【1095】医療機関におけるクラウドファンディングの可能性(月刊医療経営士2021.5)
日々の学びや気づきを言語化し、行動を変え、未来を変える一助に。
今日は、
「クラウドファンディング」について、雑誌「月刊医療経営士」から紹介します。
世間ではよく聞く言葉ですが、病院ではあまり耳慣れない言葉です。
雑誌を見て多少身近に感じられたので、面白かったです。
個人的にポイントと感じたことは3点です。
・医療機関が行なうにあたって大事なことは「地域にとって意義が感じられるかどうか」
・何はともあれ、「やりたいことがあるなら社会に投げかけてみよう」
・「資金調達」の新しい形
ですね。では、一部ですが、中身を紹介します。
【クラウドファンディングとは】
クラウドファンディングの、そもそもの語源は、
「群衆」という意味のクラウドと、「資金調達」という意味のファンディング
という言葉を組み合わせた造語、とのこと。
語源を知るだけでも面白いです。
普通の寄付と違う点は、
「公開の期間を定めること」、「目標金額を設定すること」ということ。
また、「購入型」と「寄付金控除型」があると書かれていました。
私たちになじみがあるのは、購入型でしょうか。
以前、テレビでどこかの動物園が廃園寸前で、クラウドファンディングの募集が
あったので、参加した記憶があります。
そして、「クラウドファンディングと言えば、返礼品」という印象です。
トートバックやTシャツなどの返礼品を用意するというイメージがありますが、
医療機関の場合、お礼のメールや活動報告書、
支援者としてホームページに名前を掲載する、などをリターンとして
設定するケースもあるそうですね。
それならできそうだ、と思います。
【目標金額と応募額】
目標金額に対して、応募された額をどのように扱うか、
ということでも2つに分かれる、とのことです。
それが、「All or Nothing型」、「All in型」です。
「All or Nothing型」は、目標金額に達した場合のみ資金を得ることができる。
「All in型」は、目標金額に達しなくても支援金を受けることができるが、
資金調達前からプロジェクトの実行を確約する必要がある。
前者は、一切受け取ることができない、というリスクもありますが、
後者は、一部でも受け取ることができるが、全然集まらなかった場合でも、
不足額については募集をかけた側が負担し、プロジェクトを実行しなければいけない、
というリスクもあるみたいですね。
【クラウドファンディングの大枠の流れと意義】
大きな流れは、プロジェクトページの作成、広報戦略の立案や実行。
そして、「プロジェクトとして何をしたいのか」ということが最も大事ですね。
医療機関であれば、ドクターカーの購入、病棟改修、慰労金、啓発目的などが
対象として考えられますが、
「地域のために、職員のために、やりたいことがあっても資金がない」
という理由で、諦めてしまっているケースがあります。
しかし、地域医療を守るために必要で、やりたいことがあれば、
それを叶えるための手段としてクラウドファンディングが考えられる、
ということですね。
しかし、ハードルが高いことも事実です。
一つに、失敗したらどうしよう、という気持ち。
二つに、忙しくて手が足りない、ということ。
ただし、失敗することもあるかもしれないが、社会に問い掛けた事実は残るし、
その取り組みが見られている、その志を受け取って新しい活動が起きるかもしれないので、
「失敗」=「意味がない」ということにはならない。
とあり、「まずはやってみる」ということが大事ですね。
【資金調達の新しい可能性】
資金調達の可能性について書かれていました。
医療法人は、株式発行による資金調達ができないため、借り入れに頼らざるを得ない。
しかし、多くの人に共感してもらえるようなプロジェクトがあれば、
そういったことを言語化し、プロジェクトにすることで、
医療機関の経営に変化を与える可能性もある。
とあります。また、
大事なのは支援者の思いを如何に職員のモチベーションアップにつなげていくか。
病院が多くの人に支えられていることを主人が感じ取れるように工夫できるか。
とあり、地域に貢献できているかどうか、クラウドファンディングを通して確認し、
考える機会になるかもしれないと思うと、
「病院には関係ないさ」と投げ捨てるのは早計である、と思いました。
病院経営の一つの新しい形ですね。
余談ですが、この雑誌内で、私が書いた記事を見開き1ページで掲載いただきました。
経営相談110、というページです。「病院事務の智恵袋」という
Facebookのコミュニティーがきっかけで寄稿の機会となりました。
経営企画が組織の追い風となる、経営の見える化の大切さについて書きました。
ご縁がありましたら是非(^_^)
では、また明日(^_^)v
余談ですが、
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