【977】トップと、ファシリテーターと、場の設定(書籍:医療経営士テキスト(上級)バランスト・スコアカード(2)」所感)
皆さん、こんにちは。中神勇輝です(^_^)
今回で、977目です☆
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では、本日の内容です。
■本日の内容は、以下の本から
「医療経営士テキスト(上級:2)バランスト・スコアカード(2回め)」
です。(1日1読書949日め)
https://www.jmpshop.jp/products/detail/616
試験用のテキストで通常の書籍と異なるため、ある程度、頭に入れていく必要があるので、
分割して読んでいきます(^_^)
1冊のボリュームにもよりますが、今回は、チャプター2~3章ごとにしますね。
では、読もうと思った目的、心に残った内容、感想などは、こちら(^-^)
■目標、狙い
医療経営士1級の受験に向けて。
■個人的!要約
「ミッション、ビジョンを実現するための全員参加型」のツールになるかどうかは、
トップの声、支えるファシリテーターの存在、意見を言い合える場の設定が必要。
■心に残った内容、感想など
今回から、2回にわたって、バランスト・スコアカードの導入、運用事例について書かれていた内容で、
心に残った内容を紹介して参ります。
テキスト自体は、10年ほど前のものなので、さらに進化されているのではないか、と思います。
どちらにしても、詳しい内容は、ぜひテキストをお手にとって下さいませ。
(テキストの内容と、私の感じたことが混ざっていることはご容赦ください)
まず、一つ目の事例ですね。
1、済生会小樽病院
1)一つ一つ改善
「戦略性のある経営」の必要性、「SWOT分析」の結果をもとに
「財務、顧客、内部プロセス、学習と成長」の4つの視点で管理していく、
ということで取り入れられたようですね。
しかし、導入しようとしても、
職員にうまく浸透するのか、挫折してしまうのではないか、
というネガティブな可能性もある中で、取り組もう!と、判断を下したことで、
一歩一歩、改善してこられたのだなぁ、というのが、読後の感想です。
何でもかんでも、最初からうまくいったのではなく、
一つ一つハードルを越えていく感じですね。
まさに、PDCAを、上向きに回していく、ということだと思います。
2)数値化と共有化
その中で、戦略に対する業績の数値化をし、そして、共有化する大事さ、
が書かれていました。
これは、大事ですよね。
数値化されてはじめて、気付くことあります。
ある程度、言語化されないと、他人には認識されません。
これまで気づくことができなかった成果や課題が発見されて改善につながっていった、
とのことです。
3)成長への気付き
改善につながったから、それで良かった、と手放しで喜べない状況であった、
と書かれていたことが印象的な内容がありました。
それは、コアメンバーの負担は大きかったということ、
部門によって行動の差が大きいということ、ですね。
行動を牽引するコアメンバーに負担が集中しますし、
マネジメントスキルの差がそのまま、部門の行動量に出ます。
そこから見えてくるのは、新リーダー育成の必要性ということですね。
実践してみればこそ分かる課題。
4)成長するPDCA
その課題については、コアメンバー、中間管理職を対象に、
スキルの向上を目的とした教育プログラムをスタートさせた、とのことです。
行動、そして、その成果を達成させる、そんなプロセスを体験できる、
新リーダー育成のプログラム。
「学習と成長」の視点との因果関係にもつながっていきますね。
戦略の責任が明確化されていった、という点が、非常に心に残りました。
戦略を立てることも大事ですが、誰の責任で行っていくのか、という点が曖昧であったり、
決めていなかったりすると、たいてい、物事は進みません。
責任者を決めて、行動を促して、力を身に付け、成果を重ねていったのだなぁ、と思いました。
ちなみに、責任者だけ決めても、
推進できるだけのリソース(物理的な時間や人材)がなければ、
同じく進みませんので、やると決めたら資源を投入することも忘れてはいけませんね。
根性論で、どうにかなる世界ではありません。
その他の取組みとして、SWOT分析をして、地域に応える病院になるために、
リハビリテーション病棟を開設したこということも書かれてありました。
同じ一年を過ごすにしても、PDCAをしっかり回し、
変化変容し、成長のスパイラルの階段を上がる仕組み、それを活用できる組織力が大事ですね。
2、相模原協同病院
1)成功のポイント
まず、書かれていたことは、次の通りです。
・BSCが戦略の中心的なツールが出るとトップが明言すること
・全員参加で意見を出し合い、戦略マップとスコアカードを作成すること
・全体の戦略マップとスコアカードをすべての部署に落とし込むこと
・定期的に目標と実績をデータで検証し、状況を見て修正すること
仕組みもそうですが、どれだけ本気でやるか、巻き込めるか、という実行が重要、と思います。
2)全員参加型の経営
全員参加型の経営をする、というのは、理想の姿ですね。
そのツールとしてBSCを使われた、といった印象です。
前の記事にも紹介したと思いますが、
一部の幹部だけしか知らない、現場で働く職員の意識の中に浸透していない状態の場合、
なかなか思い通りには進みません。
その理由としては、
そもそもビジョンや戦略が無い
当然、各部署の行動計画がない(もしくはバラバラ)
明確な目標が示されてない
といったことがありますよね。
この状態を、どのように打開していくか。
時間軸で紹介されていて、非常に興味深いです。
3)1年間のスケジュールと、全員参加の場
まず、スプリングレビューを、4月に行う。
毎年、所属長などのマネジメント層で、45名が集まり、状況を発表する機会を開催し、
質疑応答を設けて、意見を出し合う。
ここでのメリットは、横断的なコミュニケーションが取られるようになったこと、とのことです。
大事ですね。
その他には、全体協議するオータムレビューも行われるようになり、全員参加型のマネジメントツールとして
定着していった、ということです。
「全員参加型」、これはキーワードですね。
11月には、幹部職員で、戦略策定会議。
まず、議長である院長からビジョンと戦略を明示して、全員参加型のワークショップで、
戦略の重要成功要因、業績評価指標、目標を作成します。
翌年1月に各診療科部長が作成した行動計画について、
院長がヒアリングし、スプリングレビューにつなげていく。
まさに、PDCAサイクルですよね。
BSCのプロセスを繰り返すことで、
病院のビジョンや戦略が職員それぞれに落とし込まれていくこと、
現場の活動や成果が可視化すること、
これらが、組織風土を変えるための、唯一、かつ最も重要なサクセスファクター、とまで書かれています。
そして、今回の事例でも、気になったのは、
トップに対する事務局のサポートが不可欠である、ということですね。
■ベイビーステップ
企画部門は、ファシリテーターという役割を自覚し、行動に移せる仕組みを作る。
前回の内容は、以下まで。
https://wakuwaku-kokoro.net/2021/01/medical-management-2-1/
以上です(^_^)v