【986】倫理的、法的、経営的に、適切に(書籍:医療経営士テキスト(上級5)医療ガバナンス(2)所感)
皆さん、こんにちは。中神勇輝です(^_^)
今回で、986日です☆
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では、本日の内容です。
■本日の内容は、以下の本から
「医療経営士テキスト(上級:5)医療ガバナンス(2回め)」
です。(1日1読書958日め)
https://www.jmpshop.jp/products/list?category_id=124
試験用のテキストで通常の書籍と異なるため、ある程度、頭に入れていく必要があるので、
分割して読んでいきます(^_^)
1冊のボリュームにもよりますが、今回は、チャプター1~2章ごとにしますね。
では、読もうと思った目的、心に残った内容、感想などは、こちら(^-^)
■目標、狙い
医療経営士1級の合格。
■個人的!要約
患者、職員、その他ステークホルダーに対し、倫理的、法的、経営的に適切な組織、運用を行い、
それらが監督される、またはオープンにできる仕組み化がポイントである。
■心に残った内容、感想など
前回に続き、ガバナンスについて、です(^_^)
全体の章構成は下記の通りで、今回は第3章「欧米の医療機関におけるガバナンス」からですね。
1)ガバナンスとは何か
2)コーポレートガバナンス
3)欧米の医療機関におけるガバナンス
4)ホスピタルガバナンスの理論
5)ガバナンスを取り入れた病院経営の実践
前回までは、そもそもガバナンスとは何か、ということで、
コーポレート・ガバナンスについて学びました。前回の内容をこちらからご参照ください。
https://wakuwaku-kokoro.net/2021/01/medical-management-5-1/
1、アメリカの事例
欧米において、医療機関におけるガバナンスには、どのようなものがあるか、という事例紹介ですよね。
まずはアメリカから紹介されています。
そもそも、なぜ医療機関においてガバナンスが注目されるようになったのか、という理由ですね。
それは、1991年に起きたアメリカのマサチューセッツ州の地域病院での理事会リコール事件、とのことです。
理事会メンバーの報酬額の高さや慈善基金の不審な使用で、メンバーに大きな変更が行われた、そうです。
2、フランスの事例
また、フランスは、日本に先んじて、高齢化、医療技術の発達などで、
医療費が年々増大し、、また、公的病院の多くは赤字であった、ということです。
そこで、医療費の適正化について、
「一生懸命やっている病院にはそれなりの予算を与えましょう」、
「そうでない病院は予算を削りましょう」、ということを、ルール化したことにより、
マネジメント思考へ移っていったそうです。
蒔いたタネに応じた結果を与える制度は大事ですね。
また、運営委員会が設置され、医療と経営のバランスを取るために、医師と専門経営者の
半々にしているそうで、やはり、バランスは大事です。
3、イギリスの事例
ブリストル王立小児病院事件。
心臓外科手術を受けた患者の死亡が数多くあり、内部告発によって、明るみに出たようです。
ご存じでしょうか。私は、知りませんでした。
興味関心の幅を広げることで、入るも情報も変わりますね。
その他、企業の不祥事が続く中、
「公開性、誠実性、責任説明の説明責任の原則」に基づいたキャドベリーレポートが作られた、
とのことです。
専門的なサービスの質のモニター、チェック、関係者への説明責任について、
体系的な過程として考えられていったようです。
海外といっても、国によって歴史的背景や医療システムの設立計画が異なりますが、
共通しているのは、ガバナンスという視点を通して、医療システムを良くしていこう、
という方向性は一緒、ですね。
では、日本ではどのような体制が考えられるでしょうか。
では、次から、第4章です。
4、ホスピタルガバナンスの理論
組織設計、ということで紹介されています。
それは、2つ書いてあり、理事会と、ガバナンス推進委員会ですね。
理事会は、医師との協力、合意、長期にわたる戦略計画、医療の質、患者の安全、
職員の採用、保持を高めていく役割がある。
それと同時に病院がコストや医療の質に関して透明性を持つよう推進していく組織、ですね。
また、ガバナンス推進委員会は、病院におけるガバナンスが有効に機能しているかを点検する組織です。
ということで、この2つの組織の目的は、まとめてしまうと、
「長期的な戦略を立てる、患者、そして職員、経営の質、その透明性を保ち、
それらが有効に機能するように取り組んでいくこと」でしょうね。
今後、コンプライアンス経営や、ディスクロージャー(情報公開)といった一般企業に求められるような機会が
ますます増えていくでしょう。
実際、情報開示をすることで、双方向性の情報のやりとりの第一歩にもなりますし、
お互いに知りたい情報を得ることができる環境の実現にも近づくのではないでしょうか。
5、病院を取り巻くステークホルダーとステークホルダー・ダイアログ
患者、職員、市民、行政、地域社会、業界団体、人材・物品・サービス供給者など、
いろいろなステークホルダーがいますよね。
その中で、システムやデータベースを通して、
より情報を有効に活用するためのIT活用が求められていくのではないでしょうか。
むしろ、今は、必須でしょうね。
ITを制するものが、情報を制し、周りと良い関係性を作っていけます。
今後、オープンな経営というのが1つのキーワードになります。
多様な地域住民とのコミュニケーションを取り、地域のニーズは何かを尋ねる機会を持つなど、
開かれたオープンな病院経営を施行する仕組み作りが求められますね。
病院とコミュニティーの組織間学習として、
その地域のコミュニティーと病院の関わりに関する研究もアメリカでは行われていたようです。
病院は、地域の中にあります。その地域に入って、関係性を作っていくことが大事ですね。
6、ホスピタルガバナンスにおけるITの活用
先述の通り、ITは、とても大事です。
その1つめは、医療情報データサービスですね。
診療システム、事務管理システム、経営管理システムなどがあります。
また、医療情報の流通として、病院と社会の相互進化を目指すべく
多様なステークホルダーを意識した医療情報データベースを整備していく必要もあり、取り組みが行われています。
進んでいる地域は、本当に進んでいますよね。
病診連携や病病連携など、これらを成功させるためには医療情報の共有が必要であり、
地域や国内全体としての取り組みも検討されなければいけないですね。
その際、「共有制、即時性、相互比較性」といった3つの観点で整理していく必要がある、とのことです。
ITを使う目的は何か、
整理して全体から部分に至るような再構築を段階的に実施することが
IT活用の具体的な動きになるのではないか、ということで、トータルマネジメント、大事です。
では次が最後です。ホスピタル・ガバナンス推進のための自己点検マニュアル、です。
7、ホスピタルガバナンス推進のための自己点検マニュアル
ガバナンス委員会を設置することは、実務上困難が生じることもある、ということで、
マニュアルを作っていくのも一つです。
社会にふさわしいサービスを提供できるか、ステークホルダーを重視する病院運営を行っているか、
しっかり見ていくことがマニュアルの目的と言えますね。
自己点検の方法として、
特に問題になりやすいことについては、毎月、指標や状況を確認することがあると思いますが、
「ガバナンス」という観点で確認できているか、これが、なかなか難しい、とのことです。
その確認のための、8つの観点について触れられていました。
詳細は割愛しますが、単語だけ、紹介します!
1)経営理念
内容はどうか、浸透しているか。
2)組織
医療の質とリスクマネジメント、効率性・経済性の追求のバランス、情報がオープンになっているか。
3)管理
4)情報開示と説明責任
5)人材育成
6)情報システム
例えば、医療情報システムのロードマップがあるか。
あれもこれもできない中で、状況を整理し、計画を立ててやっていきたいですよね。
7)コミュニケーション
患者、職員とのコミュニケーション、ステークホルダーとの対話などですね。
8)モニタリング
リスクマネジメントに必要不可欠なチェックができるかどうか。
8つの観点で、多面的、かつ定期的にチェックことでPDCAが回され、
ガバナンスが働きますね。
今回は、以上です。また、明日をお楽しみに(^_^)v