【理論と実践】医療機関と介護保険施設の連携の推進(令和6年度診療報酬改定の短冊を通して)

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令和6年2月3日 病院経営の理論と実践 2092号

■医療機関と介護保険施設の連携の推進(令和6年度診療報酬改定の短冊を通して)

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

【はじめに】

1月26日に、診療報酬改定の短冊(個別改定項目)の発表がありました。

・急性期の厳格化と高齢者救急医療の受け入れ態勢の整備
・基本診療に対する賃上げ分の上乗せ
・負担軽減や連携を促進する取り組み・DX化の評価
・感染対策の労力を補填する加算
・生活や食事を支え、改善するための多職種の協働、地域との連携

を推進するために、新規点数の設定、既存点数の是正が加わったと感じます。

これらを踏まえて、個別改定項目を見ていく必要があります。

【本日の項目】

■基本的な考え方・具体的な内容(ページ数は、短冊のページ)

在宅療養支援病院や地域包括ケア病棟の役割として、以下の内容がありました。

・介護保険施設の求めに応じられる協力医療機関としての役割

在宅療養支援病院、在宅療養後方支援病院、
在宅療養支援診療所及び地域包括ケア病棟において、
介護保険施設の求めに応じて協力医療機関を担うことが望ましいことを施設基準とする。(P159)

これらの考え方を踏まえて、

・協力対象施設入所者入院加算(P157)

介護保険施設等の入所者について、病状が急変した際に、
当該介護保険施設等に協力医療機関として定められている保険医療機関であって、
定期的にカンファレンスを行う等、当該介護保険施設等と平時からの連携体制を
構築している保険医療機関(受入れを行う協力医療機関以外の協力医療機関を含む)の医師が
診察を実施した上で、入院の必要性を判断し、入院をさせた場合の評価を新設する。

1 往診が行われた場合 ●●点
2 1以外の場合 ●●点

・介護保険施設等連携往診加算(P401)

介護保険施設等の入所者の病状の急変時に、介護保険施設等の協力医療機関であって、
定期的なカンファレンスを実施するなど、
平時からの連携体制を構築している医療機関の医師が往診を行った場合の評価を新設する。

といった内容が記載されていました。

【所感】

療養・生活は、「病院でなく、介護施設で」というメッセージを感じる内容ですね。

地域医療構想で言われる急性期病床の削減と機能分化は、在宅への移行が必須です。
その在宅として介護施設の存在は大きいです。
病院と在宅との連携の強化なくして、地域医療構想の実現はないでしょう。

改定内容に、「入院を受け入れる病院以外の医師」、
つまり連携体制を構築できているかかりつけ医の診察の上での入院も算定対象する、
と理解できます。

病院とクリニック、介護施設、ますますの地域連携が求められていることを実感します。

それでは、

・協力医療機関として定められている保険医療機関とは?
・定期的なカンファレンスとは?

上記の要件がどのように与えられるのかは答申次第です。

先日の中医協の議論でも急性期の入院料の引き締め(医療・看護必要度)は厳しくなる一方です。
地域と関係性を作り、医療の質を高め、経営の質を高めていく必要がありますね。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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中神勇輝。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
2023年、医療経営士1級に合格!
2023年、中小企業診断士の2次試験に合格、次は登録!
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。