【1046】人事とは「人を通して事を成す」(医事業務20210301)

日々の学びや気づきを言語化し、行動を変え、未来を変える一助に。

木曜日ですね。週も後半です。皆様は、いかがお過ごしでしょうか。

今回、紹介するのは、

雑誌「医事業務20210301」

です。(読書通算978日目)

医事業務

https://www.e-sanro.net/magazine_iryo/iji/h20210301.html

今回の特集は、人を育てる仕組みの構築、です。

5つのケースが紹介されていました。

・業務の国際化に備えた事務職員向け英語講座
・事務系総合職におけるプリセプター制度の構築
・人材育成とチームビルディングの組織作り
・当院における患者対応力強化の取り組み
・公立病院における経営企画室設立とスタッフ育成の第一歩

所属する組織の上司から、
人事とは、「人を通して事を成す」ということである、
と聞きました。

特に病院は、人と人とのやり取りで、日々の業務が成り立ちますので、
人が育つかどうかは大切なジャンルです。
ましてや、コロナ禍などいろいろな変化がある中で、
変えるべきを変えられる「人材」の存在が極めて重要と感じます。

それでは、学んでみたいと思います。

【業務の国際化に備えた事務職員向け英語講座】

救急の受付で、英語対応ができるように英語講座を開催したり、
よく使う簡単な英語表現を学ぶ講座を、
組織として準備してあげている、という事例で、とても素晴らしいと思いました。

どんな言葉を覚えたら良いのだろうか、うまく対応できるだろうか、
患者さんが安心されるのか、という思いを持ち、学ぶことは大事ですよね。
もちろん学んだこと以外のイレギュラーなことも起きるかもしれませんが、
基本を押さえておくことで患者も職員もお互いに安心してコミュニケーションが取れる、
と思います。

また、英語講座のシラバスとして、
・丁寧な英語表現が重要視される理由
・入り口で迷っているノン・ジャパニーズを助ける2フレーズ
・外国人が入り口をフラフラしているときにかける言葉
など、紹介されていましたが、興味深いですよね。

キャッチーなタイトルが大事!と思いました(^-^)

【事務系総合職におけるプリセプター制度の構築】

プレセプター制度とは、1人の新人職員に、業務を覚えていく教育システム。

手順書を作る、指導を進める、スキル表の評価に基づき、新人を評価する、
個人面談で、成長をフィードバックする、など。

新人は特に不安に感じる人が多いでしょうから、
しっかりと教育体制があるところで働きたい、と思う人も多いですよね。
新人の不安も消され、病院としても患者さんにしっかりと対応できる
職員が育つという仕組みは、職員、患者、病院みんなにとって良いことであると感じますね。

そんなことを積極的に取り組み、その活動が見える化されていることは
採用(応募)にとっても大事なことではないでしょうか。

会議

【人材育成とチームビルディングの組織作り】

チームビルディングとは、1つのゴールに向かって進んでいける組織作り、です。

・キャリア開発。
基礎教育から、現任教育、マネジメント教育、それらを目安となる期間とラダーを設定し、
進めていくこと。

・リーダーや管理者になるための研修。
3.5日間の集中した講義やグループワークを取り入れている。
最後、筆記や面接による試験を受けて管理者や指導者になる制度がある。

チャレンジプランという目標管理シートを導入、
上司やコーチングを取り入れた面接を行うことの学習までしている。

上記が心に残った内容でしたが、面白いです。
新人に対する教育もそうですし、マネージャーに対する教育もとても大事ですよね。

キャリアとして成長すること、
また管理者として成長できる機会を準備してあげることは
新たに管理職になる人には貴重な機会だと思います。

何も分からずに、経験や年齢、時期が来て、管理職になったものの、
何をどうすれば良いのか分からない、という悩みはありますよね。

どうしても、その部署の上司のやり方が、その部署の常識であり、
模範になると思います。

それはそれで良い面もあるかもしれませんが、
病院全体で見たら、考え方、やり方にちょっとした違いが出てきます。
容認できる誤差なら良いですが、
その組織として、管理者としてどのように振る舞って欲しいのか、
何を大事にして欲しいのか、ということを講座やグループワークで、
確認するという過程は、あった方が良いと思います。

座学なんてしても意味がない、ということもあるかもしれませんが、
まずあり方を知ることが大事です。
知っただけで終わってしまっては確かに無意味なものになってしまいますが、
一通りの知識を踏まえて日々の実践で、どのように成長していくのか、
その成長する仕組み、日々のオペレーションの中で組み込んでいけるかどうか、
ということが重要、と思います。

これらの意味づけをしたうえで、目標管理制度であったり、
数字を通した関わり(経営感覚)が定期的に行われることで効果的な成長に
つながるでしょう。

【当院における患者対応力強化の取り組み】

医療対話推進者の10視点が紹介されていました。

その中の一部で、例えば、

・病院が説明したいことではなく、患者家族が何を説明して欲しいか
・患者家族がどのような社会的背景を持っていて、どのような環境に置かれているか
・患者家族の最終的な望みは何か
・負の感情に基づく攻撃的言動があった場合の対応方法

など。

一通りの考え方があることはありがたいですよね。

基本があって、行動ができる。
統一した対応シナリオが作れる。

これは安心できます。

それぞれの個人の特性に任せて患者からのクレームに対応する、
ということにはなりますが、法人(病院)として、こう対応します、
という原則があるかどうか、は気持ちの持ちように大きく影響します。

高齢化、情報化が進んでいく中で、これからの時代、より複雑なトラブルの発生が予測される、
と書かれていますが、基本原則を知り、勉強会を行い、対応のシミュレーションをすることで、
着実に対応力を上げていくことが、患者にとっても、職員にとっても安心につながっていく、
と思います。

【公立病院における経営企画室設立とスタッフ育成の第一歩】

グローバルヘルスコンサルティングジャパンの病院ダッシュボードを活用されて、
取り組まれている事例でした、

経営企画室に、
(室長として)医師、管理栄養士、薬剤師、理学療法士、看護師、社会福祉士、事務職員が配属されています。

自部署の業務経験や知識が充分ある部署長や中堅クラスの職員から候補を選び、
面談を行い、論理性、発信力、熱意などを基準にメンバーを選定する。

課題解決技能習得のレベルとして、

1)自部署の課題解決
2)他部署の課題解決
3)病院全体の課題解決

というステップを踏まえて、取り組もうとしていることは、分かりやすいと思いました。

その一例として特別食率や薬剤指導管理料、リハビリテーション総合計画評価料、
逆紹介率、などを通して自部署の数値を確認し、改善していくことで、
業務フローの見直しや課題解決に進む、という成長の機会を設けた、ということですね。

やはり、いろいろな職種が関わっているというのは良いです。
私が所属している病院の企画課は(役割が違うこともありますが)、
事務員しかいませんので、多くの職種で取り組んでいく時には、やはり気を使います。

職種間の壁を壊す、大事な取り組みであると感じます。

ベイビーステップ

では、内容と所感はここまで。

目次(紹介してきた特集含む)は以下のようなものでした。ご興味があれば本誌をどうぞ。

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人を育てる仕組みの構築
◎事例1 業務の国際化に備えた事務職員向け英語講座
〜業務直結の持続可能な病院英会話の普及〜
済生会横浜市東部病院 赤津祐衣
◎事例2 事務系総合職におけるプリセプター制度の構築
〜教育環境の改善を目指して〜
府中病院 村上萌
◎事例3 人材育成とチームビルディングの組織づくり
〜組織づくりと人材育成システム〜
公益財団法人慈愛会 中重敬子
◎事例4 当院における患者対応力強化の取り組み
〜トラブルは、現場力強化でソフトランディングする〜
加古川中央市民病院 後藤圭司
◎事例5 公立病院における経営企画室設立とスタッフ育成の第一歩〜当たり前の水準を高める〜
大和高田市立病院 井上直也

急性期病院における医師の働き方改革
〜時間外労働上限規制適用まであと3年〜〔スペシャルディスカッション〕
社会医療法人近森会 寺田文彦 / 聖隷浜松病院 服部東洋男
相澤東病院 池田隆一 / 相澤病院 赤羽茂康
大阪警察病院 小前貴志

連載
◎とびさんの第六感!(No.17)
一般社団法人 日本医療業務支援機構 理事長 石飛隆敏
◎FOCUS! 済生会熊本病院 医療連携部
地域医療連携室 松岡佳孝
◎スポットライト
佐久医療センター 経営企画課 兼 診療情報管理課 須田茂男
◎DIY医事課長の院内まるごと働き方改革(No.7)
社会福祉法人北海道社会事業協会帯広病院 医事課長 大須田良太
◎メディケア相談員が語るアメリカの医療(No.10)
アメリカ病院経営士会認定病院経営士 河野圭子
◎医療への事務的アプローチ(No.9)
メディカル・データ・ビジョン株式会社
◎虎の巻伝授! 請求もれ発見伝(No.39)
TMG本部 医事業務指導室 兼 施設基準指導室 室長 佐藤達哉
◎匿名企画課長の病院経営マメ知識(No.5)
◎医事管理ON THE ROAD(No.46)
北野台病院 医事課長 鈴木達也
◎在宅医療と外来診療(No.23)
鷺沼診療所 事務長 宇井恵美
◎コムルからの通信(No.206)
認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML
◎教えて! ニャン長先生(No.93)
大阪警察病院 小前貴志

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では、また明日(^_^)v

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