【1005】マンパワーに頼らず、システムに頼る、つながる(雑誌「病院羅針盤」読後レポート)
日々の学びや気づきを言語化し、行動を変え、未来を変える一助に。
金曜日ですね。あっという間に1週間が経ちます。
本日は、「病院羅針盤」2月1日号です。(1日1読書947日目)
https://www.e-sanro.net/magazine_iryo/rashinban/k20210201.html
今回の特集は、
「活用が進む地域医療情報連携ネットワーク」と、
「オンライン病院事務長塾の立ち上げと具体的な取り組み」です。
たいへん興味深い内容です。
地域包括ケアシステムの構築において、情報共有の仕組み構築は極めて大きな課題ですから、
どんな方法があるのか、他の地域で考えてみたいと思います。
1、地域医療情報連携ネットワークの歴史的発展とこれからの課題
今、在宅が評価されている理由の大きな要因は、
「高齢者人口について、団塊の世代が20~30年後に逝去するため、
人口が減少に転じ、施設的な対応は、将来の過剰を生む。」
とありました。しっくり来ます。
入院医療は、医療費がたくさんかかり、社会保障費がふくれあがる、
というのも理由だと思いますが、この人口動態の流れも押さえておきたいですね。
今後、共有する情報は、
医療機関や施設間の情報だけでなく、個人の健康状態や医療管理情報を
蓄積するパーソナルヘルスレコード機能が地域医療情報システムの中で
実現していくことが望ましい、と書かれています。
1)ピカピカリンク
佐賀県のシステムです。
「地域内1患者1カルテ」というコンセプトのもと、
カルテ記事、アレルギー情報、処方、注射、検査結果、退院サマリー等の文書について、
患者の同意のもとで情報共有をする。
(ただし、同意がなくても、緊急事態や救急の場合は、適切に対応する)
ただし、共有するものが個人情報ですから、セキュアな環境を維持することが大事、
ということで、費用負担を軽減できるよう「TSL1.2クライアント証明書環境」というもので
対応されたようです。
(が、この辺の知識は無いので、よく分かりませんが、
情報技術の進歩にはアンテナを高く持たなければいけませんね)
地域連携パス、薬局との連携、情報の双方向性の拡充、緊急事態対応などの準備など、
機能を拡充してきたそうです。
その中に、「退院前からの情報共有」が可能ということが書いてあって、
これは、ホントに、すごいありがたい機能、と思いますね。
また、参加病院が73%、診療所が27%にとどまっている、と書かれていましたが、
これだけでも相当良いように思いますね。
ただ、大きな課題として、お金の問題もある、ということです。
システムを維持するコストもかかりますから、地域の医療機関の理解と、コストと、
情報の安全面、この辺をクリアできる熱意と行動力が必要、と思います!
2)ICT地域医療ネットワーク(MMWIN)の取り組みと今後の展望
「宮城 メディカル ウェルフェア インフォメーション ネットワーク」です。
災害時には、当初の目的であるバックアップされた診療情報の活用が可能。
活用事例として、
後方支援での共有、透析記録の共有、
調剤薬局からのトレーシングレポート、脳卒中ネットワーク、支援相談員による情報収集、
高齢患者の状態把握などがある。
課題は、
医療介護連携が、MMWINの特長の一つだが、介護の現場からは、
採血の結果や、画像情報よりも、
「どれぐらい食事が取れるか、介助が必要か」などの情報こそが必要。
ただし、通常の病院システムからは上がってこない情報であり、
メリットを感じられない。
とありました。
お互いが伝えられる情報と、欲しがっている情報のすり合わせ、
そして、共有し合える協力体制の構築が必要でしょう。
また、この環境を維持するために、
個人端末の利用はリスクが高いこと、コストがかかることなど、
導入が難しい部分もある、とのことですが、
ICTシステムで、人と人をつなげることができますので、
医療と介護の連携を進化させる大きな要素になることは間違いないですね。
2、オンライン病院事務長塾の立ち上げと具体的な取り組みについて
ケースメソッドの手法を通して、一人ひとりの事務長の経験や考え方を聞く中で、
病院事務長の思考を学ぶことができるオンライン塾。
とても魅力的!ですね。
ケースメソッドのケースは5分程度で読めるコンパクトなもので、
検討する時間は10分設定し、予習をしないでも参加できるようにしたり、
面白そうです。
つながりができること、他者の経験値から来る示唆を聞かせていただける
機会は、なかなかありませんので、貴重ですよね。
3、その他
その他の記事も一部、紹介します。
1)今、求められる病院のリスクマネジメント
~コロナ禍なのか、病院の個室率上昇を考える~
個室化によるトータルベネフィット、ということで
感染防御、患者のプライバシー、療養環境、クレームの減少、病床管理、
セキュリティなどのメリットはが多くあると思われる。
2)リッツカールトンのクレド、スターバックスの企業理念と行動指針
大事なのは、「自分はなぜ働くのか、何のために働くのか」という
持続的な問いかけがスタッフの自発的な行動を促すきっかけになり、
他者との違いを作り、私たちに価値を提供している。
・マニュアルは頭で理解させて守らせるルール
・クレドは、納得して実践するためのもの
理念やビジョンの共有、職員間のコミュニケーション強化、院内広報など、
職員の心の中に院内ブランドを構築することの大事が分かります。
3)人材マネジメント
成果目標に加えて、行動目標として、手段や方法を言語化し、イメージしてもらうことが大事。
4)2021年の制度の変更の紹介
2021年4月から9月まで、新型コロナウィルス感染症に対応した医療機関への加算など。
これらの他にも興味深い記事がありましたが、興味があれば雑誌をご覧ください(^-^)v
以上です。今後ともよろしくお願いいたします!
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