【理論と実践】身体的拘束を防げ!というメッセージ(令和6年度診療報酬改定)

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令和6年2月10日 病院経営の理論と実践 2099号

■身体的拘束を防げ!というメッセージ(令和6年度診療報酬改定)

中神勇輝(なかがみゆうき)
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おはようございます。中神です。

【はじめに】

1月26日に、診療報酬改定の短冊(個別改定項目)の発表がありました。

・急性期の厳格化と高齢者救急医療の受け入れ態勢の整備
・基本診療に対する賃上げ分の上乗せ
・負担軽減や連携を促進する取り組み・DX化の評価
・感染対策の労力を補填する加算
・生活や食事を支え、改善するための多職種の協働、地域との連携

を推進するために、新規点数の設定、既存点数の是正が加わったと感じます。

これらを踏まえて、個別改定項目を見ていく必要があります。

【本日の項目】

身体的拘束に対する内容が盛りだくさんですね。

■基本的な考え方・具体的な内容

・入院基本料について

通則7「入院診療計画、院内感染防止対策、医療安全管理体制、
褥瘡対策、栄養管理体制、意思決定支援及び身体的拘束最小化」

・看護補助体制充実加算について

看護補助体制充実加算について、身体的拘束の実施に着目した評価に見直す。

一例)身体的拘束を実施した日は、看護補助体制充実加算2の例により算定する。

・認知症ケア加算について

認知症患者に対する身体的拘束の最小化の取組を推進する観点から、
認知症ケア加算について評価を見直す。

・訪問看護について

指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準の一部を改正し、
指定訪問看護の具体的取扱方針に、身体的拘束等の原則禁止や
緊急やむを得ない場合に身体的拘束等を行う場合における記録の義務を追加する。

【所感】

・入院基本料について

通則7という基本原則の部分に、「身体的拘束最小化」といった内容が追加されました。

「通則」への記載ということや、
身体的拘束最小化に関する基準を満たすことができない保険医療機関は「減算」という扱いなど、
相当重視されていることが分かります。

その基準には、チームを作ることや、研修の実施などが求められますね。
チームについては、認知症ケアチームが身体的拘束最小化チームを兼ねることは差し支えない、
と書かれているので、認知症ケア加算1と併せて検討したい項目ですね。

・看護補助体制充実加算について

身体的拘束を実施した日は、減算されそうです。

ここで思い浮かんだのは、地域包括ケア病棟の「看護補助配置加算」という点数です。
こちらは、上記の「看護補助体制充実加算」と併算定できませんが、
減算されて点数が下がるぐらいなら「看護補助配置加算」を算定する、
という話も出てくるかもしれませんね。

・認知症ケア加算について

認知症ケア加算を算定した場合はせん妄ハイリスク患者ケア加算の算定は不可とする、
とあります。
認知症ケア加算の基本点数に上記の点数分を上乗せしつつ、
身体的拘束をした場合の点数は大きく下がりそうですね。

・訪問看護について

身体的拘束等を行う場合における記録の義務を追加する、とあります。
色々と手間が増えるかもしれませんが、身体的拘束に本気度を感じる内容ばかりですね。

以上です。では、また明日(^-^)v

(当該内容は、私の所属する組織とは一切関係はなく、全ての文責は私個人に属します。)

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この記事を書いたのは、こんな人。
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中神勇輝。地方の中小病院に勤務する医事課畑出身の企画部門所属。
2023年、医療経営士1級に合格!
2023年、中小企業診断士の1次試験の2次試験は突破、次は登録。
趣味は、ドラムと家庭菜園と筋トレ(HIIT最高!)と読書。