帯において、患者の看護に支障がないと認められること。
ロ 看護職員の数が一時的に2未満となった時間帯において、
看護職員及び看護補助者の数が、看護職員1を含む2以上であること。
ただし、入院患者数が 30 人以下の場合にあっては、看護職員の数が1以上であること。

→同じく、夜間の体制についての内容です。

【所感】

冒頭にも述べた通り、急性期病棟から転換が狙いの入院基本料であり、
地域包括ケア病から転換するということは現実的ではないですね。

診療報酬の単価としては、出来高で請求できる項目も多く、
急性期病棟や地域包括ケア病棟よりも高くなりそうな印象です。
よって、急性期1の基準を満たしていても転換させるメリットがある可能性も十分あります。
いろいろ悩ましいですが、どちらにしてもシミュレーションは行っておく必要があるだろう、と思いますね。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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中神勇輝。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
2023年、医療経営士1級に合格!
2023年、中小企業診断士の1次試験の2次試験は突破、次は登録。
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。