【987】目的通りに向かうツールたるガバナンス
皆さん、こんにちは。中神勇輝です(^_^)
今回で、987日です☆
日々の学びや気づきを言語化し、行動を変え、未来を変える一助に。
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では、本日の内容です。
■本日の内容は、以下の本から
「医療経営士テキスト(上級:5)医療ガバナンス(3回め)」
です。(1日1読書959日め)
https://www.jmpshop.jp/products/list?category_id=124
試験用のテキストで通常の書籍と異なるため、ある程度、頭に入れていく必要があるので、
分割して読んでいきます(^_^)
1冊のボリュームにもよりますが、今回は、チャプター1~2章ごとにしますね。
では、読もうと思った目的、心に残った内容、感想などは、こちら(^-^)
■目標、狙い
医療経営士1級の合格。
■個人的!要約
理念、目的に見合った経営ができているか?
患者、職員と良い関係性を構築できているか?
法律、規則を適切に守っているか?
ガバナンスとは、これらのチェックであり、行きたい方向に向かうためのツールである。
■心に残った内容、感想など
前回まで、比較的抽象的な内容が多かったと思いますが、
今回は、実際にガバナンスの視点を取り入れた病院経営の実践ということで紹介されていました。
前回と前々回の内容は、こちらでです。
(前回) https://wakuwaku-kokoro.net/2021/01/medical-management-5-2/
(前々回) https://wakuwaku-kokoro.net/2021/01/medical-management-5-1/
シンガポールとフランス、日本の事例ですね。
1、シンガポールの大国立大学病院の事例
そもそもの話から入っていました。それは、
「どういったガバナンスを構築すれば良いかについて、
それぞれの環境、状況が異なるため、唯一の正解はない」
とのことです。
では、シンガポールはどんな国かというと、国民所得は高く、平均年齢も低い。
シンガポールの医療は、基本的に自由診療で、医療費は自己負担であるということは
日本と違う点です。
しかも、公立病院も、民間の会計システムを使い、生産性と効率を追求している、とのことです。
家庭医から病院へ、という流れはあるそうですが、その家庭医は自分で選べることができるそうです。
これだけ聞いても、各国で、医療の受け方は異なることを実感できます。
また、ステークホルダーとの医療情報の交換にITを活用しているということで、
ホームページから患者が診療時間を予約したり、
Eメールで問い合わせ、患者用、医師医療者用、求職者用、等の窓口も配置されて、
多様性に配慮した設計となっている、とのことです。
(今では、多くの医療機関が同様の形をとってきているように思います)
これは、患者自身が、患者情報にもアクセスしやすく、確認することができるということ、
地域にも情報を共有できるということです。
ただし、これらのことができるかどうかについて、「人間の質の問題がある」ということです。
そこにいるヒトが、倫理的基準に合致しなければ、誤った使い方をしてしまいますので、
こういった仕組みで運用することができないだろうなぁ、
という、まさにガバナンスの「倫理的」なところが問題とされるといったところが実感できる内容でした。
2、フランスの事例
マルセイユ国立大学病院です。
コミニュケーション部、というものが紹介されています。
下記の通り、色々な役割があるようですね。
・内部コミュニケーションの改善
・外部へのコミュニケーション強化
・受付案内制作の新たな立案
・病院文化の推進
・オーディオビジュアル部門の創設
ということです。
マーケティング部とも言えそうに思いますが、
コミュニケーション部という表現が、医療業界には合いやすい、かもしれませんね。
その中で、一言、気になる言葉、
「広告とは短期、コミュニケーションとは長期計画」。
長期的視点で、取り組んでいきたいですね。
3、美原記念病院の事例
・幹部会合による経営の点検
・各種委員会とマスタープラン委員会による組織運営
・理事会による審議、監督とは、評議委員会による監視、助言
組織として、仕組みとして、ガバナンスができる体制を作ることがメッセージにもなります。
また、情報公開のことも触れられていました。
・患者地域住民への積極的なディスクロージャー
・診療アウトカムをデータで示すこと。脳卒中の予防、院内感染発生率まで。
どこまで、知らせるのが良いか。
都合の良いことだけ知らせていないか。
知らせるからこそ、職員の意識が高まる、ということもあります。
見える化はガバナンスにとって、重要なことですね。
あと、それらを可能にすることとして、広報委員会の貢献も大きいようですね。
外部への発信も大事ですが、やはり、職員(内部顧客)へのディスクロージャーや、
経営指針の配布、問題点や課題の具体的な説明、情報の共有化の促進、
といった、取組みも重要です。
トップと現場、どうしても距離ができますから、そこを近づける一つが情報ですね。
4、S病院の事例
ガバナンスにおいて、大事なことは、
理念、経営目的の明示、共有、情報開示、と思いましたね。
1)理念、経営目的の明示
理念、基本方針を病院職員、及び病院を利用する患者や地域住民に明示し、
運営組織の方向性を示すいてガバナンス機能を確立する。
それらと連動した経営の目的と方向性の明確化、
その推進のためには中長期の事業計画の立案及び事業計画と予算の作成が必要。
2)理念、経営目的の共有
経営幹部による理事会役員会等の承認を得て、
経営会議、運営会議等として周知徹底する。
病院全体の朝礼や、各部門の朝礼、院内LANの活用、情報伝達ノートなど。
具体的な仕組みとして、各部門の横断的なつながりを持ち、
各種の委員会活動、プロジェクト活動を行う。
3)情報開示
継続的な取り組みとして自由闊達な議論ができる仕組みや職場環境の整備、
開示すべき情報、十分な説明を行う。
この3つは、できていそうで、不徹底の部分も多い内容だと思います。
50点はできているけど、80点には至っていない、もう少し良くしたい、といったような感じ。
また、リスク管理についても書かれていました。
病院では、医療法や薬事法、労働基準法、その他諸々な基準がありますので、
これらの法律に熟知することが求められますね。
その法律も改正されていきます。
改正を実務に反映させていくなど、的確に対応することでリスクに対応できることになりますね。
そして、診療報酬は、営業収益との関係性も強く、点数表に基づいた請求を行っていますので、
これもしっかり守って行っていかなければいけません。
その仕組みとして、保険診療委員会などで確認していくことも考えられます。
最後です。
病院内部統制として、
各部門でそれぞれの診療実績、職員数、入・退職数、ヒヤリハット禁止ケースなども
チェックしていく、などもありますね。
委員会活動による職員の意識の向上もあります。
情報管理体制の確立として、IT化も進めていかなければなりません。
その中で、患者のプライバシーを守るなど、個人情報保護の観点に加えて、
様々な統計資料、データ、インディケーターを、適切に作成し、運用することで、
病院の社会的認知、ガバナンス機能を高める機会につながりますね。
理念、目的に見合った経営ができているか?
患者、職員と良い関係性を構築できているか?
法律、規則を適切に守っているか?
ガバナンスとは、これらのチェックであり、行きたい方向に向かうためのツールとも言えますね。
以上です(^_^)v