【981】多職種、院内外の連携のツールとして(書籍:医療経営士テキスト(上級3)クリニカルパス/地域医療連携(3)所感)
皆さん、こんにちは。中神勇輝です(^_^)
今回で、981日です☆
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では、本日の内容です。
■本日の内容は、以下の本から
「医療経営士テキスト(上級:3)クリニカルパス/地域医療連携(3回め)」
です。(1日1読書953日め)
https://www.jmpshop.jp/products/list?category_id=124
試験用のテキストで通常の書籍と異なるため、ある程度、頭に入れていく必要があるので、
分割して読んでいきます(^_^)
1冊のボリュームにもよりますが、今回は、チャプター1~2章ごとにしますね。
では、読もうと思った目的、心に残った内容、感想などは、こちら(^-^)
■目標、狙い
医療経営士1級の合格。
■個人的!要約
クリニカルパスは、患者に提供する医療や介護の質を向上し、
また、医療間の連携を促進するツールである。
パスを院内、そして、院外、そして医療と介護へつなげていくためには、
関係者と話し合い、評価し、ともに改善していく、というプロセスが求められる。
■心に残った内容、感想など
こちらのテキストには、4つの章があります。
「地域医療連携の意義」
「医療連携と病院経営」
「クリニカルパスのこれまでとこれから」
「クリニカルパスによる病院マネジメント」
今回は、「クリニカルパスのこれまでとこれから」です。
1、クリニカルパスとは
そもそもクリニカルパスとは何でしょうか?
診療や看護の作業工程表ですね。
EBMが要請され、診断、治療、看護のガイドラインが次々と作成されています。
成果、時間軸、チーム医療、包括医療で構成されますよね。
標準化した治療に対し、その成果が出ているのか、
1日ごとに病態の変化を記載し、フォローしていく訳です。
院内だけでなく、地域連携のパスも考えられています。
在宅、介護との連携も考えられています。
その場合、時間軸は長くなりますし、1日単位でなく、
長いスパンで考える必要がありますね。
2、パスのメリット
一般的には、対象とする疾患において、
・患者数が多いか
・費用がかかるか
・リスクが高いか
この3つの視点からメリットを判断する、とのことです。
ハイボリュームの疾患だけではなく、
ハイリスク、ハイコストな疾患の標準化が求められます。
では、バスをつくる最大の意義は何でしょうか?
それは、「パスを用いた場合の、結果を評価できる」ということです。
そのためには、設定した結果が得られているかどうかを
レビューする必要があります。
定型的なパスから外れたバリアンスがあるかないか、
それを改善につなげていく、ということです。
普段の仕事でも、例えば、マニュアルがあるかないか、
その通りに実行したのかどうか、など、
なぜ、うまくいかなかったのかを考える材料にできますよね。
3、作成プロセスと、アウトカム評価・ピュアレビュー
自院独自のパスを開発のメリットと、パスの限界を知ることが重要、
ということが書かれています。
多職種で話し合って、
診療や看護によって得られる最良の結果、アウトカムを目標とし、
これを達成するための標準的なものを設定していく。
そして、一度作っても、それが絶対ではないので、
レビューしていく中で、改良を加えていく、みんなで話し合って調整していく機会とする。
アウトカム評価の重要性としては、
医療の質を高める直接的な動機付けになる訳ですね。
ピュアレビュー(相互評価)ということについても書かれてあります。
病棟など、チーム全員で共同作業をするということ、
また、お互いの業務を組織的・継続的評価するということが大事、ということですね。
以前のテキストでもありましたが、病院という業界は、
組織がタコツボ化しやすい傾向があります。
お互いの業務に干渉しない、という壁を突破する、そのツールになる、
助けになるのではないでしょうか。
この章の後半部分に、質と安全と効率について書かれていました。
アメリカでは効率、日本では質と安全の追求に、重きが置かれているようです。
どちらにしても、患者、スタッフともに、幸せになる「アウトカム」が得られるような
パスを設定する必要が有るだろう、と思いますね。
4、指標設定、情報収集、分析
最後の章、「クリニカルパスによる病院マネジメント」です。
パスの効果測定の物差しとして、臨床指標を設定する事の大事さが書かれていますね。
ストラクチャー、プロセス、アウトカム評価という視点を持つ。
指標を設定し、その結果がどうであったかをしっかりと収集し、
分析することで、改善につながっていくでしょう。
収集と分析は大事ですね。
5、質の向上
クリニカルパスを何のために導入するのか。
質向上のため、です。
ストラクチャー、プロセス中心の病院機能評価に、
アウトカム評価を入れていこうという動きがありました。
診療の標準化の促進、診療ガイドラインの設定、クリニカルパスの作成をすることが、
機能評価のチェック項目になる、アウトカムの設定が導入されていきます。
取り組みの結果を見える化し、質向上につなげることは、どの分野でも大事ですね。
6、地域連携パス
地域連携パスとは、疾患別で、疾病の診断、治療、リハビリ、社会復帰に至るまで「生きる」を
切れ目なくカバーするツール、ですね。
診療報酬としては、大腿骨頸部骨折、脳卒中、癌も対象となっています。
また、クリニカルパスは、院内・外の多職種連携を進めるツールです。
退院時の共同指導料や、救急の受け入れの加算などもありますよね。
この地域連携を進めていくというのは、病院のオープン化、とも言えます、
以前から、「連携なくして医療なし」ということが言われていますが、今はさらに強くなっているでしょう。
限られた医療資源をいかに地域で循環させるか、とても重要なテーマです。
ただ、政策的、経済的な理由は不十分なままで、
医療資源の有効に活用する合理的なシステムを模索しているのが現状と思います。
診療報酬上、ドクターフィーやホスピタルフィーをつけることで、
病院のオープン化の普及につながっている部分はあります。
しかし、診療報酬がつかないからといって、連携をしない、
ということではいけませんよね。
そんなものがあろうがなかろうが、すべきことをする病院が望まれていくでしょう。
7、パスの具体例
まずは、癌の地域連携パスについて。
癌の地域連携パスの難しいところは、経過が千差万別、多種多様であること。
積極的な治療が必要であったり、フォローアップ、再発の不安を抱える患者へのケア、
訪問看護ステーションなど、いろいろな地域の機関が連携し合うことが必要である。
指導料、リハビリテーション料、カウンセリング料、地域連携の管理料、
様々な点数によって評価され、推進されようとしていることが見えますね。
次に、在宅医療です。
在宅医療連携も重要です。
日本国民の6割は、居宅で最期を迎えることを希望しています。
しかし、整っていないのが実態ではないでしょうか。
在宅医療は、生活支援という機能です。
(ボリューム重視(限度なく)で病床が増えた結果、
その生活支援の部分を病院で行ってきた過去が現在の在宅医療の遅れに
つながっているのでしょうね。)
在宅への推進は、医療費適正化の観点から論じられることもありますが、
むしろ多様なニーズに応えて患者のQOLの向上を図る上で必要だから普及すべき、
と言うべきでしょう。
地域包括ケアの体制づくりを握る「在宅サービス」の強化ですね。
最後に、医療と介護の連携の新展開ですね。
疾病構造の変化、健康水準の改善、医学の進歩で、
在院日数は減少したにもかかわらず、病床数や病床数は高止まりですよね。
つまり、ベッドが余ります。余りますから、生活支援が必要な多くの高齢者が
入院することで、ベッドを埋めようとします。
(在宅でも対応できる場合でも、入院という選択肢を選べるのであれば、
安心を求めて入院させる、ということは、十分有り得ます)
病院が高齢者医療の一部を担っていることになっており、
今後、社会的入院を無くしていくためにも、医療と介護が分離し、
それぞれの役割を果たし、かつ連携していく必要があります。
しかし、介護保険の分野では、待遇改善やマンパワーの養成が進んでいない現状があり、
介護機能を担う施設も整えていかないといけない、ということがありますね。
これまで関わりの少なかった医療従事者と介護従事者が
十分なコミュニケーションをとることが医療連携・介護連携の第一歩。
地域連携パスを医療だけでなく、介護にまで拡大し、両従事者の共通言語としていく
未来が必要ですね。
■ベイビーステップ
多職種連携のポイントは、
アウトカムである「患者の治療、QOLの向上」を念頭に置き、
自院、地域にあったプロセスをともに考え、創っていく、という視点を前提にしたい。
関連して、前回の内容は、
https://wakuwaku-kokoro.net/2021/01/medical-management-3-2/
前々回の内容は、
https://wakuwaku-kokoro.net/2021/01/medical-management-3-1/
以上です(^_^)v