【理論と実践】介護報酬改定の概要と制度変革への対応(令和6年度介護報酬改定)

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令和6年4月5日 病院経営の理論と実践 2154号

■介護報酬改定の概要と制度変革への対応(令和6年度介護報酬改定)

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

【はじめに】

令和6年度の診療報酬・介護報酬改定対応に奔走されている医療機関が多いことでしょう。
私もその一人です。

・急性期の厳格化と高齢者救急医療の受け入れ態勢の整備
・基本診療に対する賃上げ分の上乗せ
・負担軽減や連携を促進する取り組み・DX化の評価
・感染対策の労力を補填する加算
・生活や食事を支え、改善するための多職種の協働、地域との連携

を推進するために、新規点数の設定、既存点数の是正が加わったと感じます。

森(全体)を見て、木(個別項目)を見ていく必要があります。

【本日の項目】

令和6年度介護報酬改定における改定事項をとおして、学びをシェアします。

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001230329.pdf

・介護報酬改定の概要

改定率については、介護現場で働く方々の処遇改善を着実に行いつつ、
サービス毎の経営状況の違いも踏まえたメリハリのある対応を行うことで、
全体で+1.59%を確保。そのうち、介護職員の処遇改善分+0.98%、
その他の改定率として、賃上げ税制を活用しつつ、
介護職員以外の処遇改善を実現できる水準として+0.61%。

これを踏まえて、介護職員以外の賃上げが可能となるよう、各サービスの経営状況にも配慮しつつ、
+0.61%の改定財源について、基本報酬に配分する。【告示改正】

【所感】

令和6年度の介護報酬改定は、
介護職員以外の処遇改善を実現できる水準として、+0.61%とあります。

ただ、これで気になる点は、物価高騰に間に合うだろうか、という点です。

たとえば、訪問看護で、従来の単位がどのように変化したのか、見てみます。

・指定訪問看護ステーションの場合

<現行>   <改定後>
・20分未満         313単位     314単位
・30分未満         470単位    471単位
・30分以上1時間未満    821単位    823単位
・1時間以上1時間30分未満 1,125単位   1,128単位
・理学療法士、作業療法士  293単位    294単位
又は言語聴覚士の場合

です。間に合っていない、ということが言えます。

物価高騰を考えると、何も手を打たずにいては、実質マイナスです。

稼働を増やすか。
単価を上げるか。

ということに取り組んでいなければ、たいへん厳しい状況に追い込まれます。

診療報酬と同じく、過去にない改定と思います。
改定によって、公定価格は決まってしまいましたので、
厳しい環境の中で、新たな経営マネジメントをもって3年間を過ごす必要があります。

従来の算定項目の要件変更への対応はもちろん、
新たな加算を取りにいく取り組みが必要ですね。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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中神勇輝。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
2023年、医療経営士1級に合格!
2023年、中小企業診断士の1次試験の2次試験は突破、次は登録。
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。