【1155】空洞化する介護保険(1)(月刊保団連2021.7より)

2021年7月13日

日々の学びや気づきを言語化し、行動を変え、未来を変える一助に。

9月に、医療経営士1級の試験があります。
受験するかどうか、7月中頃までの勉強の仕上がり具合で決めます!
しばらく、その学びをシェアしていきます。

今回は、雑誌「月刊保団連2021.7」

『空洞化する介護保険』という記事に目を奪われました。

記事を担当された方のお名前をタイトルにしていますが、
私の理解や思いも交じりながらの紹介です(ご容赦ください)。

今回は、2回に分けての前半です。

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【上野千鶴子氏】

・介護保険

「利用者中心で、高齢者の自立を支援するもの」
「家族介護の負担を軽減するもの」
を目的としたもの。

とはいえ、その介護保険が始まった当時、
「家族は家族で介護すべき」という政府のバイアスがかかっている中での出発点であった。
その後、実際に介護保険制度の運用が始まり、紆余曲折があって今に至っている。

・2003年の介護報酬改定。

紹介されていた特徴のうち、心に残っている内容は、
「施設系から在宅系への誘導」、
「軽度者の切り捨て」という言葉。

施設よりも在宅での介護保険利用へ誘導しようとしていることが
過去から続いて起きていることが実感できた。

・2011年介護保険法の第三次改定

ここで、「地域包括ケア」という概念が打ち出されてきた。
在宅診療を前提とした、医療、介護、生活支援・予防を一体的に運用することを目指す仕組みのこと。

・施設から地域、医療から介護へとシフト

要介護の軽度者を制度のターゲットから外し、
介護度3、4、5の3段階に分けた重度者に限定した介護保険サービスの運用に変えようとしている。
(軽度者は、生活支援事業や総合事業に移行して負担を軽減させる。)

今後、考えられる政策として、
「自己負担率を上げて利用を抑制」、
「ケアプランを有料化して、利用のハードルを上げる」などがある。

このように制度は残すが、運用を制約することで介護保険を「実質、使えない」状態になっていく。
これが空洞化につながる。

この政府のシナリオに、どこまで抵抗するか。

・地域の実態

「家族の解体」の歴史と、「地域の解体」の歴史。
その中で、地域にどこまで期待できるのか。
地域保活ケアシステムと聞くと、「聞こえは良い」が現実はそこまで機能するものでもない。

・介護保険20年の歴史で得たもの

現場の経験値の上昇と実践の進化。

例えば、富山型と呼ばれる介護の提供の仕方。
利用者のニーズに応えることでオリジナルの事業となり、
相続され、制度そのものに影響するほどになった。

また、とりわけ重要な役割を果たしてきたのか訪問看護。

現状は、制約と欠陥だらけの制度のもと、限られた装備やマンパワー現場の頑張りで補っている。
戦前の日本軍を思い出されるような体制である。

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以上、紹介でした。

医療が中心の場合、介護保険のことを知らないことが多いですが、
当然ですが、病院も関係する内容が多いです。

重症者は、病院。
可能なら、在宅。
軽症者は、クリニック。

など、役割分担、機能分化と言われます。

医療も介護も考え方は共通します。
自分で何とかできる人は自分で何とかしてください、というのが実情です。

もちろん、公助で対応し切れなくなっているから、
制度を維持するために自助の仕組みも必要、と言えます。
そのために、地域で地域住民を守っていこうということも言われますが、
きれいごとでは、どうにもならない実態があることを実感します。

明日は、さらに具体的な事例が紹介されていましたので、共有します。

では、また明日(^_^)v

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