【理論と実践】先進医療、特に抗がん剤治療を希望する患者への医療費の説明
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令和5年5月20日 病院経営の理論と実践 1833号
■先進医療、特に抗がん剤治療を希望する患者への医療費の説明
中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。
〜今日のテーマ〜
本日の内容は、 医療経営士1級受験対策ということで学びを使用していきたいと思います。
(長英一郎さん作成の問題集より)
今回は、先進医療、特に抗がん剤治療を希望する患者への医療費の説明ということで学びをシェアします。
医療費の抑制と国民の健康維持・治療は2つとも大事な視点です。
しかし、両方を満たすことが難しい、という側面もあります。
今回の事例は、保険未収載の、抗がん剤治(先進医療として認められている)を希望する患者さんに、
医事課として、どんな説明をしますか?という問いでした。
複数のキーワードを選択肢から選んで、その言葉を盛り込んで回答せよ、という内容です。
その中でキーワードは、4つでした。
・評価療養
・高額療養費制度
・保険外併用療養費制度
・患者申出療養
です。
個人的にポイントとなるのは、この抗がん剤は、既に先進医療として認められている、という点ですね。
先進医療といえば、評価療養です。
評価療養というのは、一定期間の実績・評価を経て、保険に収載するかどうかを判断する療養を言います。
これは、保険診療と併用できます。
その制度を保険外併用療養費制度と言いますね。
その場合は、保険診療部分は、「医療保険」で給付されます。
評価療養の部分(今回であれば、抗がん剤の分)は「自費」となります。
自費ですので、高額療養費制度の対象になりません。
高額療養費制度の対象は、あくまで保険診療です。
入院した場合に、保険診療で行う入院や手術は、高額療養費制度の対象になりますので、
例えば、一般的な所得の方であれば、80,000円ぐらいの自己負担で済みます。
ただ、個室代は選定療養なので、自費支払いであり、高額療養費の計算に含みません。
今回の場合、抗がん剤治療は自費です。
それ以外は、保険給付です。
よって、それ以外の部分で高額療養費の限度額を超えれば、もちろん適用されます。
実務で注意すべき点は、先進医療(評価療養)として認められていない治療を行う場合は、
保険外併用療養費制度から外れてしまいますので、全額実費になってしまいます。
とんでもない金額になります。
この辺りの話題は、混合診療との絡みも要チェックですね。
さて、患者申出療養とは何でしょうか?
難病やがんの患者さんからの申し出(海外で承認されている薬を使いたい)があり、
国の会議で審議し承認されれば、保険外療養費制度の適用になる、という制度です。
今回の事例の場合、そもそも先進医療として認められていますので、
患者申出療養の対象になるか、というと対象にならない(というか申請する必要がない)ということです。
この辺も押さえておきたい部分と思います。
以上です。では、また明日(^-^)v
(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)
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この記事を書いたのは、こんな人。
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地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属にする医療経営士2級。
名は、中神勇輝。2023年、医療経営士1級を受験予定。
(可能なら中小企業診断士も受験する予定。)
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。