【988】医療における品質、患者に最適な状態変化が起きたか
皆さん、こんにちは。中神勇輝です(^_^)
今回で、988日です☆
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では、本日の内容です。
■本日の内容は、以下の本から
「医療経営士テキスト(上級:6)医療品質経営(1回め)」
です。(1日1読書960日め)
https://www.jmpshop.jp/products/list?category_id=124
試験用のテキストで通常の書籍と異なるため、ある程度、頭に入れていく必要があるので、
分割して読んでいきます(^_^)
1冊のボリュームにもよりますが、今回は、チャプター1~2章ごとにしますね。
では、読もうと思った目的、心に残った内容、感想などは、こちら(^-^)
■目標、狙い
医療経営士1級の合格。
■個人的!要約
顧客は誰か?
その顧客(患者)に、最適な状態変化が起きたか?
が品質と言える。
個人に頼らず、マネジメントによって、高品質を提供できる「経営」を行う。
■心に残った内容、感想など
今回から、医療経営士テキスト、上級6巻目の「医療品質経営」です。
副題は、「患者中心医療」ですね。
では、中身に入ります。
1、医療の質、安全へのシステムアプローチ
医療の質を守る、安全を守る、ということと、経営とどのような関係があるのか。
非常に大事なことだと思います。
そのあたりを学習していきたいですね。
この筆者の方は、別の業界から見た医療界の特徴ということで、
「品質概念の希薄さ」ということについて、触れられていました。
医療業界は、「顧客志向、患者中心といえるのか」という疑問ですね。
品質を決めるのは、サービスの受け取り手、つまりは患者やその家族といえますが、
情報の非対称性の中、医療者側の考え方に陥っていないか、反省させられました。
また、個人的能力への依存ということで、
医者や、看護師など、個々の技量に基づく能力や意欲に頼っていないか、という疑念。
少数の優れた個人の技術や知識に頼りすぎず、
その技術を生かすマネジメントシステムがあるかどうか、という観点ですよね。
そして、特殊な治療ができることも大事ですが、
ごく普通の病気について、ミスなく、確実に回復させるぶれない技術こそ、
品質を考える上で、大事、という言葉も心に残りました。
2、品質を考える上で5つの原則、医療の質安全確保のための6つの要件
まずは、5つの原則です。
1)患者本位
2)ヒューマンファクター
3)システム思考
4)全員参加
5)失敗の研究
ですね。品質における、重要原則です。読み進む上で、念頭に考えていきたいですね。
次に、医療の質安全確保のための6つの要件です。
質や安全に対しての
1)動機、インセンティブ
2)思想、基本的な考え方、コンセプト
3)技術、知識
4)マネジメント、仕組み、プロセス、手順
5)能力、意識
6)推進、活動
ですね。
これらは、全て大事ですが、その基になるのは、動機、インセンティブ、ですね。
その基礎の上に、思想、技術、マネジメント、能力、それらを推進する活動ですね。
その1番大事な「動機」付けとして、
「より品質の良い製品、サービスを顧客に提供し続けなければ、いずれその組織は存在意義をしなうことになる」
というものがありますよね。
確かに、品質が悪ければ、自然と、そのサービスや製品を求める人はいなくなります。
必然ですね。
しかし、医療はどうか?
と投げかけられています。
この医療の質について、根本となる問いを通して、我々は、医療者として、
どのような思想を持つべきなのか、どのような技術が必要か、どのような仕組みを作るか、どういった人が必要か、
どういった推進をしていくのか、という大枠の観点がポイントになりますね。
「品質、仕事の質、経営への品質、顧客志向、管理マネジメントの概念、PDCAサイクル、
事実による管理、人間の成長、全員参加の改善、問題解決など、
医療における質を正しく認識し、製品・サービス、顧客という概念を理解し、
さらに組織の質という概念」を理解できるなら、品質マネジメントは医療における
経営の有力なツールになり得ます。
3、品質マネジメントの系譜
1)TQC
かっこいいですね。
戦後、日本は、質を武器に工業製品の競争力をもって、世界の経済大国にのし上がった、品質立国日本。
その活動が、TQC。
TQCの強み・アイデンティティーは、質という概念の普及・啓蒙と、管理の大衆化。
品質を中核とした、全員参加による改善を重視する取組み、
そのポイントは、品質、全員参加、改善。
TQCは、戦後、良いものを安く作るための経営システムの構築に多大な貢献を知る方法論であり、
長期的利益の基盤の構築に直結するもの、でした。
2)TQM
そして、次は、TQM(トータルクオリティーマネジメント)ですね。
コントロールの「C」から、マネジメントの「M」への変化です。
目指すものは、企業目的の達成への貢献。
製品検査やクレーム処理といった狭い範囲にとどまらず、
組織を構成する人々の能力開発、向上までを視野に入れるもの。
その構成要素は、
「基本的な考え方、マネジメントシステム、手法、運用技術」
という4つ、とのことでした。
4、品質に関する基本的な考え方
この品質について、医療に置き換えて考えてみて、どのようなことになるのか、
ということが大事ですよね。
特に、その内容の部分をピックアップしていきたいと思います。
医療プロセスのアウトプットは何でしょうか?
患者そのものではなく、患者の「状態の変化」。
では、顧客は誰でしょうか?
患者であり、家族であり、広く考えれば社会全体とも言える。
では、その提供するサービスの品質はどのようなものでしょうか?
通常、顧客のニーズに応えるものが「製品」であり、「サービス」です。
前述の通り、医療においては、治療前後における「患者の状態の変化」がポイントです。
その「状態の変化」が、医療の受け取り手のニーズや期待を、どの程度、達成したかを考える。
治療前の患者の状態はどのようなものか、適切に認識し、処置、サービスを提供する、
千差万別のように見える人の心身の不具合の共通部分を見抜き、標準化し、
そこから生じる余剰の力で、共通しない部分の不具合も見抜き、適切な処置を施す。
奥が深いです。
5、品質中心型
品質を経営の中核に位置づけるのは、品質が根源的だからである、と書かれています。
医療は、典型的な商品と異なり、単純な経済原理、市場原理が働かないですが、
長期的に視点を広げてみれば状況は同様である、とのことです。
それは、
「品質が悪ければ、リピートもされない、やり直しも起きる、リスクも高まる」
ということですね。
その品質を維持する、達成するためにはマネジメントが必要です。
6、顧客満足
マーケットイン、という切り口で考えてみます。
近年、盛んに言われる、患者中心医療、患者本位、患者満足は、
いずれもマーケットインの考え方の表れと言えます。
患者の真のニーズを解釈し、その期待を満たすことこそが真のマーケットイン。
ただ、表面的に「患者様」というのはいかがなものでしょうか。
そうではなく、「患者様」とつけても恥ずかしくない「医療の質、安全体制」を構築するのは先である、
と書かれてあります。
ではその顧客とは誰でしょうか。(少し、前も似たような内容がありましたね)
直接的には患者ですし、患者が子供であれば親も顧客。
また、紹介してくれる病院も初診療所も広義の顧客と言えます(今は、広義でもなく、顧客でしょう)。
社員検診や会社の健診を受けるのであれば、会社も顧客となります。
顧客は誰か、ということを考えることは、
「提供する製品サービスの品質を考えるへの出発点」と言えます。
出発点、大事ですね。
出発点が決まるからこそ、その後の道も決まります。
7、後工程はお客様、内部顧客
後工程はお客様、という観点は極めて大事ですね。
自分の役割、受け持った仕事について不備があれば、しっかり原因を追求して、
自分が受け持っている工程の結果の質の向上を図る、という思考です。
様々な職種がある組織構造が通常モードの医療業界において、
各自がどのような役割を自分が出すべきなのか、後につなげるのか、という思考を持つことは、
患者中心のチーム医療を提供するため、良質で安全な診療という目的を達成するための
行動様式を流すことにつながります。
後工程のお客様である、内部顧客に対してどのように関わっていくのか、考えていきたいですね。
8、品質の見方、捉え方
これもいろいろ書かれています。
まずは、「設計品質」、「適合品質」ですね。
医療であれば、診療の方針、診療の計画の妥当性、適切性が「設計品質」であり、
その方法や計画通りに実施できたかどうか、ということが、「適合品質」と言えますね。
そもそも適切に設計できているのかというところが大事ですし、
その通りに実行できたかどうか、そのズレ、間違いがあったかどうか、という確認は重要です。
次に、「業務の質」、「当たり前品質」、「魅力品質」などありますね。
医療提供プロセスの質、診療行為といった、業務の質、
安全や医療ミスがないといった、当たり前品質、
アメニティー、懇切丁寧な説明、心温まる対応といった、魅力品質、
という切り口もありますね。
9、品質保証
品質を重視し、保証しなければ、売り上げそのものが伸びないし、不良があれば、補償のため費用も発生するなど、
製品・サービスの競争力が低下します。
そこで、品質をしっかりと保証していくということが大事ですね。
その品質保証の進展について、歴史を振り返ってみると、
検査重点主義から、工程管理重点主義、そして新製品開発重点主義と進歩を遂げてきたそうです。
というのも、検査を重点的に見ても、それだけでは品質は向上しません。
であれば、その工程において問題はないか、ということから工程に注目がいきます。
しかし、いくら不良率が低くても、売れなければ何もならない、ということで、
新製品を開発する品質を良くしようという観点に発展します。
品質は、「企画設計で作り込め」という言葉が出てきたようです。
品質についてはいろんな歴史がありますね。
次に、その品質を保証する体系です。
品質を保証するとは、「与える」ということ。
製品やサービスを生み出すこと、不具合があれば適切な措置をとること。
これらの手順を確立する体系。
では、医療では、どうでしょうか。
患者満足を確実なものとする、品質保証とは何か、ということですよね。
例えば、クリニカルパス、リスクマネジメント的なことがあります。
質の作り込み、適切な結果を生み出すための標準化と言えます。
品質に関わる全ての人の責任権限を明確にして、会社全体として品質を達成できる組織を作らなければならない。
経営陣のブレーンとして、
品質保証の起案、全社的な品質保証体制の充実、全社的調整、品質保証活動など、
品質保証を業務とする組織を設けている病院が例外的である現状は、
そろそろ考え直さなければならないであろう、とのことです。
患者に最適な状態変化をもたらす、価値を提供する、品質を維持する活動ができているか、
仕組みができているか、反省させられますね。
本日は、以上です(^_^)v