【理論と実践】医療経営士1級試験対策(外部環境分析と病床再編・役割の変更)

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令和5年9月2日 病院経営の理論と実践 1938号

■外部環境分析と病床再編・役割の変更

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

〜今日のテーマ〜

本日の内容は、

「外部環境分析と病床再編・役割の変更」

について。

さて、試験まで、1日(今日を入れて)です。

知識等の最終確認・追い込みをかけていきたいと思います。

【前提】

少子高齢化により、急性期を必要とする患者が減り、
リハビリ・在宅復帰等を必要とする患者が増える、と言われています。

現状のままでは、急性期病床が過剰となり、回復期病床が不足する、ということです。

2025年における急性期病床は、40.1万床が適切と言われますが、
2021年段階では、54.9万床です。過剰です。

回復期病床は、37.5万床が適切と言われますが、
2021年段階では、19.3万床です。不足します。

クリニックの後継者不足も深刻です。
かかりつけ医機能を維持するにしても、地域のクリニックの存在は必須です。

【再編と統合】

これらの状況をどのように考え、対応していくのが良いでしょうか。

1、地域の現状を認識し、院内で共有する

日本全体の数字で考えると、病床の適切割合は以下の通りと考えられています。

高度急性期 11%
急性期   34%
回復期   31%
慢性期   24%

です。

地域医療構想、自分たちの所属する二次医療圏で検索すれば、
たいてい資料が公開されていますので、割合を確認できます。

ちなみに、私の所属する病院の医療圏でも、急性期が多く、回復期が少ない状況です。

実際、高齢化が進む中で、在宅復帰を支援する、回復期病床や地域包括ケア病床の存在が求められています。
また、在宅が難しくても、施設等での療養ができるような体制整備も求められています。

地域の人口動態、各病院の医療機能などの外部環境を適切に把握することが必要です。

2、病床規模別で考える

近隣の医療機関や施設の有無を踏まえて、自分たちの病院がどうあるべきか考えてみます。

3パターン考えます。

500床
200床
100床

の病床規模をもつ3病院が地域にあるとします。

500床の病院は、高度急性期に特化し、基幹病院を目指すべきでしょう。
200床の病院は、急性期機能を持ちつつ、地域とのつながりをもつような地域医療支援病院や、
病床を少しダウンサイジングし、在宅療養支援病院を目指すのも一つです。
100床の病院は、回復期や在宅復帰支援を持ち、外来においても、かかりつけ医機能を持つ病院を目指す選択肢があります。
慢性期などの場合は、より軽度急性期にも対応できる力も求められるでしょう。

周りの医療機関や施設の状況に加えて、
自院の現状、例えば病床の利用率、重症度・看護必要度等の数値を踏まえて、
意思決定をしていく必要があります。

3、自院の将来の方向性について地域や院内に示す

例えば、中小病院という立場で考えると、かかりつけ医機能、地域包括ケア病棟を持つ、
という選択肢が有力でしょう。

今後、高齢化で中心となるのは、かかりつけ医機能を持つ病院である、
という自負を持つこと、そして、それらを支える診療報酬体系も設定も期待したいところです。

在宅診療を支え、バックアップ機能を持つ病院が今後は地域の中核になると言えます。

クリニックの医師の高齢化に伴い、閉院も増えてきています。
病院の外来は赤字になる、そんな診療報酬体系では永続性がありません。
その辺りも踏まえて、外来の生産性向上、診療報酬の設定も考えていく必要があります。

【終わりに】

自院の立ち位置を直視する時代になりました。

そして、直視するだけでなく、行動・変革を起こしていく必要があります。

地域にとって求められ、価値を提供できる医療機関でありたいと思います。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。

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