【理論と実践】発注ロットサイズの小ロット化への変化に対応するための製品量産工程の課題(中小企業診断士2次試験 事例3)

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令和5年10月4日 病院経営の理論と実践 1970号

■発注ロットサイズの小ロット化への変化に対応するための製品量産工程の課題(中小企業診断士2次試験 事例3)

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

中小企業診断士二次試験に向けて、学びをシェアしています。

実際に問題を解いています。

今回は、令和4年度の事例3の第3問より、
「発注ロットサイズの小ロット化への変化に対応するための製品量産工程の課題」です。

1)設問

第3問(配点 20 点)

C 社の販売先である業務用食器・什器卸売企業からの発注ロットサイズが減少している。
また、検討しているホームセンター X 社の新規取引でも、 1 回の発注ロットサイズはさらに小ロットになる。
このような顧客企業の発注方法の変化に対応すべきC 社の生産面の対応策を 120 字以内で述べよ。

2)公開されている設問の趣旨

顧客企業の発注ロットサイズの小ロット化への変化に対応するための C 社の製品量産工程の課題を整理し、
その対応策について、助言する能力を問う問題である。

3)初見の所感

販売数の減少というよりも、小ロットが進んでいますので、事例3らしい問題です。
取引先からすると、在庫は持ちたくない、という当然の動きがあります。
そこで、C社としても在庫を少なめにし、小ロット対応できる生産体制を作る必要がある、ということです。

生産面での「1、対応策」と、「2、効果」について述べます。

4)与件文からの候補の抽出

・後の製品量産工程は、発注元から納品月の前月中旬に製品別の生産依頼数と納品指定日が通知され、
それに基づいて前月月末までに「月度生産計画」を作成して「資材発注」する。
・通常月 1 回発注元へ納品する。

・「プレス加工」は、生産能力に制約があり、C 社全体の生産進捗に影響している。
・その作業員が金型交換作業と材料準備作業など長時間の段取作業を一人で行っている。
プレス加工」の計画だけが立案される。

・生産計画は、各製品の 1 日間の加工数量でそれぞれの基準日程を決めて立案する。
・以前は発注元もこれを理解して、C 社の加工ロットサイズを基本に発注し、C 社で生産した全量を受領して、発注元で在庫対応していた。
しかし、最近は発注元の在庫量削減方針によって発注ロットサイズが減少している。
・ただ C 社では、基準日程によって設定しているロットサイズで加工を続け、確定受注量以外はC社内で在庫している。

・C 社の受注から納品に至る社内業務では、各業務でパソコンを活用しているが、情報の交換と共有はいまだに紙ベースで行われている。

・X 社からの受注品は、商品在庫と店舗仕分けの機能を持つ在庫型物流センターへの納品となり、
商品の発注・納品は、次のようになる。
まず四半期ごとに X 社が商品企画と月販売予測を立案し、C 社に情報提供される。
確定納品情報については、X 社各店舗の発注データを毎週月曜日に X 社本社で集計する。
在庫量からその集計数を差し引いて発注点に達した製品について X 社の発注データがC社に送付される。
納期は発注日から7日後の設定である。

5)考察・解答

(1)考察

立案されている計画が、レス加工の生産能力がボトルネックになっていますので、
その部分の能力を高めるために、複数担当制、段取り作業の短時間化、外段取り化はできそうです。

プレス加工だけ、というのは改善の余地がありそうです。

基準日程によって設定しているロットサイズを見直すのは必須でしょう。
加工数量ベースで、基準日程を決めるのでなく、発注元の在庫状況を知った上で、
基準日程を決めることで需要に応じた生産活動ができると思います。

ロットサイズの変更には、段取りの効率化が必須です。
その際、営業課から発注元の状況を入れてもらい、生産部門への情報共有ができると良いですね。
せっかくパソコンを使っているので、ネットワークで情報共有、といった感じですね!

毎週月曜日に X 社本社で集計し、在庫量からその集計数 を差し引いて発注点に達した製品について
X 社の発注データが C 社に送付され、納期は発注日から 7 日後の設定とあります。
毎週、そして7日間ということで短期間での発注ですね。

上記を踏まえて、自己解答です。

(2)解答

発注元の在庫状況を営業課を通して内部の情報インフラを整備し共有する。
その上で、発注元の注文数に応じた基準日程に変更する。
外段取り化する、プレス加工の生産性を高めて、生産速度を速める。
小ロット化を図る。

6)答え合わせ

「ふぞろいな合格答案(同友館)」を参考にしています。

(1)「生産速度を速める」ということを書きました。

与件分に合わせると、「生産計画の週次化」ですね。
あとは、「短サイクル化」です。

(2)「内部の情報インフラを整備し共有」ということを書きました。

事例3らしく書くとすると、「全工程にわたる生産計画を策定」ですね。

(3)その他

段取り時間や小ロット化に触れることはできた点はOKです!

生産統制(進捗管理・現品管理、余力管理)の視点も欲しいところでした。

(4)その結果(効果)

私は「プレス加工の生産性を高めて」ということは、対策として書きました。
その効果として、「小ロット化」という発注元のニーズに応えるというつもりで書きましたが、
私の書き方だと、対策と効果が逆になってしまっていたようです。

対策の効果が

・プレス加工の生産能力の向上

であり、

・在庫量の適正化

ですね。

(5)解答の修正

対応策は、発注元の在庫状況に応じた基準日程に見直し、ロットサイズを小ロット化する。
プレス加工以外も含めた全工程にわたる生産計画を策定する。
外段取り化を行い、プレス加工の生産能力の向上させる。
在庫量の適正化を図る。

7)終わりに

「生産計画の週次化」
「短サイクル化」
「全工程にわたる生産計画を策定」
「生産統制」

といった言葉は押さえておきたいものです。

あとは、対策と効果(最終的に何を目指しているのか、問われているのか)を誤らないようにしたいですね。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。

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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験。結果待ち。
(2023年、中小企業診断士の1次試験は無事通過。次は2次試験)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。