【1003】業務改善は、課題を共有し、皆で取り組む(雑誌「医事業務」より)
日々の学びや気づきを言語化し、行動を変え、未来を変える一助に。
水曜日ですね。急激に寒くなりましたが、お体大丈夫でしょうか。
今回は、雑誌「医事業務」の読後レポートです。
https://www.e-sanro.net/magazine_iryo/iji/h20210201.html
特集は「業務改善のすすめ」です。
業務改善・・・、したいですよね。具体的な業務改善の記事について目次を確認してみますと、
・医療従事者の働き方改革
・医療機関におけるコンプライアンス推進体制の構築
・診療を未収金の回収と発生防止の取り組み
・未収金回収の取り組みと成果
・同意書の統一化
といった内容でした。他の病院の事例を通して、自分たちの業務を振り返ってみたい、
と思います。
その内容に入る前に、巻頭カラーの記事に、
1、ドローンによる医薬品搬送実証実験レポート
というものがありました。(知多厚生病院)
ざっくり言うと、「離島に、薬を届ける」というプロジェクトです。
ヘリコプターで行くにはコスト面も高くなりますし、もちろん、車やバイクで行くには難しいです。
その中、ドローンを使えば、コストも抑えられ、迅速に、無人で届けることができる、
というメリットがありますよね。
ただ、医薬品は、運搬上の温度管理が必要なものもあり、課題も見つかったようです。
印象的なのは、航空局との諸々の調整が必要であり、県や鉄道会社の協力を
もらいながら行った、ということでした。病院単体では対応が難しい面もあり、
以前、取り上げた医工連携、ということの重要性を感じますね。
医療経営士テキスト「医工連携」の記事の一部は、以下の通り。
https://wakuwaku-kokoro.net/2021/01/medical-management-4-1/
面白いですし、大事な取り組みですよね。
では、特集に入ります!
2、医療従事者の働き方改革(九州大学病院)
働き方改革・・・。気になりますね。
「患者移送支援センター」の設置に向けた院内の動きについて紹介されていました。
2010年以降、働き方改革への対応として、
他職種間でのタスクシフトを経年的に検討されている、そうです。
取り組みをフォローされていることが大事ですよね。
医師や看護師には、その専門職種の仕事をしてほしい、という思いから、
患者移送支援センターなるものを構想し、ロードマップを作り、3年越しでプランニングし、
問題意識を持ち、それに向かって実際に行動する。
これができたらいいなぁ、というだけで終わらせずに、絵を描き、打ち合わせを行い、
実際に進める行動力が最も大事である、と思います。
3、医療機関に生きるコンプライアンス推進体制の構築(神奈川県済生会横浜市東部病院)
「コンプライアンス」、普段の業務では聞き慣れない言葉です。
以前の記事、医療経営士テキスト「医療ガバナンス」を思い出します。
https://wakuwaku-kokoro.net/2021/01/medical-management-5-1/
契約書、医療訴訟への対応、個人情報、啓発活動、臨床研究など、
いろいろな部署で、色々な取り決めや仕事がありますよね。
通常、それぞれについて、総務課、医事課、医局など、担当部署を分けて、
個別に行われているように思います。
それぞれの取り組みを個別で行う場合、効果的にできているかどうか
評価しづらいと思いますが、コンプライアンスの担当部署がまとめて行うことで
振り返りが行いやすくなり、対応の標準化にもつながる、と思います。
そして、上記のように組織で行うことによって、
コンプライアンス意識や知識の浸透について順調に進んでいるが、
それが職人技にならないようにしている。
個人の仕事から、組織の仕事になるような工夫として、
扱ってきた案件を定期的に振り返ったり、手順を文書化することで、
業務を引き継いでいくようにしている。
と書いてありました。仕事は属人化しやすいので、仕事を始めた時から、
誰かに引き継ぐつもりで考えておくことは、極めて重要ですね。
4、診療未収金の回収と発生防止の取り組み(心臓血管センター金沢循環器病院)
一言でいうと、「情報共有」と理解しました。
督促履歴、支払い状況を管理する未収金履歴システムを構築し、
運用している、とのことです。
担当者が変わると、「言った、言わない」、
「やった、やらない」というやりとりが起きることが容易に想像がつきますが、
それらが無くなるだけでも、相当、業務はスムーズになります。
個人によらずに、業務を進めるためにも、ミーティングで過去を振り返り、
手順を均一化し、手情報共有のツールを準備したりすることは必須ですね。
5、未収金回収の取り組みと成果(飯塚病院)
いろいろ課題が書かれていましたが、私としては、「管理負担の軽減」という
ところが印象に残りました。
以前は、1人で15人もの未収金案件を抱えていたそうですが、
医事課全員で受け持つことで、1人あたり4人ぐらいまでにした、とのことです。
これは、情報の共有方法を整えないとできませんから、
そのあたりを共有できるように、フォルダを作り、みんなで情報共有していく、
ということですね。
組織管理でも、スパンオブコントロールというのがあり、
統制の範囲内で取り組まなければ、管理し切れない、と言われますが、
同じものを感じます。
管理できる範囲には限りがありますから、適正な配分が必須です。
ただし、分散させた場合は、それらを管理できるよう、
マニュアル化であったり、情報共有できる仕組みを作ることが必要ですね。
1人の人が頑張るのではなく、みんなで取り組める仕組みを作ることで、
全体の意識も高まりますし、連帯感を高めるという点でも、良いなぁと思います。
何でもかんでも抱え込まず分け合うことで、より効果が出ますね。
6、同意書の統一化(聖マリア病院)
組織が大きくなれば大きくなるほど、それぞれの部門で管理される書類も増えます。
1000ぐらいあるらしいですね。
その見直しを図った、とのことです。
個人的にポイントだなぁ、と感じたのは、
「ガイドラインを策定して業務を見直した」ということですね。
評価するにも、やっぱりガイドラインがあるからこそ、
「良い・悪い」の評価ができる、と思います。
医療経営士テキスト「医療品質経営」のマニュアルの部分に共通する内容と思います。
https://wakuwaku-kokoro.net/2021/01/medical-management-6-3/
ガイドラインを作るための草案作成から委員会への提出書類、
しっかり時間を作って取り組まれたようですが、大きな問題意識があるからこそ
成し遂げられることだと思います。
それぞれ課題がある中、放置せず、一つ一つでも向き合い、
改善していくことが重要ですね。
7、その他の記事
1)福井県済生会病院
「患者経験価値」、非常に面白い考え方が紹介されていました。
「病院は楽しみに行く場所ではなく、どちらかと言えば避けたい場所。
それでも済生会病院にまた行きたいと思ってもらえる何かを見つけよう」
その模索として、他企業の訪問、患者動向調査、患者の声、院内ラウンド、
アイディア募集(1、採用、2、担当部署へ、3、運用面、費用面から見送り、で分類)などを
行なっているようです。
理想を持ち、取り組むことで、実現化しますね。
2)平均在院日数と収入戦略
在院日数と新入院、両方の視点で考えよう。
3)未収金管理
システムによって、
見逃の抑制
間違の抑制
健忘の抑制
三日坊主の抑制
に取り組むことが大事。
以上です。最後は、要素のみの紹介になってしましたが、詳細は、ぜひ本誌をご覧ください。
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