【理論と実践】ベースアップ評価料1の届出期限延長の効果は如何

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令和6年5月24日 医療・介護経営の理論と実践 2203号

■ベースアップ評価料1の届出期限延長の効果は如何

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

【はじめに】

令和6年度の診療報酬・介護報酬改定対応に奔走されている医療機関が多いことでしょう。
私もその一人です。

・急性期の厳格化と高齢者救急医療の受け入れ態勢の整備
・基本診療に対する賃上げ分の上乗せ
・負担軽減や連携を促進する取り組み・DX化の評価
・感染対策の労力を補填する加算
・生活や食事を支え、改善するための多職種の協働、地域との連携

を推進するために、新規点数の設定、既存点数の是正が加わったと感じます。

森(全体)を見て、木(個別項目)を見ていく必要があります。

【本日の内容】

今日のテーマは「ベースアップ評価料1の届出期限延長の効果は如何」です。

1、令和6年度診療報酬改定で新設されたベースアップ評価料に係る届出

5月20日付で事務連絡が流れましたね。

「ベースアップ評価料に係る施設基準の届出の作成に一定程度時間を要すること等を踏まえ、
保険医療機関及び訪問看護ステーションからのベースアップ評価料に係る施設基準の届出については、
下記の取扱いとすることから、貴管下の保険医療機関及び訪問看護ステーション
並びに審査支払機関に周知徹底を図り、その取扱いに遺漏のないよう特段の御配慮を願いたい。」
(一部略)

さて、どんな内容でしょうか。

2、対象の点数

1)令和6年6月21日までに

令和6年6月1日からの算定に係る
・外来・在宅ベースアップ評価料(1)
・歯科外来・在宅ベースアップ評価料(1)
・訪問看護ベースアップ評価料(1)
の施設基準の届出については、令和6年6月21日までに
届出を受理した場合については、同月1日から算定する。

2)令和6年6月3日までに

令和6年6月1日からの算定に係る
・外来・在宅ベースアップ評価料(2)
・歯科外来・在宅ベースアップ評価料(2)
・入院ベースアップ評価料
・訪問看護ベースアップ評価料(2)
の施設基準の届出については、令和6年6月3日までに
届出を受理した場合には、同月1日から算定する。

とあります。

3)評価料の施設基準

「1」だけを届け出るのであれば、6月21日までOKですが、
「2」や、「入院ベースアップ評価料」も届け出る場合には、
結局、6月3日までに提出をしなければいけない、ということです。
「することは特に変わらないなー」という医療機関も多数あると思います。

もともと「1」等を算定していることが前提の「2」や「入院ベースアップ評価料」の点数です。
施設基準は、以下の通りです。

・外来・在宅ベースアップ評価料(2)(1日につき)(一部略)

(2)外来・在宅ベースアップ評価料(1)の届出を行っている保険医療機関であること。
(3)外来・在宅ベースアップ評価料(1)及び歯科外来・在宅ベースアップ評価料(1)により
算定される点数の見込みの10倍の数が、対象職員の給与総額の1分2厘未満であること。

・入院ベースアップ評価料(1日につき)(一部略)

(3)外来・在宅ベースアップ評価料(1)又は歯科外来・在宅ベースアップ評価料(1)
の届出を行っている保険医療機関であること。
(4)外来・在宅ベースアップ評価料(1)及び
歯科外来・在宅ベースアップ評価料(1)により算定される点数の見込みの10倍の数(A)が、
対象職員の給与総額の2分3厘未満(B)であること。

4、計算例と所感

入院ベースアップ評価料の例であれば、
算定される点数の見込みが仮に20万円の場合、その10倍は、200万円(A)です。

例1)対象職員の給与総額が1億円の場合、その2分3厘(2.3%)は、230万円(B)です。
A(200万円)が、B(230万円)未満なので、届出できます。

例2)対象職員の給与総額が8000万円の場合、その2分3厘(2.3%)は、184万円(B)です。
A(200万円)が、B(184万円)を超過しているので、届出できません。

評価料「1」だけで、対象職員の給与額の目標賃金増率に到達していない場合に
上乗せできる点数が、「評価料2」や「入院ベースアップ評価料」ということですね。

基礎となる「1」の届け出が行いやすいように、6月21日まで延長するものの、
上乗せ分の「2」は、6月3日までのまま、ということです。
ただ、「1」だけで対象職種の賃金増率に達していない場合は、
「2」や「入院ベースアップ評価料」の届出はセットで行う必要があると思います。

「2」等は延長になっていないので、勘違いしないよう留意して届出をしたいですね。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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中神勇輝。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
2023年、医療経営士1級に合格!
2023年、中小企業診断士の1次試験の2次試験は突破、次は登録。
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。

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