【993】リスクと向き合い、付き合うマネジメント
今回で、993日です☆
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では、本日の内容です。
■本日の内容は、以下の本から
「医療経営士テキスト(上級:8)医療事故とクライシスマネジメント(2回め)」
です。(1日1読書964日め)
https://www.jmpshop.jp/products/list?category_id=124
試験用のテキストで通常の書籍と異なるため、ある程度、頭に入れていく必要があるので、
分割して読んでいきます(^_^)
1冊のボリュームにもよりますが、今回は、チャプター1~2章ごとにしますね。
では、読もうと思った目的、心に残った内容、感想などは、こちら(^-^)
■目標、狙い
医療経営士1級の合格。
■個人的!要約
医療者は安全な医療を提供したい、患者は安全な医療を受けたい。
そのために、リスクと向き合い、適切に付き合うことができる組織体制、
行動を起こしていく。それが、リスクマネジメント。
■心に残った内容、感想など
前回に続き、「医療事故とクライシスマネジメント」です。
前回のまとめは、以下からどうぞ(^-^)
https://wakuwaku-kokoro.net/2021/01/medical-management-8-1/
1、病院のリスクマネジメントについて
安全は、患者にとっても、病院職員にとっても強い願い。
これに、異論を唱える人がいないですよね。
その安全文化の醸成に向けて取り組むことは、ある意味、必然ともいえます。
しかし、そこまで、意識がいかないのは、自分だけはそうならない、
という根拠なき自信があるからのように思います。だからこそ、このような機会に学ぶことが大切ですね。
医療事故には、アクシデントとインシデントが含まれます。
その中の、アクシデントは、「過失のある事故か、過失のない事故」に分類されます。
医療事故を考える際に、大事なのは、
誰が事故を起こしたか、ではなく、
何が事故の原因か、という視点に立ち、チームとして取り組むことが必要です。
また、事故発生時、3つの原則について紹介されていました。
「隠さない、ごまかさない、逃げない」
何かやらかした時、そもそも認めたくないですし、事実をありのまま言うのも気が引けますし、逃げたくなります。
普段の仕事でも言えますし、どこでも言えますね。留意しなければいけないですね。
2、医療安全を推進する体制
体制として、
医療事故防止対策委員会、リスクマネージャー会議(診療、看護、中央、管理部門のリスクマネージャー)、
医療安全推進室を設置し、意見交換、周知を図っていく、
といったことがあります。
することの例としては、
安全情報の周知、アクシデントやインシデント事例の評価、報告、各部署の取り組みなど。
体制づくりを進める5つのキーワードが紹介されていました。
1つ目に、事故報告と情報の共有。
報告するからこそ、組織として対応することになります。
2つ目に、インフォームド・コンセント。
医療機関側からの提案を、患者が選択できる医療環境を作ります。
3つ目に、チーム医療と連携。
気軽に話や相談ができる医療環境を整備します。
4つ目に、診療録。
正確、かつ十分な記載が、医療事故の原因究明や、関係者の救済や保護につながります。
5つ目に、教育、研修。
新しい医療安全の知識や技術を習得していきます。
情報を共有すること、伝えること、学ぶこと、コミュニケーションをとること、記録を残しておくこと、
情報をいかに組織として共有しておくか、ということでしょうね。
医療事故の発生時、必要な外部機関への報告する体制、
また、医療事故ではありませんが、暴力や暴言、セクハラなどの医療従事者に対するリスクについて、
いかなる社会でも許容されるものではありません。
許容しない、という強い姿勢を内外に示すべきです、と結ばれていました。
3、医療安全の課題と対策
医療安全推進のコストはどれだけかけても事故をゼロにすることはできませんが、
だからといってコストかけない、ということはあり得ません。
医療事故を共有することは、安全意識の重要性の気づきにもなり、事故防止にも役立ちます。
その中で、安全マニュアルの改正について書かれてあり、
印象的な言葉がありました。
それは、人の確認作業に対策の重点が置かれるようになり、現実との乖離が起きる可能性があるので、
要注意、という内容です。
徹底しようとすればするほどに、現場での運営に障りが出ることもまたありますよね。
また、教育という点においては、講義への参加は、負担です。
e-learningを使い負担軽減を考える必要もあります。
医療事故に対する取り組みは、一言でいうと、原因究明と対策を講じること。必要ですね。
院内での対応に加えて、公的機関への報告が進まなければ、
医療の透明性は十分に担保されているとは言えない、と書かれていました。
4、医療リスクマネジメントの標準化とは何か
システムとしてのリスクマネジメントについては、ISO31000のプロセスが紹介されていますね。
・組織の状況の確定
・リスクアセスメント
・リスク対応
・監視及びレビュー
これらが循環する仕組みとのことです。
リスクとは、「目的に対する不確かさの影響である」ということや、
リスクアセスメントとは、「どうすれば組織の目標が達成できるかの意思決定を支援する」と書かれてあり、
まず、目的を明確にすることが大事、と思います。
5、リスクマネジメントの基盤と環境整備
一体どんなものでしょうか。
・マネジメントと組織目的の明示
・マネジメント方針の策定と周
・実施体制の整備
・責任ある役割と権限の明確化
・必要な資源の配分
・実効性の確保
とあります。
個人的ポイントは、方針、実施体制、資源配分、ですね。
方針を示し、それらが共有される仕組みが大事です。
では、そのように進めるためのプロセスはどのようなものでしょうか。
組織状況の確定
組織の目的達成に影響を与える変化の把握や、リスクマネジメントの現状確認を行う。
確認するといっても、リスクの重大性を評価する組織的な基準がないと評価しようがありませんから、
そもそもの部分が確認が必要だと思います。
リスクアセスメント
これには、「リスクの特定、分析、評価プロセス」があります。
・リスクの発見及び記述するプロセス、
・特定したリスクの影響と分析
・リスク分析で示されたリスクの重要性を組織のリスク基準と比較して意思決定を支援する
上記ですね。
リスク対応
リスクを避けるか、あえてリスクを取るか、何もしないか、などを考えることですね。
監及びレビュー
定期的、または臨時にリスクマネジメント割のパフォーマンスを点検し、検証するプロセスですね。
最高経営者が関与することで実効性が担保されます。
コミュニケーション及びステークホルダーに対して、
継続的に情報の提供を繰り返して行う双方向のプロセス、とあります。
トップのコミット、そして双方向のコミュニケーション、大事ですね。
6、医療リスクマネジメント
組織的な目的は何か。最善の医療とは何か。
ここがはっきりしていなければ、リスク基準の設定と資源配分をどうするかを決められません。
基準の一例としては、
・ガイドライン等で要求されるレベル
・プロフェッショナルとして想定する水準
・人や技能検定および力量
・マネジメントプロセスや方法
・文書化されたもの
などがありますが、情報提供や教育を行うことによって、実効性が確保されます。
サービス業と共通することですが、医療は生産と消費が同時にあります。
・法令などの規制の存在
・医療の不確実性と結果の不確か、という点
・人員の流動性が高く、施設設備の劣化による組織能力の変化が速い、という点
・専門職種の個人がの医療行為と、組織の意思決定が交錯する点
・緊急対応の常態化
といった特徴があるといわれています。
これらの特徴も踏まえ、自らの組織に課せられた目的を目指す、
どのようなリスクを避け、逆にとっていくのか、非常に難しいかじ取り、と思います。
リスクの捉え方は、以下の通り。
・リスクの回避
・リスクを取る、または増加させる
・リスクの除去
・リスクの起こりやすさを変える
・リスクの結果を変える
・リスクの共有、分散
・リスクの保有
など、書かれていました。
目的に応じた、リスクとの付き合い方を考えていきたいですね。
では、また明日(^-^)