【989】標準化が基礎となり、独創性につながる
皆さん、こんにちは。中神勇輝です(^_^)
今回で、989日です☆
日々の学びや気づきを言語化し、行動を変え、未来を変える一助に。
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では、本日の内容です。
■本日の内容は、以下の本から
「医療経営士テキスト(上級:6)医療品質経営(2回め)」
です。(1日1読書961日め)
https://www.jmpshop.jp/products/list?category_id=124
試験用のテキストで通常の書籍と異なるため、ある程度、頭に入れていく必要があるので、
分割して読んでいきます(^_^)
1冊のボリュームにもよりますが、今回は、チャプター1~2章ごとにしますね。
では、読もうと思った目的、心に残った内容、感想などは、こちら(^-^)
■目標、狙い
医療経営士1級の合格。
■個人的!要約
品質経営の目的は顧客のため。
その顧客に、質の高いサービスを継続的に提供するための標準化である。
その標準化が基盤となり、思考に余裕ができ、独創性につながる。
■心に残った内容、感想など
医療品質経営(患者中心医療)のテキストの2回目です。
前回の内容はこちらから(^-^)
https://wakuwaku-kokoro.net/2021/01/medical-management-6-1/
今回は、同テキストの第4章からです。
1、マネジメントに関する基本的な考え方
興味深い内容です。
まず、その1つ目は、管理、マネジメント、ということです。
管理とは何でしょうか。
統制されている、監視されている、そんなイメージを持つのではないでしょうか。
しかし、それは、正しくありません。
管理の意味のうち最も重要なことは、「目的達成」と書かれています。深く共感します。
目的なき管理、ただのツールとして考えてしまうことが多いと思いますが、
あくまで、目的を達成するために必要なこと、継続的に取り組むために必要なことと言えますね。
では、その管理対象は何でしょうか。
そこで大事な視点が、重点思考とのことです。
取り組むべき課題はいつでも多いですが、重要なものは少ししかない、というパレートの法則ですね。
よって、重要なものから取り組むべきです。
あれもこれも、では、戦略とは言えません。
ミッション、ビジョンから、「あれかこれか」と選んでこその戦略です。
2、PDCAサイクル
知らない人はいないのではないか、という言葉です。
1)P(計画)
プランですね。
することは、大きく2つあります。それは、
・目的、目標を明確にすること
・目的達成の具体的な手段を決めること
です。目的も大事ですが、具体的な方策が決められているかどうかが、大事ですね。
2)D(実行)
設備機器、作業環境整備、実施者の能力の確保等の準備や整備を行うこと。
3)C(チェック)
目標の達成状況の確認とともに、
予想していなかった望ましくないことが起きていないかどうかを確認すること。
4)A(処置、改善)
ここに、品質マネジメントの特徴が現れる、とのことです。
目標とのズレがあったら、何らかの処置を取らなければいけません。
品質マネジメントでは、何か問題が起きた時、深い処置を取ることを勧められています。
現象から原因を探る。
それも根本原因をさかのぼることが必要で、再発防止への強い思いが大事、とのことです。
3、事実に基づく管理と、工程改善
マネジメントの原則の一つとして、事実に基づく管理、とあります。
よく言われるKKD(経験と勘と度胸)とは、異なる管理です。
経験と勘から来る察知能力は大事です。まずは、気付くところから、です。
ただ、これだけだと、仮説で終わってしまいます。
そこから、そのように思ったことが、正しいのか、異なるのか、をチェックしていく必要があります。
それが、事実に基づく管理、ですね。
次に、プロセス管理ですね。
一般に、良い結果を得るためには、その結果を生み出すプロセスに着目するのが有効である、
と言われています。
これはどういうことかと言うと、
「検査による」品質改善は、ミスが発生したときに、チェックしろ、チェックを強化しろ、
にとどまってしまいます。
「工程による」プロセスは、
そもそも、そのミスの原因は何かを明らかにして、そのプロセスを改善しましょう、
ということですから、ミスが起きる要因そのものを無くす訳ですから、ミスを減少させるには有効ですよね。
要因をしっかりと確認して、その工程を正しくする。
「質」を作り込む際には、
不良やリスクを生じさせる要因が分かれば、適切に行える工程を創り出せば良い。
それが、医療におけるパスですね。
パスを正しく作って適用すれば、良い結果を得られる、ということで、標準化が重要、ということにつながります。
4、品質マネジメントと、人を責めない、ということ
処置というのは、緊急対応も一つですが、肝は、「再発防止」という点ですね。
原因を分析し、調査し、取り除き、二度と同じような原因で問題が起きないようにする、ということです。
目的があって、その目的に至らないとなれば、その問題には原因があるはずですから、
その原因をしっかりと見定め、修正していくことで、目的達成までの腕前が上がるということです。
つまりは、マネジメントのレベルが上がる、ということ。
では、医療における「処置」とは何でしょうか。
例えば、アンプルについて、本当に2分の1の使用量が適切なのに、
1本分、入れてしまった場合、これはミスですね。
では、なぜそんなミスが起きたのか、という点で、
誤った原因を分析して再発防止策をすれば良い訳です。
ここで大事なのは、原因分析と称して、誤りを起こした人を責めている例を見るが言語道断である、
ということ。目的は賢くなることであり、責任追及ではない。
つい人を責めたくなりますが、要注意ですね。
5、品質改善をする組織
どうすれば改善できる仕組み、組織になれるでしょうか。
今回のテキストでは、「全員参加」ということを強く強調されてるように思いました。
全員参加、QCサークルは、その一つです。
小さな改善をコツコツと続けていくことは、馬鹿にならない結果を生みます。
小さくても全員がそういう意識や行動を起こすことが大事です。
その基盤となるのが「問題解決力」とのことですね。
問題解決力について、必要なプロセスを箇条書きにしていくと面白いです。
・把握
・目標
・目算(シナリオ)
・事実
・調査
・論理(問題発生のメカニズム)
・実証
・手法
・対策
・余病(副作用)
・効果
ですね。面白いです。
6、標準化
標準とは、経営管理マネジメントにおける計画の結果であり、
標準化によって、経験の再利用や思考の省力化が可能である。
そして、標準化とは、ベストプラクティスの共有、である。
この視点、ものすごく大事です。
個人が、どれだけ優れていても、その個人がいなくなれば、回らなくなる組織であってはいけませんよね。
標準とは、
「全員が、統一、単純化を図る目的で、物体、性能、能力、配置、状態、動作、
手順、方法、手続き、責任、義務、権限、考え方、概念等について定めた取り決め」のこと。
これができてないから、それぞれが作る品質がバラバラになってしまいます。
難しいですが、共通化が図れることによって相当効率的にできることは多い、と思いますね。
また、標準とは何か、ということについて、業務実施計画というものがあります。
実施者が最適な方法を提供できるように、標準、ガイド、マニュアルの形しておかなければならない、
と言われます。
そして、次の考え方も大事です。
「標準化」=「知識」です。
標準には2つあります。
1つは、「統一することによって混乱回避できる標準」。
たとえば、信号機です。
2つは、「決めた方が良い標準」ですね。
経験の活用、計画の簡略化のための標準化、など。
標準化によって、「知識の再利用、経験の有効利用、省思考」が可能となります。
そもそも改善には、標準化が前提です。
現状が一定でなく、標準化できていない状態で、「皆さん」に共通する改善ができるでしょうか。
共通する基礎がしっかりしていてこそ、全体の改善につながる、という観点です。
とても大事ですよね。
それぞれがバラバラでやっている中で改善しても、共通性がなく、方向性も掴みにくいです。
まずは、良い結果を生む方法を標準化しておいて、うまくいかない点があれば、改めて計画する。
似たようなことに時間や思考を浪費することを少なくし、
余った分を独創的な仕事に投資することができるという視点に立てば、
「標準化するからこそ、独創性が生まれる」基盤を作れるということになりますよね。
6、標準化阻害因子とその対応
とはいえ、なかなか標準化できないのが実態ではないでしょうか。
1つ目の要因が、未成熟、です。
目的達成の手段の技術的な内容が未成熟であれば、もちろん達成することはできません。
中心となる内容(コンテンツ)そのものが不十分ということですから、
コンテンツ自体を充実しなけなければならないです。
2つ目は、患者の病態、状態変化、介入効果の多様性、です。
そのため、標準化ができにくいですが、一人一人が完全に異なるかといえば、
そうでもなく、ある程度の共通のパターンを認識することで標準化できないか、という視点も大事です。
3つ目は、インセンティブです。
標準化を進めても、得にならない、評価されない、という中では、なかなか取り組めません。
治療縫合の新発見や新技術も大事ですが、標準化するからこそ、新たにできるものがある、
という観点も持ってほしいですね。
4つ目は、実施費用です。
改善したら良い、ということが分かっていても、費用に問題があってなかなかできない、ということですね。
資金不足は大きな阻害要因です。
とはいえ、完全に計量できる効果だけを考慮したら、多くの改善策は費用対効果が薄いと判定されます。
多くの場合、標準化による効果を過小評価しています。
狭い範囲の改善対象にだけ視点を置くのでなく、どこまで、その効果が広がるか、という視点で捉えましょう。
5つ目は、組織的標準化推進体制です。
1つのグループが行った改善が、外に波及しなかったり、周知徹底しなければ、効果が弱くなります。
それらが全体に広がる体制を作らなければなりませんね。
7、医療における標準化
医療において、標準化と言えば、クリニカルパスですね。
そのメリットとしては、診療チーム内のコミュニケーション向上、
価値観の共有、コミュニケーションツールとして使えるといった点ですね。
とはいえ、なかなか患者の病態の多様性に適応しきれない部分があって、バスにのる症状の割合は半分程度、
なかなか使い切れないといったところです。
また、問題点として、
クリニカルパスは、患者が標準的に回復していく場合の診療プロセスの記述となっていますが、
患者状態の把握、目標とのズレの認識、処置を施す、という視点が無いのが現状であり、
標準化ツールにするためには何らかの工夫が必要、ということも書かれていました。
良い結果を得るためにはプロセスに着目するのは有効であり、
工程を作り込め、というプロセス管理の原則を具現化することが大事です。
しかし、パスの導入が進まない、活用されなくなる理由は、
患者の多様性に対応できない問題を解決する必要がありますが、
その1つとして、患者状態適用型パス(PCAPS)という考え方も紹介されていました。
8、マネジメントに関する基本的な考え方
能力の向上、人材育成、これは大事ですよね。「品質」管理とは「人の質」管理とも言われます。
特に、医療は、医療に従事する人々の力量が医療の質に与える影響が大きいので、
人材育成や能力向上は、殊の外重要である、ということです。
そして、自主管理マネジメントについて。
これは、管理「する」人、「される」人ということを否定しています。
「管理」の本来の目的と意味は、
「目的を継続的に効率よく達成するためのすべての活動」であるから、
そもそも、全員が管理するという視点がなければおかしい、とのこと。
すごい大事な観点ですね。
全てが管理者である、ということでしょうね。
目的があって、その目的に向かって、それぞれが継続的に、効率よく動く、
これは、院長であれば、部長であれ、課長であれ、一般職であれ、関係ありません。
自主管理を誤解して、専門職者の権利を主張しすぎることがあっても良い結果を生みませんので、
専門職種がそれぞれの役割を認識しつつ、能力、責任、権限の範囲内で、
自分で考え、自分で決める、という行動原則が重要。
そして、全員参加ですね。重ね重ね書かれている内容です。
後工程お客様、内部価格の観点を持ち、個々が全体を意識し、充実することで、
さらに、その後方である「外部」のお客様の満足にもつながっていくということですね。
全員参加ですから、
「品質担当は〇〇さん」、「安全担当は●●さんの仕事」だから、私は関係ない、
となってはいけない、ということです。
QCサークルでの横断的な関わりを持つことの大事さは、こことつながりますね。
9、ひと中心型経営
最後です。
この根底にある考え方は、組織のパフォーマンスは「人」で決まる、ということのようです。
これは、そうだなぁ、と思いますね。
マネジメントとは、人の能力を引き出すことが重要であり、
人間を尊重し、自己実現を支援しいくことで、
人と組織が、WIN-WINの関係になれます。
人の弱さの克服する、許容する、補完する。ヒューマンエラー、ミスは有り得ます。
それらを責めるのではなく、起きても大事に至らない業務システムを作り、改善を続けていく。
そんな経営管理をしていきたいですね。
今回は、以上です(^_^)v