【982】医工官の連携が産業を強くする(書籍:医療経営士テキスト(上級4)医工連携(1)所感)

皆さん、こんにちは。中神勇輝です(^_^)

今回で、982日です☆

日々の学びや気づきを言語化し、行動を変え、未来を変える一助に。

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では、本日の内容です。

■本日の内容は、以下の本から

「医療経営士テキスト(上級:4)医工連携(1回め)」

です。(1日1読書954日め)

医工連携

https://www.jmpshop.jp/products/list?category_id=124

試験用のテキストで通常の書籍と異なるため、ある程度、頭に入れていく必要があるので、
分割して読んでいきます(^_^)

1冊のボリュームにもよりますが、今回は、チャプター1~2章ごとにしますね。

では、読もうと思った目的、心に残った内容、感想などは、こちら(^-^)

■目標、狙い

ゴール

医療経営士1級の合格。

■個人的!要約

医工官連携で、ハイリスクローリターンからの脱却を図る必要がある。

■心に残った内容、感想など

ポイント

1、医工連携とは

あまり聞き慣れない言葉ですね。(私だけ?)

「医」のニーズに対して、「工」が技術を提供するというイメージが強くあるが、
今後は、「医」と「工」が融合してお互いの知見を高めながら共に発展していく、
イノベーションをもたらす取り組みになっていくと良い、とのことです。

深い結びつきが必要、ということですね。

その問題提起の発端として、
日本の現状は、高齢化社会、生産性の課題、海外の経済力が強くなっていること、
(日本が相対的に弱くなっている)などがあります。

その中、長寿の国として知られている日本が、
新しい医薬品や医療機器を世界に発信する、そういったような医工連携ができれば、
医療産業が日本の経済力を支える一つになっていくのではないか、と考えられています。

中身を見てみると、日本の医療機器産業の貿易収支は、輸入の方が多く、
収支はマイナスだったみたいですね。(10年前)

治療器機は侵襲性があるため、リスクが高く、日本製の治療器機は少ない(参入しにくい)、
ということがあるようです。
というにも、日本の医療産業においては、新しい何かを開発する、ということは、
ハイリスクの割には、ローリターン、またはノーリターンという状況のようです。

いくら志があっても、これでは、やる気が起きません。

なぜでしょうか?

それは、「認可に時間がかかる」の一言に尽きそうですね。
その間に海外で似たような器機が先に開発されてしまっては意味がありません。

そこで、医と工が連携して、開発の速度を上げていく必要があります。

2、日本の医療器機開発の課題

課題の1つめです。

医療機器の認可プロトコルが
(※複数の者が対象となる事項を確実に実行するための手順について定めたもの)
欠如している、ということ。

※Wikipediaより

そのため、日本で開発した医療機器が、先に海外で認可を受けた、ということもある。
また海外製の最新の医療機器も、日本で使用するには、
日本の認可を受けなければ使用できない状態ということであれば、
そんな市場に海外もなかなか参入しようとしませんね。

課題の2つめです。

埋もれているニーズを発見する、ということ。

ニーズは、現場で発生します。

例えば、「経鼻内視鏡」は、現場からの意見で生まれた、と思われる。
現場だからこそ、こんな機械があったら便利だなぁ、というアイディアが生まれますよね。

しかし、現場だけでは、その発想を形にして残すことすらできないのが現状です。
その理由として、現場の忙しさがある、とのことです。

実際、良いアイディアを思いついても、開発まで結びつける時間的余裕がなければ、
当然、行動にうつすことはできません。
これは、医療器機に限らず、院内のプロジェクト、業務プロセスの改善など、
普段の業務でも同じことが言えます。
だからこそ、現場と、企画部門の両方が必要ですね。

また、現場の具体的なニーズがあったとしても、市場性のある製品につなげられるか、
開発コストが患者数に見合うかどうか、ということも大きな問題ですね。

課題の3つめです。

つながらない開発フェーズ。

基礎研究から臨床試験、実用化(臨床応用)に至るまでの谷をいかに超えていくか、
ということですね。

最後の「臨床応用、つまり実用化」に至るまでの谷に対して、
「クリティカルパスリサーチ」という橋を建設する必要がありますが、
ここが弱い、ということです。

橋を作ろうとする取り組みが必要ですが、
外部の技術者が医療現場に立ち入ることが難しいことや、承認審査の問題があるので、
せっかく手間暇をかけても、数年後、早ければ翌年には、新しい器機が出てくる可能性もある訳です。

1から審査され、長い時間とコストをかけて、開発が遅くなるという悪循環があります。

3、海外の先進国の医工連携

アメリカの産業クラスターを事例にされていました。

産業クラスターというのは、1つのまとまりですよね。
病院、異なる企業が1箇所に集積して密に連携しその分野の開発をリードする、ということです。

例えば、大学とメイヨークリニックと連携して、検査機器の開発に取り組む、など。

クラスターの中で、病院のニーズ、シーズがベンチャーに受け継がれ、
開発の最初のステップが始まっていく。
大手の医療機器、中小企業、ベンチャー、それぞれの役割に応じて連携していく形ですね。

日本では、こういった型がないので、
1からニーズやシーズを探したりしなければいけないので、当然のごとく開発は進みにくいです。

また、アメリカでは、医師が臨床でのアイディアをベースにして一時的に開発に専念し、
一段落したらまた現場に戻るというサイクルができて良い循環を生んでいる、とのことです。

日本では、そこまで、「臨床と開発を行き来する」自由さはないですよね。

そして、アメリカでは、医療機器を開発する制度として、
FDA、IND/IDEといったものがあります。

審査官を大幅に増やして審査組織内だけで独自分析し、評価できる体制を強化し、
審査の迅速化を図った、とのことです。

やはり、制度を整備することは重要ですね。

審査機関が、研究開発段階から積極的に関与し、開発段階から弾力的な支援協力をすることで、
開発スピードは間違いなく速くなります。

その他では、部品部材メーカーからPL訴訟から免責する法も整備した、とのことです。
この法整備によって、ベンチャーや中小企業が安心して医療機器を開発、製造できる体制を
作っています。

ヨーロッパ、そしてアジアでも、医療機器産業の振興政策がとられています。

日本が、先行するアメリカやヨーロッパ諸国やをキャッチアップしようとするには、
大きな改革が必要になりそうですね。

■ベイビーステップ

ベイビーステップ

医(病院)として、工(製薬、医療器機メーカー)と、どのような連携が
できるか、視野を広く持ちたいですね。

以上です(^_^)v