【973】制度の歴史を振り返り、未来を考える(書籍:医療経営士テキスト(上級)病院経営戦略論(2)」所感)
皆さん、こんにちは。中神勇輝です(^_^)
今回で、973回目です☆
日々の学びや気づきを言語化し、行動を変え、未来を変える一助に。
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では、本日の内容です。
■本日の内容は、以下の本から
「医療経営士テキスト(上級)病院経営戦略論(2回め)」
です。(1日1読書946日め)
試験用のテキストで通常の書籍と異なるため、ある程度、頭に入れていく必要があるので、
分割して読んでいきます(^_^)
1冊のボリュームにもよりますが、基本的には、チャプター毎を一つの目安にしますね。
では、読もうと思った目的、心に残った内容、感想などは、こちら(^-^)
■目標、狙い
医療経営士1級の受験に向けて。
■個人的!要約
社会保障を守るとは、国民を守る、ということ。
しかし、その財源もまた、限られる中で、国は、どのようにかじ取りをするのか。
病院は、そのかじ取りに、どう対応し、地域に貢献していくか、考え、行動していきたいですね。
■心に残った内容、感想など
今回の章は、「2、日本の医療の現状と課題」です!
1)社会保障
そもそも、社会保障とは何か、ということですね。よく聞く言葉ですが、定義としては、
「疾病、負傷、分娩、廃疾、死亡、老齢、失業、多子、その他困窮の原因に対し、
保険的方法または直接公の負担において経済保障の途を講じ、・・・(略)。」
ですね。
国民皆保険・皆年金という、車の両輪とによって、
上記の社会保障の充実が図られてきましたが、その伸び率は高い状況、
ということで、対国民所得比9%(このテキストは、2010年作成)。
「年金」、「医療」、「福祉その他」の、3つを三本柱とする社会保障給付費に対して、
手厚い公費を投入しているのはなぜでしょうか?
しかも、公債の割合が高い中(言い換えると、借金を増やしてでも)、
投入している訳です。
それは、
皆保険制度の徹底という側面と、
老人医療費の負担の問題があります(福祉的な要素)。
2)医療制度と診療報酬
では、次の項目です。
この中で、気になったのは、協会健保の改革の内容ですね。
特徴1 民間の経営ノウハウを導入
特徴2 都道府県単位の財政運営の導入
上記を実施したということです。
「公」に「民」の要素を投入する、というのは、どこでも起きていることです。
そして、診療報酬制度。
病院に勤めていれば、切っても切り離せない制度です。
国が、一つ一つの診療行為に、報酬金額やルールを定めたもので、
この制度に則って、医療機関は、収入を得ています。
肝になる制度ですが、ご存じの方も多いと思いますので、割愛します。
3)日本の医療機関
世界と比べた日本の医療提供体制について。
日本は、資本集約的であり、労働節約的、です。
(資本は潤沢だが、人員配置が手薄)
どういうことでしょうか?
分かりやすい点では、病床数(ハード面)は多いが、
それに見合った人員(ソフト面)は配置できていない、ということですね。
人口あたりで見ると、まずまずの充足数なんですが(海外と比べても)
病床数あたりで見ると、手薄になる、つまり病床数が多い(過剰)ということが言えます。
その過剰も、総ベッド数で見ると、過剰に見えますが、
機能別で見ると、充足・不足が分かれますので、
そのあたりを政策誘導して適正化を図っているのが、2年に一度の診療報酬改定ですね。
4)民間中心の医療
日本では、機能分化と連携が進んでいないため、
病院、診療所ともに多数の外来患者で混み合っています。
ほぼ完全なフリーアクセスとなり、
「3時間待ち時間、3分診察」ということは、聞いたことがある人が多いですよね。
なぜ、そうなるのかと言えば、
民間中心の医療提供体制があります。
「公設」が多ければ、国がコントロールしやすくなりますが、
「民間」主導の医療提供体制においては、
政府が有効な医療提供体制を打ち出すことが難しい面があります。
5)医療提供体制の変化
トピックとして、
・資本集約型から労働集約型への転換
・4疾病5事業を中心に機能分化と連携の推進
・情報の非対称性が大きいため、積極的な情報開示と、患者・住民による選択を推進
・病院完結型から、地域完結型への移行
・2つの医療費適正化の道
医療そのものを効率化したり、診療報酬改定等による短期的な方策。
医療費の伸び率を徐々に下げていく中長期的な方策。
気になった大枠の課題としては、上記でした。
社会保障制度を守りつつも、財源も確保する、非常に厳しい舵取りですね。
6)2006年前後の医療制度構造改革
トピックとして、
・生活習慣病対策(保健事業、特定健康診査及び特定保健指導の義務化)
・保健者の再編
・高齢者医療制度
・特定療養費制度の再編・拡大
・保険外療養費制度の再編(評価療養、選定療養)
・在宅医療重視の点数改定
・7対1看護の導入
・情報提供の推進(広告できる事項を列挙した「ポジティブリスト」方式を維持しつつ、包括的な方式の採用)
・医療計画の見直し
・医療法人制度の見直し
・医療法人解散時の残余財産の帰属先の制限
・社会医療法人制度の創設
・医療法人の附帯業務の拡大
過去のトピックを振り返ってみると、今につながっているな、と思います。
ということは、今の議論は、当然のごとく、未来につながっていることを思うと、
現状、問題視されていることは着実に対応しなければいけない、
ということを実感しますね。
■ベイビーステップ
今ある制度がなぜ動いているのか、歴史を振り返ることで、学びがあります。
過去が今につながっているように、今は未来につながっています。
病院、そして、地域の課題を明確にし、取り組んでいきたいと思いますね。
以上です(^_^)
前回の内容はこちらまで。
https://wakuwaku-kokoro.net/2021/01/medical-management-specialist-reference-book-1-1/