【理論と実践】介護保険制度の目的と意義(介護福祉経営士テキストを通して)

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令和6年4月16日 医療・介護経営の理論と実践 2165号

■介護保険制度の目的と意義(介護福祉経営士テキストを通して)

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

【はじめに】

令和6年度の診療報酬・介護報酬改定対応に奔走されている医療機関が多いことでしょう。
私もその一人です。

・急性期の厳格化と高齢者救急医療の受け入れ態勢の整備
・基本診療に対する賃上げ分の上乗せ
・負担軽減や連携を促進する取り組み・DX化の評価
・感染対策の労力を補填する加算
・生活や食事を支え、改善するための多職種の協働、地域との連携

を推進するために、新規点数の設定、既存点数の是正が加わったと感じます。

森(全体)を見て、木(個別項目)を見ていく必要があります。

【理由・参考書】

医療介護連携が重要視されていますので、介護福祉経営について大枠を学習しています。

最近は、介護福祉経営士テキスト基礎編1ー1(第2版)
「介護福祉政策概論」を参考書に使っています。

( 最新版は、第3版です。以下のURLが最新版の購入画面です。
https://www.jmpshop.jp/products/detail/2140
「介護福祉経営士テキスト」で検索してください。 )

この学習の目標として、介護福祉経営士2級試験を考えています。
網羅的に学べるのがこういった試験・テキストの良いところです。

今回は、「介護保険制度の目的と意義」について、学習しました。
私自身の理解や補足確認した内容が混ざりますので、
正確な内容を確認したい方は、テキストをご購入ください。

【本日の内容】

1、わが国の社会保障

日本には、5つの社会保障があります。
介護保険はその一つで、その他には医療、年金、労災、雇用保険があります。

聞いたことあるもの多いですね。

日本国憲法における社会保障に始まり、日本における様々な介護福祉の政策・制度の展開が紹介されていました。

まずは、生活保護法による窮貧対策の時代です。

次に、老人福祉法による介護サービスの曙の時代です。

介護サービスの曙の時代は、 昭和36年の国民皆保険、国民皆年金体制のスタートがきっかけでしょう。

高齢者が増えていく中で、高齢者の心身や生活の実態の変化を踏まえた動きが起きます。
老人福祉法が昭和38年に制定されました。
その後、老人福祉施設の制度化で、特別養護老人ホーム等の類型が設けられます。

次は、老人医療費無料化の時代です。
その中で在宅介護の柱が3つ紹介されていますが、何でしょうか。
それは、ショートステイ、デイサービス、ホームヘルパー派遣の3つですね。
今につながる3本柱です。

次は、老人保健法とサービスの基盤整備の時代です。
長寿社会対策やゴールドプランと言われるものがあります。
ここでも、ホームヘルプサービス、デイサービス、ショートサービスを3本柱にすることが確認されていますね。
また、この頃に、介護福祉制度が制定されました。
21世紀福祉ビジョンや高齢者介護自立支援システム研究所などの活動があります。

新ゴールドプラン(平成7年から平成11年)も策定されてます。
そこで言われている柱は、4つです。

・利用者本位・自立支援
・普遍主義
・総合的なサービスの提供
・地域主義

4つは覚えておきたい部分ですね。

そして、介護保険制度の時代に向かいます。

2、社会保険制度と社会福祉制度

社会保障の方法について確認してみましょう。
大きく2つです。
北欧・イギリス型と、大陸型です。

税方式によるものを北欧イギリス型と言われ、
社会保険方式によるものを大陸型と言われます。

介護保険制度を独立した制度として実施している国は、
日本、韓国、ドイツ、ルクセンブルク、ということです。
テキストでは国による保険制度の違いが一覧表になっており、興味深いです。
興味ある方ぜひご覧ください。

3、介護保険制度の創設に至る経緯・背景

老後の生活に介護問題が起きることが最大の不安要因となってきたということが、介護保険制度の背景にあります。
自分自身、家族がどのような状態になるかは大きく影響を与えますよね。

大きなトレンドとして、人口の少子高齢化、要介護の高齢者増加、介護の長期化・重度化があります。
介護者自身の高齢化も進んでいることもあり、介護問題は、国民生活にとって最大の不安要因になっています。

老人福祉の措置制度について、従前の介護関連制度の問題点として、
市町村が介護サービスの種類や提供期間を決める仕組みのため利用者に選択ができない、ということも挙げられています。
また、利用者の所得に応じた費用徴収も問題でした。
高所得者の負担が高くなることを防ぐために、介護目的での病院への入院、
いわゆる社会的入院による医療費の無駄の発生も問題でした。
この是正が「今」につながっている、と思いますね。
そのために老人福祉と老人医療の両制度が再編成されています。

また、介護サービス基盤整備における地域間の格差ということでは、
日本の介護保険制度における人口構造の変化、介護の不安の深刻化、
諸制度の改革をめぐる動向、国の財政の改善が求められています。
介護サービスにおける必要な財源、ニーズに応じた柔軟なサービス提供、
制度の改革、地方分権、福祉推進といったことがありますね。

4、介護保険制度の目的と意義

介護保険とは何でしょうか。
介護保険法には、加齢に伴って生じる心身の変化に起因する疾病等により
要介護状態にあるものに対し、これらのものが尊厳を保持し、
その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、
必要な保険医療サービス及び福祉サービスを提供することを言います。

また、要介護状態とは、身体上または精神上の障害があるために、
入浴、排泄、食事などの日常生活における基本的など動作の全部または一部について、
一定の期間(原則として6ヶ月程度)にわたり継続して常時介護を要する、
と見込まれる状態のことを言います。

介護保険制度は、第1号保険料と第2号保険料の負担でまかなわれています。
第1号保険料は65歳以上です。
第2号保険料は40歳から64歳です。
第1号保険料は保険者がそれぞれの地域の介護サービス利用額に応じて設定します。
よって、その第1号保険料率は、その地域の介護サービス利用の水準を示すパラメーターです。
これも興味深いですね。

介護保険とは、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みです。
その制度設計上、介護保険制度の持続性や運営の安定性を危惧する声が強くなってきました。
介護保険施設などのサービス提供基盤の充実や介護サービス人材の確保や、
処遇改善などによる定着推進、介護サービスの質や効率の向上、
介護サービスと医療サービスの連携といったことが求められていますね。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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中神勇輝。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
2023年、医療経営士1級に合格!
2023年、中小企業診断士の1次試験の2次試験は突破、次は登録。
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。

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