【979】地域のニーズと連携のハブ(書籍:医療経営士テキスト(上級3)クリニカルパス/地域医療連携(1)所感)

皆さん、こんにちは。中神勇輝です(^_^)

今回で、979目です☆

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では、本日の内容です。

■本日の内容は、以下の本から

「医療経営士テキスト(上級:3)クリニカルパス/地域医療連携(1回め)」

クリニカルパス/地域医療連携

です。(1日1読書951日め)

https://www.jmpshop.jp/products/list?category_id=124

試験用のテキストで通常の書籍と異なるため、ある程度、頭に入れていく必要があるので、
分割して読んでいきます(^_^)

1冊のボリュームにもよりますが、今回は、チャプター1~2章ごとにしますね。

では、読もうと思った目的、心に残った内容、感想などは、こちら(^-^)

■目標、狙い

ゴール

医療経営士1級の受験に向けて。

■個人的!要約

一つの医療機関で完結できない時代。

患者に対し、地域の、医療・介護・福祉サービスが情報を共有し、
連携して、地域での暮らしを支援する体制作りが必要。

病院において、その役割の一端を担うのが、医療連携室。

■心に残った内容、感想など

こちらのテキストは、4つの章からなりますね。

「地域医療連携の意義」
「医療連携と病院経営」
「クリニカルパスのこれまでとこれから」
「クリニカルパスによる病院マネジメント」

第1章は、「地域医療連携の意義」です。

ポイント

1、地域医療連携、救急体制

地域医療連携とは、

「地域の限られた医療資源有効かつ効率的に運用し、地域住民に継続に提供すること」

医療資源が限られている(偏在している)ため、どのように連携するか、
非常に大きな課題ですよね。

まず、日本の医療の弱点として書かれていたのは、
救急医療と医療連携の不備が課題、ということでした。

人口あたりの病床数が多いですが、医師の数が少ない、という状況。

いくらベッドがあっても、救急に対応できる医師が不足していれば、
急患対応はできません。

特に、日本の医療機関で、日中(朝、昼間)に医療資源を集中する体制が取られており、
これは、日本全国で、均一的な体制になってしまいます。

夜間が医療過疎になる大きな原因、ですね。

原因がハッキリ分っているのであれば、夜間に人員を集中できれば良いですが、
救急対応への手厚い人配置について診療報酬で評価する体制が整っていません。
(救急部門は、赤字になりやすい、という話を良く聞きますね)

固定で点数が決まっている以上、ある程度の報酬がなければ、資源を投入できない、
というのが、現実的なジレンマですよね。

(このテキストは、10年前のものです。今では、だいぶ救急も手厚くする動きが
起きてきていますが、体制そのものを変えるというところまでは至っていないですね)

2、医療連携の法制化

医療連携は、医療政策としても、さらに強力に推進されています。

1病院で医療を完結させる体制から、
医療連携を通じて、地域で医療を完結させる、という流れは、
今後も続く、確定の未来として、「自院の立ち位置」を考えないといけない、ですね。

地域連携を通して、「患者中心の医療」を実現させる。

「病院から退院すれば、それで終わり」ではなくて、
その後も、医療サービス、福祉サービスを受けられる連携体制。

救急から病院へのスムーズな流れの構築、退院後の在宅医療の推進、
施設への退院もあります。

今では、地域包括ケアシステム、という言葉を多く目にしますが、
このテキストが作られたのが10年前ですが、
現在につながっている(加速しているなぁ)と思います。

とはいえ、連携が取り入れられているレベルにも、格差はありますね。
行政が積極的に取り組んでいる地域もあれば、病院が地域を巻き込んでいる場合もあります。
コロナ禍もあり、ICT化による連携強化の波は更に激しくなっていくように思います。
(乗り遅れてはいけないな、と思います)

3、「4疾病5事業」の医療連携

居宅を含め、退院後も継続的に医療が受けられるような体制が求められています。

2006年の医療計画には、
住民・患者にわかりやすいこと、
データに基づき、検証可能であること、
都道府県が自主性と裁量性を発揮できること、
の3条件が強調されている、とのことです。

「わかりやすく」というところはポイントでしょうね。

わからないものを、実行しようと思いません。
ある程度、データ化しないと、PDCAは回せません。
地域の特性に合わせて行動しないと、的確なサービスは提供できません。

ということで、一貫した医療の流れについて、
「脳卒中」の医療体制を一例として書かれていました。

まず発症予防、応急手当て・病院前救護、救急治療、
身体機能回復のリハビリテーション、生活維持のリハビリテーション、在宅療養へ。

まさに、一連の流れですね。
脳卒中に限らず、共通する部分は多いのではないか、と思います。

これらの機能のうち、地域で、どこが欠けているのか、その不足の部分を
誰が、どう補っていくのか、連携して解決していくのか、ということが見える化されれば
良いですが、見えていないのが実態ではないでしょうか。

また、癌のことも触れられています。

予防として未成年者は喫煙をやめよう、
癌登録の推進、早期発見、患者ケア、家族が相談できる場を作る、
といった体制。

それぞれの疾患に対して、
予防できること、治療できる場、在宅へ戻す体制は何か。

「あれもこれも」できません。
「あれかこれか」の「これ」を担うとしたら、自院で何を担うか、
考えていかなければいけませんね。

4、医療連携の中心は、医療連携室

第2章は、「医療連携と病院経営」ですね。

医療連携にとって、調整するコーディネーターが必要になりますよね。

それが、医療連携室ですね。

(入退院の調整と、病床管理、医療相談、紹介・逆紹介の手続き、これらの機能を集約し、
連携の強化を図っていく組織)

メンバーとしては、医師、看護師、薬剤師、ソーシャルワーカーなど、
各種の専門職が配置される必要があり、
組織上は、病院長に直属する部署として位置づけることが望ましい、と書かれてます。

ありとあらゆる医療連携に関わる業務を掌握し、パスの作成・管理や評価、
治療成績や病気が向上しているか、連携の評価を恒常的に行い、
地域の住民にコンスタントに情報発信をしていく、大事な役割だと書かれてます。

(医療マネジメント学会で、「医療福祉連携士」という資格制度が紹介されていました。
どんなものか少し興味があります)

5、連携の推進における情報活用

まず、連携のために、情報の活用がとても重要、とのことです。

クラウドコンピューティング、インターネット、ICTの活用、いろいろ言われます。
10年前のテキストではありますが、当時でも問題になっていますから、
今となっては、必ず取り組まなければいけない課題である、と思いますね。

現在では、オンライン上での面談等も活用できるようになってきました。
これにも、いかに順応していくのか。
他人事のままではいられない、大きなポイントになっていく、と思います。
むしろ、ICT化、オンライン化は、
病院がオープンな存在になる好機でもあり、進めていきたい内容ですよね。

ふと思いましたが、医療機関にありがちなのは、診療報酬の点数がつかないから、
体制を整備しない、という傾向はないでしょうか。
一般の企業であれば、当然のように整備することも「点数がつかないから」しない。
逆に、病院にとってそこまで必要なものか、と思えるものでも、
「点数がつくから」する、ということも有り得ます。

公定価格の事業の中ですから、
経営を成り立たせるためには、どうしても必要な視点ですが、
行き過ぎると、大事なものを見失いそうですね。

6、地域のニーズと連携

地域ニーズにどんなものがあるか、関係者との自分の協議が必要ですね。

例えば、在宅。

10年以上前から言われていることですね。

在宅医療や連携に関わる点数は、徐々に増えてきていますし、
(それを、うまいこと利用して、診療報酬を請求して、利益を出し、
その是正のために、点数が変わる、ということも起きてきましたが・・・)
経営的に成り立つように、力を入れていこう、という流れは、
今も継続しています。

医療、介護、福祉、それぞれの資源を有効に使うことで、
より質の高い安全な医療の提供につながる。

昔も、今も、未来、も変わらない、方向性と言えます。

つの医療機関では、「あれもこれも」できませんから、
連携していくことが重要ですよね。

■ベイビーステップ

ベイビーステップ

地域の中の病院、という立ち位置をあらためて、振り返り、何ができるか、考えよう。

以上です(^_^)v