【理論と実践】病床機能報告制度と地域包括ケア病棟の役割
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令和5年11月09日 病院経営の理論と実践 2007号
■病床機能報告制度と地域包括ケア病棟の役割
中神勇輝（なかがみゆうき）
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おはようございます。中神です。
病床機能報告制度における４つの分類についてみてみましょう。
１、高度急性期機能
○ 急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、診療密度が特に高い医療を提供する機能
２、急性期機能
○ 急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、医療を提供する機能
３、回復期機能
○ 急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供する機能
○ 特に、急性期を経過した脳血管疾患や大腿骨頚部骨折等の患者に対し、
ＡＤＬの向上や在宅復帰を目的としたリハビリテーションを集中的に提供する機能
４、慢性期機能
○ 長期にわたり療養が必要な患者を入院させる機能
○ 長期にわたり療養が必要な重度の障害者（重度の意識障害者を含む）、
筋ジストロフィー患者又は難病患者等を入院させる機能
詳細は図の通りです。
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001100422.pdf
ここで気になるのは、２、急性期機能 と３、回復期機能です。
ご覧の通り、実は、地域包括ケア病棟は、回復期だけでなく、急性期機能にも矢印が向いています。
急性期と回復期の両方の機能が期待されていることが伺えます。
地域医療構想の当初、４つの機能に、「亜急性期機能」を加えたらどうか、という話もあったようです。
ただ、当時の意見としては、亜急性の領域になりそうな
・サブアキュート機能は、急性期の区分。
・ポストアキュート機能は、回復期の区分。
で対応する、ということで、消えました。
亜急性期機能が消えたことによる影響は、
・急性期で報告したいという医療機関が多く、急性期で報告され、回復期の報告が少なくなった
・地域包括ケア病棟で亜急性期を担う医療機関は、
急性期なのか、亜急性期なのか、回復期なのか、いまいちハッキリしない状態になったこと
が挙げられます。
地域包括ケア病棟の役割は大きく３つあります。
・サブアキュート
・ポストアキュート
・在宅復帰支援
です。
急性期でもあり、回復期でもある地域包括ケア病棟は、今後、どうあるべきでしょうか？
まず、サブアキュートの機能を期待されている点から触れてみましょう。
今後、増えるであろう高齢者の疾患である誤嚥性肺炎、尿路感染症、心不全、大腿骨頚部骨折などに
対応できる病棟が地域に求められます。
そして、在宅で暮らしていくためのADL回復・リハビリ、退院支援の機能は同じく求められます。
ということで、重要な役割を担う地域包括ケア病棟ですが、
2024年度の診療報酬改定で是正が入りそうです。
上記の役割を担えない地域包括ケア病棟には退出いただこう、
もしくは評価を下げよう、という流れが予想されます。
地域に求められる、国が求める地域包括ケア病棟は、どのような姿になるか、
注目していく必要がありますね。
以上です。では、また明日(^-^)v
（当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。）
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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験。無事１次は通過、次は２次試験。
（2023年、中小企業診断士の１次試験は無事通過。次は２次試験）
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ（HIIT最高！）と読書。
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